2017年Ⅰ期のグローバル出荷指数は、昨年後半の上昇の勢いを引き継ぎ、4期連続の前期比1.5%上昇。リーマンショック後の最高値を更新。海外出荷の伸びが主因。 2017年7月14日
日系製造業の国内拠点からの出荷(国内出荷)と海外現地法人の海外拠点からの出荷(海外出荷)の動きを、比較可能な形で指標化し、合算した「グローバル出荷指数」の、2017年第Ⅰ期(1-3月期)の数値がまとまりましたので、概略をご紹介していきます。

グローバル出荷指数は、リーマンショック後の最高値を更新
2017年Ⅰ期のグローバル出荷指数(季節調整済)は、指数値107.8、前期比1.5%の上昇で、リーマンショック後の2010年以降で最高値となりました。2016年第Ⅰ期に前期比マイナスを見せてから、日系製造業の活動は安定した上昇の動きを見せていました。

海外出荷がグローバル出荷をけん引
内訳をみると、日本企業の海外生産拠点からの出荷である海外出荷指数(季節調整済)は、指数値136.4、前期比3.8%と2期連続で上昇しました。
また、日本国内の生産拠点からの出荷である国内出荷指数(季節調整済)は、指数値98.8、前期比0.6%と4期連続で上昇しました。
グローバル出荷全体の伸びの前期比1.5%上昇に対する影響度(寄与)をみると、国内出荷が0.4%ポイントで、海外出荷が1.1%ポイントと大きく上昇寄与しています。

海外出荷は、「輸送」「自国」「北米」が伸び、安定感のある上昇
2017年第Ⅰ期の海外出荷の伸びは、「輸送機械工業」「自国向け出荷」「北米地域の現地法人」と、内訳の主軸が揃って上昇寄与の中心となりました。
海外出荷指数の業種別内訳では、主要4業種が揃って上昇寄与となり、前期に引き続き、特に輸送機械工業の上昇寄与が最も大きく、4期連続での上昇寄与となりました。

海外出荷指数を仕向け先別にみると、「第三国向け」出荷も大きな寄与を見せましたが、ウェイトの大きい「自国向け(=現地法人の立地国市場向け)」出荷が、海外出荷全体の前期比上昇へ最も大きく寄与しています。一方、昨年第Ⅳ期に大きな上昇寄与を見せた「日本向け」出荷は前期比0.2%上昇とほぼ横ばいの推移となりました。

海外出荷指数を地域別にみると、全体の前期比3.8%上昇に対し、北米指数(北米に立地する現地法人の出荷指数)の寄与が1.5%ポイントと大幅な上昇寄与となっています。海外出荷に勢いがあり、全ての主要地域の現地法人の活動が活発化していましたが、2016年第Ⅳ期に低下した北米地域の活動が、その反動分もあって、全体のけん引役となっていました。

2017年第Ⅰ期は、日系製造業の海外現地法人の活動の中軸である「輸送機械工業」「自国向け出荷(現地生産)」「北米地域」が揃って前期比上昇を主導し、安定感のある伸びを生み出しています。
海外市場比率は過去最高
グローバル出荷指数を用いて、製造業のグローバル化の指標となる「グローバル化比率」を計算できます。

その一つである「海外市場比率」は、2017年第Ⅰ期に過去最高の40.8%になりました。海外市場比率とはグローバル出荷のうち、海外市場に出荷されるものの割合です。日系製造業の出荷の4割が日本以外の市場に向けられているということになります。グローバル出荷が安定した上昇基調にある中での海外市場比率の上昇ということで、積極的な海外出荷増という評価ができるでしょう。

- ミニ経済分析「グローバル出荷指数について(平成29年Ⅰ期)」のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20170714minikeizai.html
- グローバル出荷指数のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai-result-gb.html
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