FBIの2016年第4四半期の動き;2016年の飲食関連産業(フード・ビジネス)の活動指数(実質)は、前年比0.5%上昇と2年連続の上昇。名目事業規模を試算すると約179兆円。年前半の食料品工業の伸びが目立った年だった。 2017年3月10日
フード・ビジネス・インデックス(FBI)とは、生活に身近な飲食料品に関連する「食料品工業」、「食料品流通業」、「飲食サービス業」について、価格変化の影響を除いた実質指数で把握し、同時にそれを加重平均して飲食料品関連産業全体の活況度合いを把握できるように試算している経済指標です。
2016年及び同年第4四半期のFBIの動きを「ミニ経済分析」としてまとめましたので、そのポイントをご紹介していきます。

FBI(実質)は前年比0.5%上昇
2016年のFBI全体は、前年比0.5%上昇で、2年連続の上昇となっています。消費税率の引上げがあった2014年のFBIは前年比低下でしたが、その前の2012年、2013年ともにFBI全体は前年比上昇でしたので、ゆっくりとしたペースではありますが、フード・ビジネスはこの5年伸びているという動きとなっています。

ただ、FBIのような指数表現では、その変化については把握しやすいのですが、規模感のイメージが湧かないと思います。そこで、2016年名目事業規模を試算してみると、フード・ビジネス全体の名目事業規模は、178兆7,800億円でした。
2016年第4四半期では、2010年=100として指数値で99.5、前期比マイナス0.3%低下です。FBIの前年比プラスは、年前半の上昇によるものでした。
昨年前半は、食料品工業の伸びが大きかった
FBIを構成する系列である食料品工業の2016年の指数は、前年比5.2%上昇、第4四半期は前期比マイナス0.3%低下でした。
2016年の四半期指数の推移をみると、2010年=100で第1四半期は98.4でしたが、第2四半期に103.9となり、前期比5.6%と大きく上昇しました。その後、第3、第4四半期と2四半期連続で、食料品工業指数は前期比低下となりましたが、指数値としては100.9と第1四半期以前のレベルに戻ることなく、比較的高い水準を維持しています。
2016年の食料品工業指数の上昇の「立役者」は、清涼飲料の生産でした。

第4四半期に飲食料品小売業が大きく低下
FBIを構成する系列である食料品流通業の2016年の指数は、前年比マイナス0.1%低下、第4四半期は前期比マイナス0.8%低下でした。
2016年の四半期指数の推移をみると、2010年=100で第1四半期は99.5、前期比0.6%上昇で、消費税率引上げ後、順調に回復基調にありました。しかし、その後2016年第2四半期から、3四半期連続で前期比低下となり、指数値97.5と年初のレベルから大分低下していました。
2016年の食料品流通業の低下は、第2、第3四半期では、卸売業の低下の影響が非常に大きくなっており、第4四半期の低下の大部分は、小売業の低下寄与によるものでした。

年後半に飲食サービス業は2期連続の上昇
FBIを構成する系列である飲食サービス業の2016年の指数は、5年ぶりに前年比マイナス0.9%低下、第4四半期は前期比0.6%上昇でした。
2016年の四半期指数の推移をみると、2010年=100で第1四半期は101.5、第2四半期は101.1と低下基調でした。しかし、第3四半期には前期比1.0%上昇、指数値102.1、第4四半期の指数値も102.7と大きく伸びました。
2016年の飲食サービス業が前年比マイナスとなったのは、2015年第4四半期から2016年前半の指数の低下によるものであり、年後半には大きく回復しました。第4四半期の指数レベルは、前年レベルに戻っていました。

このように外食=飲食サービスの指数は第4四半期に上昇していましたが、内食=飲食料品小売業は低下していました。
ミニ経済分析のスライド資料では、内食/外食の両指数と両者と近い対応関係にある消費者物価指数の系列を同じグラフに描いて、その変化の違いを比較しています。
この比較グラフは、FBIのより詳細な動きについての説明と合わせて、下記のミニ経済分析のページのスライド資料をお目通しください。
- ミニ経済分析「内食と外食に差が出たFBIの2016年第4四半期の動き;飲食関連産業の動向(FBI 2016年第4四半期)」のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20170310minikeizai.html
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