経済産業省
文字サイズ変更

第1節 新興国の投資拡大による成長と経済関係の深まり

1.投資拡大を通じた新興国の成長

 現在、新興国が抱える課題を分析する前提として、まず、1970年代以降の途上国の経済成長・工業化の歴史について振り返る。

 1970年代以降、先進国の固定相場制放棄と資本移転自由化、一部途上国の政策転換を背景に、労働力や資源を求め先進国から途上国に技術移転や投資が拡大し、韓国やASEAN諸国などを中心に対内直接投資と製品輸出を通じた工業化に成功した。当初は労働集約的な軽工業が中心であったが、重工業、近年では電気・電子機器や自動車等に加え、半導体等のハイテク分野でも世界市場における存在感を増している。

 その結果、新興国・途上国経済は1997年のアジア通貨危機などによる一時的落ち込みはあるものの、持続的な成長を遂げてきており、世界経済危機に至るまで、先進国よりも早いペースで経済が拡大した1(第Ⅰ-1-1-1-1図)。

第Ⅰ-1-1-1-1図 新興国の成長率及び世界経済に占める割合

 例えば、韓国は「漢江の奇跡」と呼ばれた長期間の成長期をはじめ輸出を軸に経済を拡大させ、アジア通貨危機などの一時的な落ち込みはあるものの、2015年時点では、経済規模で世界第11位、1人あたり名目GDPで世界第31位にまで成長した。東南アジア各国も同様に、日本企業を始めとする外資企業の生産ネットワークの広がりを背景に、輸出比率の拡大を伴いながら著しい経済成長を達成してきた。(第Ⅰ-1-1-1-2図、Ⅰ-1-1-1-3図)。

第Ⅰ-1-1-1-2図 韓国・東南アジアの輸出比率と一人あたり実質GDP

第Ⅰ-1-1-1-3図 海外からASEANへの対内直接投資の推移

 1990年代後半以降は、改革開放の進展、冷戦終結、WTO加盟をテコに成長した中国の存在感が急上昇し、2000年代に我が国や欧州先進国を追い抜き、世界第2の経済規模に成長、世界のGDPに占めるシェアは2000年の3.6%から2014年には13.4%にまで至った(第Ⅰ-1-1-1-4図、第Ⅰ-1-1-1-5図、第Ⅰ-1-1-1-6図)2。年間の成長規模はほぼ米国に匹敵し、タイや台湾と同規模の経済圏が誕生するのと同じ規模で成長している(第Ⅰ-1-1-1-7表)。また、中国の広東省の経済規模がインドネシアを上回るなど、1つの省が1国に匹敵する規模となっている。

第Ⅰ-1-1-1-4図 中国国内総生産の長期的推移

第Ⅰ-1-1-1-5図 中国の実質GDP成長率(前年同期比)の推移

第Ⅰ-1-1-1-6図 主要国のGDP規模の推移

第Ⅰ-1-1-1-7表 中国経済のインパクト

 輸出においては、我が国、米国、ドイツが世界シェアを縮小させる中で、中国は「世界の工場」として世界シェアを2000年の4.1%から2014年には13.4まで拡大させており、繊維などの軽工業品から機械まで幅広い品目に及んでいる(第Ⅰ-1-1-1-8図、第Ⅰ-1-1-1-9図)。

第Ⅰ-1-1-1-8図 世界の輸出に占める主要国のシェア

第Ⅰ-1-1-1-9図 中国の主要輸出品の世界輸出に占めるシェア

 中国の経済成長は設備投資などの総固定資本形成が中心であり、2014年時点ではGDP全体の4割強を占めている。これは主要国の高度成長期と比較しても高い水準であり、例えば我が国のピークは1973年であったが、36.4%にとどまっている。 (第Ⅰ-1-1-1-10図) (第Ⅰ-1-1-1-11図)。

第Ⅰ-1-1-1-10図 中国の需要項目別GDP構成比の推移

第Ⅰ-1-1-1-11図 主要国のGDPに占める投資の割合が最大となった年

 同様の設備投資の拡大はシンガポール、マレーシア、タイなどの他の新興国・途上国においても一定程度見られるが、中国においては、経済規模自体の大きさから世界全体へのインパクトも大きく、2014年時点では世界の投資の約四分の一を中国が占めている。これに対して家計部門と政府部門からなる最終消費の拡大は相対的に遅れており、全世界の約1割にとどまっている(第Ⅰ-1-1-1-12図、第Ⅰ-1-1-1-13図、第Ⅰ-1-1-1-14図、第Ⅰ-1-1-1-15図)。

第Ⅰ-1-1-1-12図 中国の総固定資本形成・最終消費の対世界比(2014)

第Ⅰ-1-1-1-13図 シンガポールの家計消費・総固定資本形成(対世界比)

第Ⅰ-1-1-1-14図 マレーシアの家計消費・総固定資本形成(対世界比)

