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- 第3部 第2章 第9節 アフリカ
第9節 アフリカ
アフリカは、若年層を中心に12億人を超える人口を抱え、経済成長とともに電力・運輸・港湾等のインフラ需要が高まっている。一部の地域では石油・天然ガス・鉱物資源が豊富である一方、近年の国際資源価格の下落はこれらの地域の財政を悪化させ、各国に対し資源依存からの脱却を促している。消費財やICTを活用したビジネスが広がるなど、かつて資源・インフラを中心としていたアフリカビジネスは多様化しつつある。我が国は、質の高いインフラ整備の推進、投資協定の締結促進などとともに、日アフリカ官民経済フォーラム等の官民が一体となった対話の場を活用し、アフリカに加え第三国や国際機関との協力を強化することを通じて、日本企業のアフリカ進出を支援していく。
〈進捗状況〉
2016年8月にケニア・ナイロビで開催された第六回アフリカ開発会議(TICADⅥ)において安倍総理大臣より表明された「日アフリカ官民経済フォーラム」について、第一回会合が2018年5月3日・4日に、アフリカ大陸で最も多くの日本企業が進出する南アフリカ・ヨハネスブルグで開催された。日本からは世耕経済産業大臣、岡本外務大臣政務官、高橋国土交通大臣政務官が出席し、アフリカ側からはシリル・ラマポーザ南アフリカ大統領、ロブ・デービス南アフリカ貿易産業大臣を始めとして閣僚級28名を含む42カ国が出席した。また、アフリカ企業約400社、日本企業100社以上、さらに欧州や中東等の第三国企業や国際機関を含めて総勢約2,000名が参加し、日本企業のアフリカビジネス拡大に向けた議論を実施した。
世耕経済産業大臣は、日アフリカ間の協業の機会及び課題を議論するプレナリー・セッション1において、日本とアフリカの経済がwin-winで持続的に発展するための4つの柱として、(1)民間資金を活用したインフラ整備、(2)ビジネス分野の拡大、(3)プレイヤーの拡大、(4)ビジネス環境整備に関する取組を表明した。
さらに、日アフリカ官民経済フォーラムでは、公式サイドイベントとしてJETRO主催のジャパンフェアが開催され、世耕経済産業大臣、デービス南アフリカ貿易産業大臣らが巡覧した。ジャパンフェアには日本企業等約70社・機関の産官学各界が結集し、インフラや通信、農業やヘルスケア等におけるロボット等を駆使した日本企業の高い技術力やアイディアが幅広く展示されたほか、アフリカに貢献する日本企業の紹介がなされ、多くの政府関係者、ビジネス関係者が訪れた。
また、多くの政府要人が集うこの機会をとらえ、世耕経済産業大臣は、ラマポーザ南アフリカ大統領への表敬を始め、デービス南アフリカ貿易産業大臣ら18名の政府要人と会談し、我が国のアフリカにおけるビジネス協力や二国間関係における更なる進展の可能性について意見を交わした。
2019年2月には、南アフリカ・ケープタウンで開催された、アフリカ鉱業投資会議「マイニング・インダバ」に関経済産業副大臣が参加した。この会議において、関副大臣は南アフリカ共和国及びザンビア共和国の要人と会談するなど、鉱業分野における一層の関係強化に取り組んだ。
また、コンゴ民主共和国及びマダガスカル共和国を訪問し、コンゴ民主共和国ではコロンゲレ大統領府副官房長官等の要人と会談するとともに、国家経済省・鉱物資源省・国営企業省の三省合同の投資会議に出席し、コバルト等の重要鉱物の供給やコンゴ民主共和国政府における直接投資、インフラ開発・人材育成への協力について意見交換を行った。マダガスカル共和国では、同年1月に新大統領に就任したラジョリナ大統領へ祝意を伝達するとともに、鉱業における投資環境の整備・安定と農業や医療を始めとする重点分野での協力について議論を行った。