先行き生産計画では、12月は増産計画だが、年明け1月は減産見込み。資本財の生産計画は2か月連続で増産計画だが、来年1月に輸送機械工業、耐久消費財の生産計画が大きく落ち込む。 2017年12月28日
12月までは増産だが、来年1月は大きく減産の見込み
12月上旬に実施した平成29年12月、平成30年1月の生産計画を調査した生産予測調査の結果です。
平成29年12月の生産計画については、調査結果そのままを集計すると、前月比3.4%と大きな上昇を見込むという結果になっています。来年1月の生産計画は、この12月計画から前月比マイナス4.5%と大きく低下するという結果でした。
この12月計画値に含まれる、上方バイアスを補正すると、前月比1.8%程度の上昇という計算結果です。これだけの伸びがあれば、本年第4四半期も前期比プラスを期待できるものと思われます。
ただ、来年1月の生産計画は、この段階で今年10月実績のレベルのものとなっており、12月実績段階で、補正値程度に伸び幅が縮小したとしても、1月の生産計画に大きな上方修正がない限り、来年1月の生産は前月比マイナスになるものと思われます。

12月生産計画の上昇は、はん用・生産用・業務用機械工業などによる
12月の生産計画では、全体11業種のうち、6業種が前月比上昇となる計画となっていますが、特に上位3業種、はん用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業の上昇寄与が大きくなっています。他方、低下業種の中では、化学工業、鉄鋼業、情報通信機械工業の低下寄与が大きくなっています。
はん用・生産用・業務用機械工業では、建機類やロボットを含む生産用機械の増産が続いています。輸送機械工業では、乗用車類が増産される見込みです。また、電子部品・デバイス工業ではスマホ向け部品のほか、タブレット向けの液晶素子なども好調なようです。

来年1月の生産計画は大きく低下
来年1月の生産計画では、全体11業種のうち、7業種が12月計画比で低下という計画になっていますが、輸送機械工業の低下寄与が特に大きくなっています。低下寄与2位は金属製品工業ですが、その低下寄与の度合いは、輸送機械工業の10分の1程度となっています。
輸送機械工業の1月の生産計画は、12月計画比で、マイナス16%低下となっています。今年1月の生産実績との比較でも0.9%のプラスに留まります。この1月の生産計画の値は、今年の生産の最低レベル(予測調査ベースで5月の93.7)を下回っており、来年の輸送機械工業のスタートは、かなり低いところからのスタートとなるようです。

このように来年1月の生産計画は、12月と比較すると低いレベルになりますが、需要先用途別の財別指数でみると、輸送機械を除く資本財は3.0%上昇と、向こう2か月連続で増産計画になっています。この財の来年1月の生産計画は、今年1月の3割増しの生産となっています。
他方、乗用車を含む耐久消費財の12月の生産計画はプラスですが、来年1月は同計画比マイナス10.2%低下であり、そのレベルは今年の最低値である6月実績に近いものとなっています。
来年1月の生産計画でも、資本財と耐久消費財の対照的な動きが見られる結果となっています。
なお、企業の生産マインドを指標化した「アニマルスピリッツ指標」については、平成30年1月18日(木)に12月調査分へ更新する予定です。
- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-201711s.html
- マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html
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