第Ⅰ-1-1-1-15図 タイの家計消費・総固定資本形成(対世界比)

 こうした新興国・途上国の経済成長を制度面で支えてきたのが自由で開かれた貿易投資制度の発展であり、1995年にGATTを改組して設立された世界貿易機関(WTO)はその象徴でもある3。WTOは2001年には中国、2012年にはロシアと旧東側諸国も取り込みつつ拡大を遂げてきた4(第Ⅰ-1-1-1-16表)。

第Ⅰ-1-1-1-16表 2001年以降のWTO新規加盟国・地域

 また、冷戦の終結と軌を一にして地域経済統合の試みも加速しており、アジア太平洋経済協力(APEC 1989年)、北米自由貿易協定(NAFTA 1992年)が設立・締結されるとともに、1993年には欧州連合(EU)が設立された。欧州ではその後2002年に共通通貨であるユーロが導入され、経済統合が更に進化するとともに、域内貿易が急拡大した(第Ⅰ-1-1-1-17図)。

第Ⅰ-1-1-1-17図 EUからの仕向地先別輸出額の推移(兆ドル)

 情報通信技術やコンテナの普及などによる物流効率化も経済のグローバル化を支えた。主要先進国では1990年代以降、中国でも2000年代以降にインターネット普及率が急上昇しており、2014年時点での我が国におけるインターネット普及率5は90.6%となった(第Ⅰ-1-1-1-18図)。また、我が国からの輸出におけるコンテナ利用状況をみると、貿易数量の約2倍程度のペースでコンテナ貨物量が増加しており、物流効率化に貢献したと考えられる。その結果、我が国全体の売上高物流コスト比率は1995年には6.13%であったものが2014年には4.90%にまで改善している(第Ⅰ-1-1-1-19図、第Ⅰ-1-1-1-20図)。

第Ⅰ-1-1-1-18図 主要国のインターネット利用率

第Ⅰ-1-1-1-19図 我が国からの輸出に係るコンテナ貨物量と数量指数の変化

第Ⅰ-1-1-1-20図 日本の売上高物流コスト比率(%)

 こうした結果、1990年から2014年にかけ、世界の貿易額は5.4倍、対外直接投資残高は10.9倍、同フローは5.6倍にまで急拡大した(第Ⅰ-1-1-1-21図)。世界的な経済構造も変容し、対外直接投資残高及び財輸出額の対GDP比も2014年にはそれぞれ31.8%、24.6%と拡大を遂げ、先進国から新興国への流れを中心に、技術の国際移転も進んだ(第Ⅰ-1-1-1-21図)。

第Ⅰ-1-1-1-21図 世界の輸出額・対外直接投資残高・特許等使用料の対名目GDP比推移

 貿易により取引される財の内容も年を追うごとに変化しており、新興国での貿易に必要な資本財や部分品の貿易が拡大した。例えば、中国による世界からの原材料・部品等の輸入額は1990年から2013年にかけて30倍に増加したが、生産工程別に分類すると、素材が106倍に拡大した一方で加工品は22倍に留まっていることから、中国における生産工程が単なる組み立てのみならず、素材を輸入して加工するプロセスにまで拡大しつつある様子が分かる(第Ⅰ-1-1-1-22図、第Ⅰ-1-1-1-23図)。

第Ⅰ-1-1-1-22図 中国輸入額・生産工程別(十億ドル)

第Ⅰ-1-1-1-23図 中国輸入額・生産工程別シェア

 2000年代以降の新興国のエネルギー需要拡大は原油価格の高騰をもたらした。1990年から2014年にかけて、世界の一次エネルギー消費量は1.6倍に拡大したが、同期間におけるOECD加盟国の伸びは同1.2倍であったのに対し、非OECD加盟国は同2.1倍であった(第Ⅰ-1-1-1-24図)。

第Ⅰ-1-1-1-24図 世界の一次エネルギー消費量(億石油換算トン)

 産油国は大幅な経常黒字を計上し、「オイルマネー」という形で海外への投資に振り向けられた(第Ⅰ-1-1-1-25図)。また、資源価格の上昇を背景に資源分野への投資が進み、例えば近年では米国においてシェールオイルの生産が急増している。ブラジル、サウジアラビア、ロシアなどの資源国も活況を呈し、急成長を遂げた(第Ⅰ-1-1-1-26図)。

第Ⅰ-1-1-1-25図 OPEC加盟国の経常収支状況

第Ⅰ-1-1-1-26図 ブラジル国内総生産の長期的推移

 こうした経済の流れは、世界的な産業の構造転換に結びついた。すなわち、製造拠点が新興国に移転したことにより、2000年以降、新興国・途上国において総固定資本形成の対GDP比が上昇したのに対し、先進国では低下するという現象が見られた。ただしその中にあっても、新興国においては最終消費が総固定資本形成ほどのスピードでは成長しておらず、消費は引き続き先進国が中心であった(第Ⅰ-1-1-1-27図)。

