鉱工業生産は電子部品・デバイス工業がけん引して4期連続の上昇、鉱工業在庫は上昇したが、在庫循環は順調に進捗 2017年6月2日
経済解析室で毎月作成している鉱工業指数や第3次産業活動指数などの経済指標は、平成29年第1四半期にどのような動きを見せていたのでしょうか。
今回は、平成29年第1四半期の鉱工業生産指数の業種別、品目別の動向に加えて、鉱工業在庫指数の動向、在庫循環図の動きについて確認してみます。
鉱工業生産は、4期連続の上昇
平成29年第1四半期の鉱工業生産指数は前期比0.2%と4期連続の上昇となりました。四半期ベースで生産指数の指数値が100を超えるのは、消費税率引上げ前の平成26年第1四半期以来、実に12期ぶりです。

今期の鉱工業生産を支えたのは電子部品・デバイス工業
平成29年第1四半期の鉱工業生産指数は、輸送機械工業などが前期比低下となりましたが、電子部品・デバイス工業の上昇寄与が特に大きく、生産全体としては小幅上昇を維持しました。
業種別では、上昇に最も大きく寄与したのは電子部品・デバイス工業ですが、これに次ぐ上昇寄与第2位は化学工業、第3位は食料品・たばこ工業でした。ところが、上昇寄与第2位の化学工業の寄与でさえ、最大寄与業種である電子部品・デバイス工業の寄与の半分以下と、今期の鉱工業生産は電子部品・デバイス工業の存在感が光っていたといえます。
品目別にみても、電子部品・デバイス工業の内訳品目である電子部品、集積回路が上昇寄与第1位、第2位となっており、やはり今期の鉱工業生産を支えたのは電子部品・デバイス工業であったことが分かります。

在庫は上昇したが、在庫循環は順調に進捗
平成29年第1四半期の鉱工業在庫指数は、前期比2.2%と4期ぶりの上昇となりました。指数値は109.7と、平成28年第3四半期以来の水準まで上昇しましたが、ここ2年間に見られたような112~114ほどの高い水準には至っていません。

在庫循環の動きをみると、平成28年第4四半期には「意図せざる在庫減局面」に位置していましたが、平成29年第1四半期には「在庫積み増し局面」への境界線に到達しており、循環が順調に進んでいるとともに、局面転換が近づいていることを示唆する結果となっています。
- ミニ経済分析「鉱工業指数と第3次産業活動指数からみた平成29年1-3月期の産業活動」のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20170602minikeizai.html
- 鉱工業指数と第3次産業活動からみた産業活動と関連する分析のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai-result-sankatsu.html
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