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前期比1.5%上昇と2期連続上昇となった2017年Ⅰ期(1~3月期)のグローバル出荷。海外出荷の伸びを背景に、指数値107.8は、リーマンショック後の最高値を更新。海外出荷指数136.4も過去最高。 2017年7月14日

グローバル出荷指数とは、製造業の海外現地法人の出荷量と国内生産拠点からの出荷量を合算して、日本の製造業のグローバルな活動を指標化したものです。この指標により、海外生産と国内生産の動きを同じ土台の上で比較できます。

今回は、2017年1~3月期の計算結果のポイントを解説していきます。 まずは、全体の動きを説明していきます。

グローバル出荷指数、海外出荷指数は、リーマンショック後の最高値を更新

2017年Ⅰ期のグローバル出荷指数(季節調整済)は、指数値107.8、前期比1.5%と4期連続の前期比上昇でした。この結果、グローバル出荷指数は、リーマンショック後の最高値を更新しました。

内訳をみると、日本企業の海外生産拠点からの出荷である海外出荷指数(季節調整済)は、指数値136.4、前期比3.8%上昇と2期連続の上昇となりました。この海外出荷指数値も、過去最高値となっています。

他方、日本国内の生産拠点からの出荷である国内出荷指数(季節調整済)は、指数値98.8、前期比0.6%上昇となりました。

2017年Ⅰ期は、グローバル出荷指数の前期比1.5%上昇に対し、海外出荷指数の上昇寄与が1.1%ポイントでした。全体の上昇の多く部分を海外出荷の寄与が占めていたことになります(国内出荷指数の寄与は0.4%ポイント)。

国内出荷の寄与が大きかった2016年後半とは打って変わって、海外生産拠点における活動が、全体のけん引役となっています。

主要3業種が大きく前期比上昇。内訳の主軸「輸送機械」が上昇寄与の中心

主要業種別にグローバル出荷指数の動きを見ると、主要4業種のうち、輸送機械工業(指数121.8)が前期比2.4%上昇、電気機械工業(指数98.7)が前期比3.3%上昇、そして化学工業(指数値106.3)が前期比1.8%とそれぞれ大きく上昇となりました。

また、はん用・生産用・業務用機械工業(指数値117.2)は、前期比横ばいでした。

また、グローバル出荷全体の前期比1.5%上昇に対し、輸送機械工業が0.8%ポイントと5割以上の大きな寄与を見せており、2016年Ⅳ期から続いて、輸送機械工業がグローバル出荷全体をけん引していました。

海外ビジネスが上昇の軸 海外現地法人における出荷がけん引

さて、グローバル化が進むことで、供給も需要も日本で「閉じた」国内ビジネスの存在感が低下してきています。そこで、国内出荷のうち、国内向け出荷、つまり供給・需要ともに日本国内で完結しているビジネスを「国内ビジネス」と定義し、これに対し、海外出荷と輸出向け出荷を、供給・需要の少なくともどちらかが海外という意味で「海外ビジネス」と定義し、その動きを見てみます。

2017年Ⅰ期は、「国内ビジネス」指数は前期比0.7%上昇でした。また、輸出向け出荷指数、海外出荷指数がともに前期比で上昇したため、この2つを加重平均した「海外ビジネス指数」は、前期比3.0%上昇となりました。

この「国内ビジネス」と「海外ビジネス」のグローバル出荷全体に対する寄与をみると、全体の前期比1.5%上昇に対し、「国内」が0.40%ポイント、「海外」が1.31%ポイントと、海外ビジネスの上昇寄与が多くの部分を占めています。

「海外ビジネス」の内訳である輸出向け出荷指数、海外出荷指数の寄与をみると、「海外ビジネス」指数の前期比3.0%上昇に対し、海外出荷指数の上昇寄与は2.56%ポイント、国内出荷の一部である輸出向け出荷指数の上昇寄与は0.42%ポイントで、海外出荷指数が大きな上昇寄与を見せています。

2017年Ⅰ期のグローバル出荷全体を押し上げたのは、海外ビジネスでした。中でも海外現地法人の出荷の前期比上昇寄与が大きく、「海外で作って海外で売る」ビジネスが、日系製造業の過去最高の指数値を支えていたことになります。

ミニ経済分析「グローバル出荷指数について(平成29年Ⅰ期)」のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20170714minikeizai.html
グローバル出荷指数のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai-result-gb.html

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