第Ⅰ-1-1-1-27図 新興国及び先進国の最終消費・投資の世界シェア

1 ここではIMF世界経済見通し(World Economic Outlook)における分類に従う。

2 各国GDPはIMF 「World Economic Outlook」(Apr. 2016)のドルベースのデータによる。

3 1930年代に蔓延した保護主義が第二次世界大戦の一因となったとの反省から、多国間の貿易自由化を目指し、1948年に、最恵国待遇・内国民待遇を大原則とするGATT(関税及び貿易に関する一般協定)が発効した。GATT締約国は、数次のラウンド交渉 を含む8度の多角的交渉を経て、相当程度の関税削減及び関税以外の貿易関連ルールの整備を実現し、1995年には、GATTを発展的に改組してWTO(世界貿易機関)を設立した。

4 WTO設立後のラウンド交渉の経緯などは、第3部第1章第2節を参照ありたい。

5 図は家庭用インターネット利用率の推移であるが、業務上の利用率も同等あるいは家庭用以上のペースで増加しているものと考えられる。

2.グローバル・インバランスと世界経済危機

 2000年代においても消費は引き続き米国や南欧など先進国が中心であり、世界経済の成長を消費面で支えた。結果的に世界経済危機に至るまでの間、これらの国への資本流入と経常赤字の拡大が進み、世界的に経常黒字国と経常赤字国が極端に分離する「グローバル・インバランス」が発現した(第Ⅰ-1-1-2-1図)。

第Ⅰ-1-1-2-1図 世界の主要国における経常収支の推移

 米国では2000年代に入り与信額が大幅に増大し消費が拡大、中国などの新興国から大量の商品を輸入し経常赤字を拡大させた(第Ⅰ-1-1-2-2図)。こうした経常赤字を賄ったのが中国や我が国といった経常黒字国などからの資金流入であった(第Ⅰ-1-1-2-3図、第Ⅰ-1-1-2-4図)。しかしながら2008年になり、住宅価格の上昇期待を背景に組まれていたサブプライムローンが住宅価格の下落を背景に不良債権化し、世界経済危機の一因となった。

第Ⅰ-1-1-2-2図 米国の非金融部門債務・対GDP比

第Ⅰ-1-1-2-3図 主要国銀行セクターの対米債権(兆ドル)

第Ⅰ-1-1-2-4図 外国による米国債保有残高と日中のシェア

 欧州でもユーロ圏で名目金利である政策金利が統一されたため、当時好景気で高インフレ率であったスペイン等において実質金利が低下し、景気のさらなる加熱が発生した。与信膨張により借入増を伴いながら消費が拡大する一方、ドイツ等の製品が輸出され、欧州域外だけでなく域内でも経常黒字国と経常赤字国が分離するインバランスが拡大した。金融面では、ドイツ等の銀行が南欧諸国等の高い名目金利を求め資金を貸し出し、南欧諸国はこれにより経常赤字を賄っていた。2010年に入り、南欧諸国の国債に対する信認が崩れ、ユーロ危機が発生した(第Ⅰ-1-1-2-5図)。

第Ⅰ-1-1-2-5図 EU28における経常収支動向(十億米ドル)

 ユーロ危機後は各国の緊縮策によりEU全体で経常黒字国が増加した。例えばスペインでは、1990年代後半以降、家計部門及び企業部門の債務拡大を伴い消費を拡大させ、ユーロ圏の景気をけん引していたが、その結果として2000年代に入ってから経常赤字を急拡大させていた。ユーロ危機後は不良債権処理により景気が減速するとともに、経常収支が黒字転化するに至った(第Ⅰ-1-1-2-7図、第Ⅰ-1-1-2-8図、第Ⅰ-1-1-2-9図)。すなわち、2008年時点ではEU28のうち経常黒字国はドイツ、スウェーデン、オランダ、オーストリア、デンマーク、フィンランド、ルクセンブルクの7カ国のみであったのが、2014年時点では、イタリア、スペイン、ギリシャ、ポルトガルなどを含む21カ国まで拡大している(第Ⅰ-1-1-2-6図)。

第Ⅰ-1-1-2-6図 EU28経常収支の世界経済危機前後における変化(十億ドル)

第Ⅰ-1-1-2-7図 スペインの非金融部門債務・対GDP比

第Ⅰ-1-1-2-8図 スペインの実質GDP成長率推移

第Ⅰ-1-1-2-9図 スペインにおける経常収支動向(十億米ドル)

