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店舗集約で2年ぶり上昇の百貨店と、事業所数増で3期連続上昇の総合(大型)スーパー。飲食料品で明暗も衣料品はどちらも低迷。 2018年3月9日

2年ぶり販売額上昇。店舗の集約化が進む百貨店。

平成29年10-12月期の百貨店販売額は、前年同期比0.1%と、8期ぶりの上昇となりました。販売額上昇の要因をみると、店舗数は低下したものの、1事業所当たりの販売額が上昇したことにより販売額全体は僅かに上昇しました。

事業所数減少が続くなか、1事業所当たりの販売額は4四半期連続で上昇しそのプラス寄与も大きくなってきています。百貨店業界においては、引き続き事業所の集約化が続いているようです(商業動態統計月報によると平成29年12月末時点の百貨店の事業所数は232店舗)。

主要商品カテゴリーの不振を助けた「その他の商品」。インバウンド消費も影響か。

百貨店販売額の商品別構成比を確認すると、飲食料品が5,768億円で31%、「婦人・子供服・洋品」が3,896億円で21%と、トップカテゴリーはデパ地下にある飲食料品となっています。「紳士服・洋品」、その他の衣料品まで含めた衣料品全体でも5,585億円と、若干飲食料品に及びません。また、化粧品や貴金属、宝石、時計などが含まれている「その他の商品」は3,861億円で21%と「婦人・子供服・洋品」とほぼ同じ割合となっています。

百貨店といえば、婦人服というイメージもありますが、昨年第4四半期の販売額構成比をみると、様相が変わってきているようです。

百貨店販売額は前年同期比微増でしたが、この微増に対する商品別の寄与をみると、2つの要因が見えてきます。一つは、「主要商品」である「飲食料品」、「婦人・子供服・洋品」の低下度合いが縮小したことです。二つめは、平成29年に入ってから好調な「その他の商品」の上昇が続いていることです。主力商品の低下寄与が、「その他の商品」の上昇寄与で打ち消されるほどに、縮小しているということになります。

「その他の商品」カテゴリーには、化粧品や貴金属、宝石、時計などが含まれており、昨年第3四半期に再び盛り上がりを見せたインバウンドを含めて好調な売れ行きを見せているようです。

1事業所当たり販売額減少も、引き続き店舗数増で上昇した総合(大型)スーパー。

平成29年10-12月期の総合(大型)スーパー販売額は、前年同期比1.1%上昇と、3四半期連続の上昇となりました。今期は、1事業所当たり販売額は減少したものの、事業所数が引き続き増加傾向で推移しており、前年同期比で上昇しています(商業動態統計月報によると平成29年12月末時点の総合スーパーの事業所数は4,901店舗)。

ほぼ「食品」スーパー。販売額7割超の飲食料品などが全体をけん引。

総合(大型)スーパー販売額の商品別構成比を確認すると、主力の飲食料品が2兆5,471億円で73%と、ほぼ「食品スーパー」といえそうです。

ちなみに、10年前の19年第4四半期の構成比と比べると、飲食料品は60%→73%とかなりその割合が増えたことが分かります。

総合(大型)スーパー販売額の変動に対する商品別の影響度合いをみると、平成29年10-12月期が前年比プラスとなった主な要因は、前期と同様、飲食料品販売に加えて、化粧品などを含む「その他の商品」の上昇でした。どちらの商品も、3四半期連続の前年同期比プラスで、飲食料品についてはプラス幅も拡大しています。

他方、「婦人・子供服・洋品」は、引き続き前年同期比マイナスが続いており、百貨店だけでなく総合(大型)スーパーにおいても長期低落傾向を見せています。

このように、「デパ地下」不振のデパートとは対象的に、総合(大型)スーパーは飲食料品の販売額を伸ばし食品スーパー化している様相が見えてきます。

また、デパート、総合(大型)スーパーといった各種の商品を扱う小売業態において、「婦人・子供服・洋品」の不振が顕著であるという特徴が見られました。

他方で、「織物・衣服・身の回り品小売業」の販売額は3四半期連続で上昇しており、必ずしも婦人服や子供服が売れないということではなく、洋服を購入するお店(服専門店、通信販売など)のシフトなどもありそうです。

ミニ経済分析「平成29年10-12月期小売販売を振り返る」のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20180309minikeizai.html

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