今年第1四半期に大きく伸びた流通業と工業がともに大きく低下し、3期ぶりの前期比低下となったフード・ビジネス 2017年11月28日
フード・ビジネス・インデックス(FBI)とは、生活に身近な飲食料品に関連する「食料品工業」、「食料品流通業」、「飲食サービス業」の活動状況を表す経済指標です。
2017年第3四半期のFBIの結果がまとまりましたので、そのポイントをご紹介していきます。

FBIは3期ぶりに大きく低下も、比較的高水準を維持。

2015年後半から停滞が続いていたFBI全体は、2017年第1四半期に前期比1.4%と大きく上昇し、さらに第2四半期も連続上昇となりました。しかし続く第3四半期は前期比マイナス0.9%と3四半期ぶりに大きな低下を見せました。これは、第1四半期の急上昇幅から半分を戻してしまった形で、ここへ来て第1四半期の大幅上昇による反動が発生しているようです。
ただ、指数値は99.4と、昨年2016年後半のレベルから見るとまだ比較的高めを維持しています。ただ、2014年の消費税率引上げ直後の落ち込みを除き、本年第3四半期のFBIのレベルは平均的なものとなっているという評価が妥当かとも思います。
3業態全て前期比低下。工業は急落、流通業は低下、サービスは微減。

内訳3業態の動きを見ると、2017年第3四半期は内訳3業態とも前期比低下となりましたが、その動きには違いがありました。
食料品工業は4四半期ぶりに急落し、同年第1四半期の急上昇分を全て戻しただけでなく、2015年第1四半期の95.3以来の低水準となりました。グラフの動きをみると、ほぼ消費税率引上げ直後の水準に近くなっています。
食料品流通業は2四半期連続の低下で、同年第1四半期の急上昇分の半分ほど戻ってしまった形です。
他方、飲食サービス業は6四半期ぶりに低下となったものの、低下幅は小さく、引き続き高水準を維持しています。
FBI低下の要因は、流通業と工業の反動減。

2017年第3四半期のFBI全体の前期比マイナス0.9%低下に対し、3業態のうち影響が大きかったのは、食料品流通業で、マイナス0.5%ポイント、次いで食料品工業がマイナス0.4%ポイントの低下寄与でした。飲食サービス業も低下しましたが、影響はわずかでマイナス0.1%ポイントの低下寄与でした。
今年第1四半期の急上昇時に影響が大きかったのも食料品流通業と食料品工業でしたので、その反動が今となって出てきたと考えられそうですが、食料品工業は急上昇前の水準以下に低下しているなど、この影響がいつまで続くのか気になるところです。
各業態別、さらにその内訳の動きについては、下記リンク先の資料にグラフを載せておりますので、是非お目通しください。
- ミニ経済分析「飲食関連産業の動向(FBI 2017年第3四半期)」のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20171128minikeizai.html
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