3.新興国間の経済関係拡大

 新興国の経済成長とグローバルバリューチェーンの深化は、新興国間の経済関係の拡大をもたらした。特に、中国の急速な経済成長による周辺国との経済関係の変化は特に世界経済危機後の変化について特筆すべきものがある。例えば、各国別に最大の貿易相手国を地図上にプロットしてみると、日、米、欧などを最大の貿易相手国とする国が減少し、中国を最大の貿易相手国とする国が増加していることが分かる(第Ⅰ-1-1-3-1表)。本項では、こうした新興国間の経済関係拡大がこれまで先進国企業を中心に構築されてきた生産ネットワークに与える影響等について分析する。

第Ⅰ-1-1-3-1表 日本・米国・EU15・中国のうち最大の貿易相手国(地理的分布)

(1)東アジア・ASEANをはじめとした生産ネットワークの変化

①中国における最終需要の拡大

 東アジア・ASEANでは、我が国企業等の海外展開と密接な関連を保ちつつ、域内での国際的な生産分業が発達してきたと言われてきた。具体的には我が国や韓国から中間財が中国・ASEANに輸出されるとともに、ASEAN域内・中国ASEAN間の域内取引を通じて組み立てられた最終財が中国・ASEANから欧米へ輸出されてきた6

 こうした構造は中国の経済発展とともに変化しつつあり、特に世界経済危機を契機に加速化した。各国の財・サービス輸出が国境を越えた生産ネットワークを通じて最終的にどの国の需要を満たすものなのかを示す「付加価値輸出」については、90年代・2000年代を通じて日米が最大の最終需要地であったものが、世界経済危機以降、韓国・台湾・タイ・マレーシア・オーストラリアなどが中国を最大の最終需要地とするように変化した(第Ⅰ-1-1-3-2表)。

第Ⅰ-1-1-3-2表 各国・地域の財サービス輸出に対する最大の最終需要提供国(地理的分布)

 ASEAN全体でも2011年時点では依然として米国が最大の最終需要地であるものの、2009年には中国が我が国を追い越すなど、最終需要地としての中国の存在感が高まっている7(第Ⅰ-1-1-3-3図)。

第Ⅰ-1-1-3-3図 ASEANによる付加価値輸出に対する最終需要地と地理的分布

 この背景には、中国国内の所得向上に伴う民間消費の拡大に加え、世界経済危機後の中国政府による景気対策・建設需要拡大の影響もあって、資源を中心に対中輸出が伸びたことがあると考えられる。中国における不動産投資の海外への波及効果を示す、中国の建設需要に対する国外付加価値の対各国GDP比は、2009年時点でブルネイ(1.65%)やマレーシア(1.07%)などの資源国を中心に高くなっている8(第Ⅰ-1-1-3-4図)。

第Ⅰ-1-1-3-4図 中国の建設需要に対する国外付加価値の割合(2009)

 こうした最終需要地の先進国から中国へのシフトの結果、東アジア各国の経済動向が建設需要も含めた中国経済の動向に左右され易くなりつつあると評価できる。

6 通商白書2014

7 直接的な輸出額も対中輸出シェアはASEAN各国で上昇。特にミャンマー・ラオスにて顕著。

8 2009年時点における中国の建設需要に対する付加価値の源泉は、89.3%が中国国内であるのに対し、残りの10.7%が海外由来。対各国GDP比は本文にあるとおり資源国において高いが、付加価値額そのものは、日本(1.06%)、米国(0.82%)、ASEAN(0.82%)と日本が最大の付加価値提供国である。

②生産者としての中国の地位向上とグローバルバリューチェーンの変化

 以上、最終需要の側面から新興国間の経済関係の変化を概観したが、生産分業のあり方についても中国の経済成長に伴い変化が見られる。前述のとおり、グローバルバリューチェーンの拡大は、日系企業を含めた先進国企業による直接投資により主導されてきたことから、新興国からの輸出名目額が増加したとはいえ、実際に最大の付加価値を付けている国は先進国である場合がほとんどであった。例えば米国の財輸入額は2002年に日中のシェアが逆転し、以降は中国からの輸入が日本からの輸入を上回っているが、付加価値輸入額は2006年頃までの間、日本の方が中国を上回っていた9(第Ⅰ-1-1-3-5図)。

第Ⅰ-1-1-3-5図 米国の名目輸入額・付加価値輸入額に占める日中のシェア

 このように、これまで世界の多くの国において、最終需要に対する最大の付加価値輸入相手国は先進国、特に日米独の3カ国であった。しかしながら世界経済危機を挟み、中国を最大の付加価値輸入相手国とする国が世界各地で拡大し、例えば2011年時点で日本を最大の付加価値輸入相手国とする主要国は中国及びタイに限られている(第Ⅰ-1-1-3-6表)。

第Ⅰ-1-1-3-6表 各国の最終需要に対する付加価値創出国(地理的分布)

 中国企業の生産力向上に伴い、中国の輸出入の担い手にも変化が見られる。90年代後半以降、中国の輸出に占める外資系企業比率は一貫して向上してきたが、2005年をピークに反転、2015年は44.1%と1998年頃の水準まで低下している(第Ⅰ-1-1-3-7図)。

