食料品流通業は前期比マイナス0.8%と2四半期連続の低下。低迷が続くのは小売業で、卸売業は上昇基調。ただ、第3四半期の前期比低下の主要因は卸売業。 2017年11月28日
第3次産業活動指数や鉱工業生産指数等のデータから、飲食料品関連のデータを集めて、飲食関連産業の動向を指標化した「フード・ビジネス・インデックス(FBI)」のうち、食料品流通業指数の2017年第3四半期の結果を紹介します。
2四半期連続低下で2016年第4四半期以来の水準。

2017年第3四半期の食料品流通業指数は指数値98.3、前期比はマイナス0.8%と2期連続の低下となりました。水準としては、2016年第4四半期の97.6以来の水準となりましたが、指数値の年平均を見てみると、2017年第3四半期までの平均値は98.9と、2016年の平均値98.5より高い水準を維持しています。また、過去5年の年平均値と比べても現時点では僅かに高い水準を維持しています(過去5年の最高値は2012年の98.8)
今期のFBI計は、前期比マイナス0.9%低下となっており、内訳3業態は全て前期比低下となる中、食料品流通業の影響が最も大きく、マイナス0.5%ポイントの低下寄与となりました。
卸売は低下も高水準維持、小売は低迷続く。

内訳の推移をみると、2017年第3四半期は4系列全てが低下となりました。「総合スーパー飲食料品小売」は3四半期ぶりに低下に転じ、他の3系列も2期連続の低下となりました。
特に、「百貨店飲食料品小売」は2017年第1四半期に大きく上昇を見せたものの、その後の連続低下によって、今年の第3四半期に過去最低水準を更新し、長期低落トレンドに戻ったように見えます。
「飲食料品卸売業」も2四半期連続で前期比低下ではありますが、長期では上昇から横ばいのトレンドにあるようです。なかなか勢いのある動きとならない、飲食料品小売業や大型店の食料品小売とは、対照的な卸売の動きという印象です。
全系列低下の中、低下寄与1位は卸売。

食料品流通業全体の前期比マイナス0.8%低下に対して、「飲食料品卸売業」はマイナス0.6%ポイント、次いで「飲食料品小売業」はマイナス0.2%ポイントの低下寄与となりました。「百貨店飲食料品小売」と「総合スーパー飲食料品小売」も低下寄与でしたが、その影響は僅かでした。2017年第3四半期の食料品流通業の低下には、第2四半期に続いて、卸売業の影響が大きかったということです。やはり、今年第1四半期の飲食料品卸売業の大きな伸びの反動が残存していることが否定できないようです。
- ミニ経済分析「飲食関連産業の動向(FBI 2017年第3四半期)」のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20171128minikeizai.html
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