経済産業省
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第3節 人的投資の推進

1.外国人材の受入れ

外国人材の我が国への受入れについては、「第5次出入国管理基本計画」において、我が国の経済社会に活力をもたらす外国人を積極的に受け入れていくという方針が示されている。2016年末時点で、専門的・技術的分野の在留資格を有して在留している外国人は271,288人である。第Ⅲ-4-3-1図のとおり、近年増加傾向にあり、2015年末から33,246人増加している。

第Ⅲ-4-3-1図 専門的・技術的分野の在留外国人数

2012年5月には、外国人の学歴、職歴、年収等を点数化し、合計で70点以上のポイントを取得した者を高度外国人材と認定する高度人材ポイント制を導入した。高度外国人材と認定された者には、在留期間「5年」の付与、配偶者の就労の許容、親・家事使用人の帯同の許容、在留歴に係る永住許可要件の緩和等の優遇措置が付与される。

また、2015年4月には、高度人材ポイント制に係る在留資格である「高度専門職」を創設した。「高度専門職」には、「高度専門職1号」と「高度専門職2号」があり、「高度専門職1号」に掲げる活動を3年以上行うことにより、在留期間が無期限となるなどの更なる優遇措置が付与される「高度専門職2号」に移行することが可能となる。高度人材ポイント制導入以降の認定件数は第Ⅲ-4-3-2図のとおりである。

第Ⅲ-4-3-2図 高度人材ポイント制認定件数(累計)の推移

今後、より積極的な受入れを図るため、「日本再興戦略2016」(平成28年6月2日閣議決定)においては、「高度外国人材の受け入れに向けた前向きなメッセージを積極的に発信するとともに、自国外での就労を目指す高度外国人材にとって我が国の生活環境や本邦企業の賃金・雇用人事体系、入国・在留管理制度等が魅力的なものとなるよう、更なる改善を図り、これらの人材が長期にわたり我が国で活躍してもらえるような戦略的な仕組みを構築する」こととされており、以下の取組が実施された。

(1)「日本版高度外国人材グリーンカード」の創設及び高度人材ポイント制をより活用しやすいものとする観点からの要件の見直し

高度IT人材など、我が国経済の成長への貢献が期待される高度な技術、知識を持った外国人材を我が国に惹きつけ、長期にわたり活躍してもらうためには、諸外国以上に魅力的な入国・在留管理制度を整備することが必要である。このため、2017年4月に、「日本版高度外国人材グリーンカード」を創設した。本制度は、高度人材ポイント制により70点以上のポイントで高度外国人材として認められた者について、永住許可申請に要する在留期間を従来の5年から3年に短縮し、高度外国人材の中でも特に高度と認められる者(80点以上のポイントで認められた者)については、1年に短縮するというものである。

あわせて、高度人材ポイント制をより活用しやすいものとする観点からの要件の見直しとして、「成長分野において所管省庁が関与する先端プロジェクトに従事する人材」や「トップ大学卒業者」などが特別加算の対象となった。

(2)外国人留学生等の就職支援強化

「日本再興戦略2016」(平成28年6月2日閣議決定)においては、外国人留学生の本邦内での就職率を現状の3割から5割に向上させることを目指している。

文部科学省では、本邦の各大学が、地域の自治体や産業界と連携し、外国人留学生の就職に必要なスキルである「日本語能力」、「日本での企業文化等キャリア教育」、「中長期インターンシップ」を一体として学ぶ環境を創設する取組を支援し、外国人留学生の我が国での定着を図ることとしている。

外務省では、アジア諸国にて産業開発を担う優秀な若手外国人材を、留学生として我が国へ受入れ、本邦大学における英語による修士又は博士課程教育と、企業・研究機関への見学及びインターンシップを実施することとしている。2017年度から2021年度までの5年間で、計1,000人の受入れを行う予定である。

経済産業省では、外国人留学生等の外国人材を対象に、我が国企業文化への理解や我が国企業で必要となるビジネススキルの習得を支援するため、国内企業での約3ヶ月間のインターンシップの機会を提供する事業を実施している。2016年度は、100名程度を対象として実施した。また、我が国企業が必要とする外国人材の獲得を支援するため、ジョブフェアを開催しており、2016年度は、日本、インドネシア、ベトナム、シンガポールの5都市において開催した。

一般社団法人留学生支援ネットワークにおいては、文部科学省と経済産業省が実施した「アジア人財資金構想事業」において立ち上げた「留学生就職支援ネットワーク」システムを運用しており、外国人留学生を対象に、日本語研修や外国人留学生の就職活動に必要な情報提供を実施している。2017年3月現在、加盟大学は87校(国公立大学52校、私立大学35校)であり、約800社の企業と約3,000名の外国人留学生が利用している。

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