第Ⅰ-1-1-3-7図 中国の輸出入に占める外資系企業の比率

 こうした動きの一側面として、ASEANのグローバルバリューチェーンにおける位置づけの変化が見られる。まず、ASEANの名目的な財・サービス輸出額に対する付加価値の源泉については、日本由来の割合が減少し、中国由来の割合が増加しつつある。90年代後半から2000年頃にかけては、ASEANの輸出額のうち約1割は日本由来であったのに対し、中国からの追い上げの結果、2011年時点では、ほぼ同割合となっている。また、貿易財の構成にも変化が見られる。ASEANの対中輸出については、引続き中間財(加工品・部品)が取引の中心ではあるものの、世界経済危機以降、部品の割合が低下し、より素材に近い加工品や素材10そのものの割合が増加傾向にある(第Ⅰ-1-1-3-8図、第Ⅰ-1-1-3-9図)。

第Ⅰ-1-1-3-8図 ASEANからの製造業輸出に占める付加価値の割合(日本・中国)

第Ⅰ-1-1-3-9図 ASEANによる対中輸出の品目構成の変化

 ここから、我が国企業のASEANにおける分業のあり方が変化しつつあることに加え、従来の先進国企業を軸とした生産ネットワークとは別に、中国・ASEAN間の経済統合が独自に発展しつつあることが示唆される。この背景には、国有企業・民間企業といった中国企業の成長に加え、中国政府による企業の海外進出支援や中国ASEAN自由貿易協定の締結など、制度的な要因も存在すると考えられる。

 中国の技術力・生産能力向上に伴い、中韓貿易のあり方も変化の兆しが見られる。1992年の国交樹立以降、当初は韓国から中国向けに主に軽工業品が輸出され、中国からは資源や農産物等の一次産品が輸入される垂直貿易であった。対外直接投資についても、中小企業が中国の低廉な労働力を利用した労働集約的な繊維や衣服等のような小規模な軽工業が多かった。中国の世界貿易機関(WTO)加盟を契機に、2002年以降、韓国の対中直接投資11,12は急増したが、当時は中国に進出しても、生産に必要な部材については韓国から輸入する割合が高く、中国に進出している韓国企業向けの原材料や中間財、資本財等の輸出が誘発された13(第Ⅰ-1-1-3-10図)(第Ⅰ-1-1-3-11図)。

第Ⅰ-1-1-3-10図 韓国の対外直接投資額の推移(業種別、フロー)

第Ⅰ-1-1-3-11図 韓国の対外直接投資額の推移(国・地域別、フロー)

 韓国の対中直接投資は2007年をピークに一段落し、また中国に進出した韓国企業も中間財の現地調達化を進めていった結果、韓国からの中間財の調達率は低下した。2005年時点では、中国の財サービス輸出のうち4.0%は韓国由来の付加価値であったが、2011年時点では、これが2.7%まで低下している14(第Ⅰ-1-1-3-12図)。韓国の中国向けの財別輸出の構成比も、中間財(部品・加工品)が占める割合が2013年で76.8%と2000年と比べ約1割低下している。中国の中間財投入の自給率が1%上昇すると韓国の中国向け輸出は8.4%減少し、これにより韓国のGDPは0.5%減少するとの推計もある15

第Ⅰ-1-1-3-12図 中国の財サービス輸出に占める国外付加価値創出割合

 韓国国内では中国の追い上げに対する危機感が強まっていると言われている16。中国では、韓国の主要産業である半導体、パネルディスプレー、石油化学、鉄鋼等といった中間財の分野において技術力を高め、その生産能力を拡大してきている。中国国内において多くの部材の生産が可能となり自主調達率が高まった結果、韓国への輸入依存度も低下してきている17

 また、中韓貿易は輸出入品目間の類似性が高く、2015年には集積回路、液晶デバイス、無線通信機器、半導体が主要輸出入品目として重複している(第Ⅰ- 1-1-3-13表)。対世界輸出品目も同様に重複が多く18、2014年における両国間の輸出品目構成の類似性を見るためにスピアマンの順位相関係数19を算出したところ、中韓間は0.803と日中間(0.768)や日独間(0.664)と比べ品目構成に類似性が高いことが示唆された(第Ⅰ-1-1-3-14表)(第Ⅰ-1-1-3-15表)。

第Ⅰ-1-1-3-13表 韓国の対中国輸出入上位10品目の比較(2000年と2015年)

第Ⅰ-1-1-3-14表 中国と韓国の上位10位主要輸出品目の比較(対世界)

第Ⅰ-1-1-3-15表 中国と韓国の輸出品目構成の類似性の比較(2014年)

