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形態別、業種別にみても、総じて好調であった平成29年11月のサービス産業活動、けん引役は、卸売業と生活娯楽関連サービス。ただし、建設、不動産関連のサービスは、低下していた。 2018年1月16日

形態別サービス指数が3つ揃って前月比上昇

11月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値105.9、前月比1.1%と2か月連続の上昇でした。連続した前月比上昇、そして指数レベルの高さなど、11月のサービス産業活動は、10月までの「狭いレンジでの動き」から一頭地抜き出た動きを見せました。

このサービス産業(第3次産業)活動指数の大分類11業種のうち、多様なものが含まれる事業者向け関連サービスを除く10業種を、その形態・性質で3種類に分類して、その推移を見ることができます。

11月の「インフラ型サービス」活動指数は前月比1.3%と2か月連続の前月比上昇、「財の取引仲介型サービス」活動指数は前月比1.5%と3か月ぶりの前月比上昇、「生活関連型サービス」活動指数も、前月比1.4%と3か月ぶりの前月比上昇となりました。

このサービスの3形態が揃って前月比上昇となるのは、平成29年4月以来のことであり、サービス産業全体が、平成29年第2四半期の勢いを回復していることが、ここからも伺えます。

財の取引仲介サービスが伸びていた

形態別指数のうち、前月比伸び幅が大きく、サービス産業全体の上昇に対する寄与が大きかったのは、「財の取引仲介型サービス」でした。サービス産業活動指数全体の前月比1.1%上昇に対し、同形態を構成する卸売業、物品賃貸業、小売業、不動産業の寄与を合計すると前月比0.54%ポイントとなります。

その中でも、卸売業と小売業の寄与が大きく、企業、家計ともに、11月はモノを需要した月であったと言えるでしょう。

また、「生活関連型サービス」を構成する「生活娯楽関連サービス」と「医療,福祉」の両業種とも前月比上昇寄与となっています。特に、生活娯楽関連サービスのプラス寄与が大きく、この形態のサービスが主としてこの業種の寄与で上昇するのは、平成29年4月以来のことです。

安定基調の医療福祉サービス以上に、変動しやすい生活娯楽サービスに勢いがあるということは、小売業も良かったことと合わせて、家計消費の推移にとって朗報と言えるでしょう。

卸売業、生活娯楽関連サービスが上昇寄与

11月の業種別の動きみると、全11業種のうち、9業種が上昇業種、2業種が低下業種でした。前月比上昇幅が比較的大きかったこともあり、業種全般的に勢いがあったことになります。

上昇寄与が大きかった業種は、卸売業、生活娯楽関連サービスでした。そこに第2グループとして、情報通信業、「運輸業,郵便業」、小売業が続くといった様相です。

卸売業活動指数は前月比2.8%と3か月ぶりに上昇となりました。指数値95.8も平成29年では最高値となっていますし、平成27年の93.4、平成28年の95.0と比べても高い水準となっています。また、卸売業の8つの中分類全て前月比上昇で、前月比マイナスはありません(細分類では、電気機械器具卸売業、その他の機械器具卸売業が前月比低下)。

11月は国産と輸入を合わせた鉱工業総供給指数が5か月ぶりに前月比上昇となったほか、輸出向け出荷もリーマンショック前の水準へ回復しており、生産財を軸に、企業間でモノが動いた月でした。

生活娯楽関連サービスは前月比2.4%と3か月ぶりに上昇となりました。指数値98.5は、平成29年の数値としては、それ程高いとは言えませんが、天候不順の影響もあり低レベルになった10月から、少なくとも第3四半期並みのレベルに戻りました。

内訳としては、「飲食店,飲食サービス業」の伸びが大きくなっています(前月比2.5%上昇)。また、娯楽業全体では寄与はそれ程ではありませんでしたが、プロスポーツ観戦やゴルフ場は強めの上昇を見せています。

建設関連産業が低下していた

11月は、事業者向け関連サービスと不動産業の2業種が前月比低下業種でした。

事業者向け関連サービス業では、土木・建築サービス業が前月比マイナス10.7%低下と大きく低下し、押し下げ役となりました。その中でも、建設コンサルタントが前月比マイナス22.1%と大きな低下となりました。

不動産業では、不動産取引業が低下要因ですが、戸建住宅売買業と土地売買業が前月比低下となっており、マンション分譲業は前月比上昇となりました。首都圏の戸建、土地取引が不調で、全体としてはマイナスとなっています。逆に、マンション分譲業では、近畿圏は不調ですが、首都圏が回復しているため前月比プラスとなっています。

こうしてみると、11月のサービス産業活動で不調だったのは、建設関連ということになります。建設関連のサービス系列を総合した「建設関連産業」活動指数は、10月は前月比4.2%と大きめの上昇幅を見せましたが、11月は前月比マイナス3.1%低下となりました。

4月から5月にかけて大きな低下を見せた建設関連産業活動指数は、その後、低迷しています。去る10月の大きめの上昇から復調も期待されましたが、11月の指数を見る限り、低迷状態から抜けだせていません。平成29年10月までで3か月連続で前月比低下となっている本体工事進捗を示す建設業活動指数の動きと合わせて、気になるところです。

<参考>

10月の建設業活動指数は3か月連続の低下、公共事業や土木工事の不調が続く。ただ、建設業に先行するサービスビジネスには10月に盛り返しもみられ、11月以降の建設業活動の復調への期待感を持たせる兆しも。

https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/archive/kako/20171220_2.html

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-201711.html
『就職にも使える! 第3次産業活動指数』(マンガ)
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html

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