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先行き生産計画では、1月は大きな減産計画、輸送機械工業の減産による。翌2月は、輸送機械のみならず、はん用・生産用・業務用機械、電子部品・デバイスの増産によって、12月水準を超える生産計画に。 2018年1月31日

1月は大きく減産だが、その計画水準は前年実績の1割増し

1月上旬に実施した平成30年1月、2月の生産計画を調査した、生産予測調査の結果です。

平成30年1月の生産計画については、調査結果そのままを集計すると、前月比マイナス4.3%と大きな低下を見込むという結果になっていますが、2月の生産計画は、この1月計画から前月比5.7%と大きく上昇するという結果でした。

この1月計画値に含まれる、バイアスを補正しても、前月比マイナス4.3%程度の低下という計算結果ですので、今年1月の生産は、かなり高い水準となっていた昨年12月から、相当程度の低下となっているものと思われます。

ただ、この1月の生産計画を前年実績と比較すると、9.7%増産という計画なので、生産水準自体の高さは維持しています。

さらに、その先2月の生産計画は、昨年12月の水準を伺う勢いになっています。

1月生産計画の低下は、輸送機械工業の影響が大きい

1月の生産計画では、全体11業種のうち、7業種が前月比上昇となる計画となっているのですが、全体としては、前月比マイナスです。計画が低下している4業種の低下寄与が大きいことによるのですが、特に輸送機械工業の低下寄与が大きくなっています。

1月の輸送機械工業の生産計画は、前月比マイナス17.7%と大きく低下しています。その計画も前回調査からマイナス0.4%分、下方修正されています。このため、製造工業全体の前月比低下に対し、輸送機械工業が低下寄与のうち8割を占めています。12月とは打って変わって、乗用車類の生産が低下することによるものです。

1月の輸送機械工業の生産計画は、慎重なものとなっているということは否めないと思います。

2月の生産計画は、1月の落ち込みをリカバーするほどの上昇

2月の生産計画では、全体11業種のうち、8業種が1月計画比で上昇という計画になっています。2月の生産計画の上昇を生み出している業種は、はん用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業、そして電子部品・デバイス工業です。

はん用・生産用・業務用機械工業は、電子部品の製造装置、工作機械、産業用ロボットなどが増産計画となって、1月の低下から、2月は1月計画比8.3%と大きく上昇となります。輸送機械工業は、乗用車やトラックの増産によって、1月計画比9.8%上昇となっています。さらに、電子部品・デバイス工業は、半導体や液晶の増産によって、1月計画比13.5%上昇です。電子部品・デバイス工業は、1月計画も前月比プラスなので、年明けの生産計画は好調です。

2月の生産計画までを踏まえると。。。

2月の生産計画を上昇させているはん用・生産用・業務用機械工業、電子部品・デバイス工業のその生産計画水準は、昨年12月の生産水準を上回っています。電子部品・デバイス工業は2か月連続上昇ですし、はん用・生産用・業務用機械工業は1月の低下分を2月の増産の勢いがカバーすることになっています。鉄鋼業や電気機械工業も2か月連続の上昇計画で、2月の生産計画水準は、昨年12月の水準を上回っています。

確かに、輸送機械工業の1月計画は非常に大きな低下となっており、2月の増産計画にもかかわらず、2月の生産計画水準は昨年12月の水準を下回っています。この輸送機械工業の動きの結果、1月の製造工業全体の生産計画はマイナスではあるのですが、2月のはん用・生産用・業務用機械工業などの好調を反映して、製造工業全体の生産計画水準は、結局昨年12月の水準を上回る水準に回復することになっています。

この生産計画の伸びそのままを鉱工業生産指数に適用し3か月移動平均でならしてみても、2月は比較的高い生産水準となっています。

なお、企業の生産マインドを指標化した「アニマルスピリッツ指標」については、平成30年2月15日(木)に1月調査分に更新する予定です。

関連リンク
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/yosoku/result-1.html
結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-201712s.html
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html

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