 東アジアや東南アジア諸国のみならず、資源国を中心に最終需要先あるいは付加価値創出国として中国の存在感が世界各国で増している。中国政府はアジア・欧州・アフリカ東岸20との経済関係強化を掲げているが、これらの地域との貿易が中国全体の貿易に占める割合は、輸出で5割強、輸入で6割弱である(第Ⅰ- 1-1-3-16表、第Ⅰ-1-1-3-17図、 第Ⅰ-1-1-3-18図)。

第Ⅰ-1-1-3-16表 中国の主要な対外経済関係国(アジア・欧州・アフリカ)

第Ⅰ-1-1-3-17図 中国のアジア・欧州・アフリカ東岸向け輸出の推移

第Ⅰ-1-1-3-18図 中国の輸出に占めるアジア・欧州・アフリカ東岸のシェアの推移

 中国とこれら地域との貿易の財別構成を見ると、中国は、素材(原油、鉱石等の未加工の資源)等を輸入し、加工品(鉄鋼・金属、化学品等)や消費財を中心に輸出している。輸出入の相手国別に最も大きなシェアを占める財を表示したのが第Ⅰ-1-1-3-19図で、輸入においては、西アジア、中東、アフリカ西岸は素材のシェアが高い国が多い。輸出においては、中央アジア、ロシア、ヨーロッパに消費財が最も大きなシェアを占める国が広く分布している。東南アジア、南アジアは、輸出入とも加工品(鉄鋼・金属、化学品等)が最も大きなシェアを占める国が多い。

第Ⅰ-1-1-3-19図 中国とアジア・欧州・アフリカ東岸の貿易の財別構成(最も大きなシェアを占める財)

 なお、こうしたグローバルバリューチェーンのあり方の変化は、東アジアにとどまらず、世界的な財貿易量の減速という観点からグローバルな現象としても捉えられるとの見解もあり21、例えば2015年に開催されたG20貿易担当大臣会合でも議論された22。世界の輸入数量伸び率を実質GDP成長率で除した弾性値は、ITバブルや世界経済危機などの時期に大きく増減しつつも、1990年代以降、長期的に低下傾向にあることが窺える。2012年以降は輸入数量伸び率が実質GDP成長率を下回る傾向となっており、世界の貿易量の対GDP比は減少に転じている23。その背景としては、世界的な産業の垂直統合のあり方が変化していることなどが指摘されている24(第Ⅰ-1-1-3-20図)。

第Ⅰ-1-1-3-20図 世界の実質GDP成長率と輸入数量伸び率の関係(弾性値)

9 ちなみにこの時期の米国にとっての最大の付加価値輸入国はカナダであったと考えられる。

10 素材自体は足下でシェアが低下している。

11 韓国の対外直接投資は製造業が最も多く、エレクトロニクスや自動車、鉄鋼等が中心であり、資源確保のための鉱業分野への投資も積極的に行われている。地域別ではアジアが最大の投資先で、北米、欧州の順となっている。

12 韓国への対内直接投資についても、海外からの投資を順調に呼び込んでおり、2000年以降はGDP比10%以上で推移。2015年の対内直接投資額(申告ベース)は、約210億ドルで前年比10.0%増で過去最高を更新した。業種別では、サービス業、特に金融・保険が大きく増え、製造業は減少。国・地域別では米国、中国、中東からが著しく増加した一方、日本と欧州からは減少した。

13 向山英彦「強まる韓国の中国との経済関係」(2014年3月)

14 ただし中国がエレクトロニクスの分野で国内外の生産・販売を伸ばした結果、中国向け中間財の輸出はそれ以降も好調が続き、2015年の中国向けの輸出品目を見てみると、集積回路、液晶デバイス、自動車部品、半導体等といった中間財が上位を占めている。

15 韓国現代経済研究院「中国経済の自給率上昇が韓国経済に及ぼす影響」(2015年7月)

16 韓国の政府系シンクタンク産業研究院(KIET)も、韓国の主力9産業の対中国の競争力について「鉄鋼、繊維、衣類は中国に対して韓国が劣位」、「造船、石油化学、通信機器、家電、液晶ディスプレーは中国との競争が激化」、「一般機械、半導体は韓国のやや優位が持続」、「韓国企業の優位が持続しているのは自動車」と評価している(産業研究院「中国のキャッチアップ現況と韓国の産業競争力」(2014年10月))。

17 中国は政策的にも「産業構造高度化政策の一環で主力産業での自給率を高め加工貿易を減らしている 」(韓国現代経済研究院「内外経済リスク診断と展望」(2015年11月))と言われており、中国の加工貿易比率は2000年の55%から2015年の35%まで低下している(「中国海関統計」から算出)。

18 中国と韓国の主力輸出品目をHS4桁ベースで見てみると、上位品目で集積回路、液晶デバイス、無線通信機器、自動車部品といった品目に重複が見られる。

19 2014年の各国の品目別輸出額(HS4桁ベース)から品目別輸出額順位を作成し順位相関係数を算出した。スピアマンのρ(ロー)は±1間の値を取り、品目順位が正の相関を示すほど値は1に近づき、二国間の輸出品目は類似し、競合度が高くなるとみることができる。

20 これらの地域については、中国の習近平国家主席が2013年9月にカザフスタン訪問中に「新シルクロード経済ベルト」構想(陸路)を、翌10月にインドネシア国会で行った講演の中で「21世紀海上シルクロード」構想(海路)を提唱。中国は、この2つのシルクロードをあわせて「新シルクロード(一帯一路)」構想と呼んでいる。当該地域における、道路、鉄道、港湾、通信、エネルギー等のインフラを整備して、中国とのコネクタビリティを改善し、人、モノ、資金、情報等の流れを拡大して、対象地域の経済・産業の振興を図り、中国の輸出に寄与することが期待されている。対象国の明確な規定はないが、国家発展改革委員会の公表(2016.2)によれば、2015年にトルコ、ポーランド等の約30か国が「一帯一路」了解備忘録に署名したとされる。また、我が国の民間シンクタンクによる中国商務部調査部門への委託調査報告書(みずほ総合研究所「中国シンクタンクが明かす『新シルクロード構想』全容~201年度中国商務部国際貿易経済合作研究員への委託調査」(2015.7.22))によれば、陸路については、中央アジア、南アジア、ロシアCIS、欧州、海路については、東アジア、東南アジア、南アジア、ペルシャ湾岸、紅海・アフリカ東岸まで及び、広い意味では陸路・海路あわせて約90か国にも及ぶ広大な地域を対象としている。ここでは、仮に後者が対象となるとして中国との貿易投資関係について記した。

21 Constantinescu, Mattoo, and Ruta (2015), The Global Trade Slowdown: Cyclical or Structural?, IMF Working Paper, WP/15/6, January 2015, International Monetary Fund

22 Chairman’s Summary Meeting of G20 Trade Ministers, Istanbul, October 6, 2015

23 ただしサービス貿易は引き続き対GDP比を伸ばしている。詳細は第3章第1節参照。

24 Constantinescu, Mattoo, and Ruta (2015)

(2)中国企業等の海外展開

①中国企業の海外進出と対外直接投資

 2000年代初め頃から、中国政府は中国企業の積極的な海外進出(「走出去」)を提唱しており、その結果、対外直接投資は2000年代に急速に拡大、2014年には対内直接投資にほぼ拮抗する水準にまで成長している(第Ⅰ-1-1-3-21図)。また、世界の中でも、中国は、2014年のフローベースで、米国、香港に次いで世界第3位、ストックベースでも世界第7位の規模に成長している(第Ⅰ-1-1-3-22図、第Ⅰ-1-1-3-23図)。

第Ⅰ-1-1-3-21図 中国の直接投資の推移

第Ⅰ-1-1-3-22図 主要国の対外直接投資(フローベース)

第Ⅰ-1-1-3-23図 主要国の対外直接投資(ストックベース)

 中国の対外直接投資は地域別には、香港が全体の2/3を占め、次いでルクセンブルク、ケイマン諸島など金融集積地が多い(第Ⅰ-1-1-3-24図)。その他は米国、豪州等となっている。業種別には、リース・対事業所サービス、卸売業、鉱業、金融業が多く、ついで製造業となっている(第Ⅰ-1-1-3-25図)。投資先別に特色があり、香港向けは対事業所サービス、卸小売、金融業、豪州向けは資源獲得を目指して鉱業が大きなシェアを占めている。

第Ⅰ-1-1-3-24図 中国の対外直接投資(地域別)

第Ⅰ-1-1-3-25図 中国の対外直接投資(業種別)

 また、中国企業は海外進出のための外貨を香港における株式市場等により調達することが多く、2015年の全世界の新規株式公開では、ニューヨーク証券取引所を抑え、香港証券取引所がトップとなった。

 2000年代、中国はクロスボーダーM&Aも着実に伸ばしている。米国や英国など欧米主要国が、世界経済危機後の落ち込みから伸び悩んでいる中で、中国は堅調にM&A件数を伸ばしており、2014年には世界第7位の水準に達している(第Ⅰ-1-1-3-26図)。

第Ⅰ-1-1-3-26図 世界のクロスボーダーM&A(買収)件数

 2011年以降、中国によるクロスボーダーM&Aは微増しつつも概ね年間250件前後で推移している。相手国別には先進国が中心であり、業種別にはかつて多かった資源エネルギーの割合が減少し、産業・金融・消費財の割合が増加している(第Ⅰ-1-1-3-27図)。

第Ⅰ-1-1-3-27図 中国のクロスボーダーM&A(買収)件数(相手国・業種別)

 また、インフラ投資との関連では、世界各地で中国企業による港湾/空港サービス・海運/航空サービスのM&Aによる買収も進められている(第Ⅰ-1-1-3-28図)。

第Ⅰ-1-1-3-28図 中国の海外ロジスティクスインフラの獲得

②資源国を中心とした中国の経済協力25

 中東や中央アジアを中心に、資源国では輸出に占める中国の割合が増加しており、同時に、中国からこれらの国への経済協力額も増加している(第Ⅰ-1-1-3-29図)。中国による経済協力プロジェクトにより建設された道路、鉄道等のインフラは、これら資源国と中国との物流を活発化させ、また石油・天然ガスのパイプライン等は、海外からの資源獲得に寄与することが考えられる26

第Ⅰ-1-1-3-29図 主な資源国の輸出に占める中国の割合と中国からの経済協力

 中国の経済協力は、世界経済危機後、特に直近の2014年は勢いが鈍ったものの、2000年代に急増していることが分かる(第Ⅰ-1-1-3-30図)。2000年から2014年までの間に、経済協力額は、金額ベースで17倍、14年間の年平均成長率は22.4%、世界経済危機直前には前年比40%近い伸びを示していた。相手地域別には、アジア、アフリカの2地域が金額で突出しており、特に全体に占めるアフリカのシェアは2000年の13.1%から2014年には37.2%へ上昇するなど目覚ましい(第Ⅰ-1-1-3-31図)。

第Ⅰ-1-1-3-30図 中国の経済協力(プロジェクト完成額)

第Ⅰ-1-1-3-31図 中国の経済協力(プロジェクト完成額)の地域別シェア

 直近の2014年は、全体としてはアジア向けの経済協力額が多いが、国別では、上位3位まではアフリカ(エチオピア、アンゴラ、アルジェリア)が占め、サウジアラビア、ベネズエラが続く(第Ⅰ-1-1-3-32図)。経済協力額が多い国を地図上に示したのが第Ⅰ-1-1-3-33図で(色が濃いほど経済協力額が大きい)、経済協力相手国は全世界をカバーしているが、特にアフリカ、東南アジア、南アジア、中東などに多い。

第Ⅰ-1-1-3-32図 中国の主要国別の経済協力額(プロジェクト完成額 / 2014)

第Ⅰ-1-1-3-33図 中国の経済協力相手国・地域の分布(2014)

 また、最近ではカザフスタン、トルクメニスタン、エチオピアにおいてプロジェクト完成額が増加しており、パキスタン、サウジアラビア、イラク、インドネシア等のアセアン諸国等においても拡大傾向にある(第Ⅰ-1-1-3-34図)。

第Ⅰ-1-1-3-34図 中国の主要国別経済協力(プロジェクト完成額)の推移

 中国の経済協力プロジェクトについては、大型のインフラ・プラント建設案件が増加しているが、中国による海外へのインフラ協力の進展を示す最近の具体的事例として27、2015年9月には、インドネシアの高速鉄道案件の受注が報じられた。また、先進国向けの大型インフラ案件への協力事例としては、2015年10月の英中首脳会談において、中国製原子力発電所の導入推進も合意されている。さらに、2016年に入ってからは、習近平主席の中東歴訪で、サウジアラビア、イランとの間で、原子力発電所や高速鉄道の建設を含む経済協力に関する合意文書を交わしたことが報道された(第Ⅰ-1-1-3-35図)。

第Ⅰ-1-1-3-35図 最近報道された中国による海外インフラ協力案件

 また、国による相違はあるものの、総じて、インフラ投資とともに、中国から対象国に輸出される財の構成も、資本財の割合が高水準で推移する傾向にあることが読み取れる。 (第Ⅰ-1-1-3-36図)

第Ⅰ-1-1-3-36図 中国からの輸入の財別構成比の推移

25 中国の「対外経済合作」は「Economic Cooperation with Foreign Countries or Regions」(中国国家統計局「中国統計年鑑」)と英訳されるが、中国はOECDに加盟しておらず、日本で考えられるODA等による開発途上国への協力とは異なる可能性はある。「対外経済合作」は「対外工事請負」と「対外労務協力」を包括する概念とされている。

26 中国はアジアにおけるインフラ投資を推進するための新たな金融機関としてアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立も主導している。AIIBは2015年12月に57か国を創立メンバーとして発足し、本年1月の総会・理事会を経て正式に開業したが、我が国や米国は参加していない。また、中国は2014年末自国が掲げる「一帯一路」構想沿線国家のインフラ、資源開発、産業協力及び金融協力等の連結性関連プロジェクトへの投融資を通じて、共同発展、共同繁栄を促進することを目的とした「シルクロード基金」(規模400億ドル)を創設した。同基金は中国独自の判断により案件を決定することが可能で、すでに案件第一号として、2015年4月にパキスタンの水力発電所建設事業への投資決定が報道されている。

27 統計上は経済協力の具体的内訳がないことから、ここでは最近報道された案件について記載している。

<<前の項目に戻る | 目次 | 次の項目に進む>>

経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.