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先行き生産計画では、3月は微増産計画だが、4月も大きめの増産計画。4月の生産計画の水準は、はん用・生産用・業務用機械工業、資本財の主導で、昨年12月の生産実績をも上回る強気の生産計画となっている。 2018年3月30日

3月、4月と増産計画

3月上旬に実施した平成30年3月、4月の生産計画を調査した、生産予測調査の結果です。

3月の生産計画については、調査結果そのままを集計すると、前月比0.9%の上昇を見込むという結果になっています。3月の生産計画は、前回調査の計画から上方修正されており、比較的高めのものとなっています。

この3月計画値に含まれる、バイアスを補正すると、前月比0.5%程度の上昇という計算結果です。2月に続いて、増産となる3月の生産計画の水準は、調査結果そのままでも、補正計算結果でみても、昨年12月の水準からは、まだ低い状態です。

4月の生産計画は、補正前の3月計画から前月比5.2%上昇するという結果でした。最終的には、来月段階の計画見直しや実績段階で、下方修正されることとなっても、それなりの伸びを見込んでいることになります。

ただ、この4月の生産計画の水準は、昨年12月の水準をかなり上回るものとなっています。比較的高めの生産だった昨年4月の生産実績との比較でも、8.3%増産という計画です。相当、強気の生産計画と言えると思います。

3月生産計画では、5業種が増産

3月の生産計画では、全体11業種のうち、5業種が前月比で上昇、5業種が低下という生産計画となっています。上昇寄与が大きいのは、はん用・生産用・業務用機械工業、化学工業の2業種です。

3月のはん用・生産用・業務用機械工業の生産計画は、前月比3.6%の上昇となっています。前回調査の生産計画からは下方修正されているのですが、それでも、その生産計画の水準は、過去最高レベルの生産だった昨年12月の生産水準にほんの少し及ばないという高いレベルです。建機類や産業用ロボットの生産が牽引役ですが、機械分野の多くで増産計画となっています。

3月の化学工業の生産計画は、前月比3.8%の上昇となっています。前回調査の生産計画から上方修正されています。その生産計画値は、昨年第3四半期以降の生産実績と比較して高めとなっています。主にゴム製品やプラスチック製品の原料が増産の要因となっています。

4月の生産計画は、かなり大きめの増産計画

4月の生産計画では、全体11業種のうち、8業種が3月計画比で上昇という計画になっています。4月の生産計画を押し上げている業種は、圧倒的にはん用・生産用・業務用機械工業です。全体の上昇寄与54000のうち、おおよそ39000がはん用・生産用・業務用機械工業の上昇寄与でした。この4月の生産計画の上昇は、ひとえにはん用・生産用・業務用機械工業の上昇に起因するものと言っても過言ではないと思います。

4月のはん用・生産用・業務用機械工業の生産計画は、3月計画比15.2%の増産計画です。はん用・生産用・業務用機械工業の生産計画は、2か月連続の上昇ですが、4月計画は、金属加工や電子部品の製造機械の大きな増産が見込まれることによって上昇しています。

3月計画と4月計画で、上昇寄与品目に差があり、業種内で、好調品目の裾野が広くなっていることがうかがえます。

3月、4月の生産計画の変化を通してみると。。。

3月と4月の生産計画の変化を累積させてみると、製造工業全体の4月の生産計画水準は、2か月連続の増産計画の結果、非常に高いレベルとなった昨年12月の水準をも超える勢いとなっています。

この2か月連続の増産計画を生み出しているのは、はん用・生産用・業務用機械工業の増産です。製造工業全体で2か月連続増産でありながら、業種的にみると、2か月連続で増産しているのは、はん用・生産用・業務用機械工業と金属製品工業の2業種のみでした。金属製品工業はその伸びもウェイトも限定的ですので、やはり伸びもウェイトも大きいはん用・生産用・業務用機械工業の影響が強くなっています。

はん用・生産用・業務用機械工業の好調さは、財別分類で見た生産計画にも明瞭に現れており、輸送機械を除く資本財の生産計画は、3月は前月比マイナス3.1%低下と減産計画(これは、電気機械工業の属する電気設備類の減産による)ですが、4月は3月計画比24.4%と。昨年と同様に極端に高い上昇幅を見せています(昨年3月調査の翌月見込みの伸びは28.1%)。

先月の調査結果は、資本財需要、つまり設備投資需要に不安を抱かせるものでしたが、年度明けの資本財の動きへの不安を払拭する計画ではないかと思います。

3月の生産計画の回復は、それなりのものではあるものの、1月の落ち込みを完全にカバーするほどのものでありません。よって、この生産予測調査の結果を見ても、今年第1四半期の生産は、前期比マイナスとなる可能性が高いものと思われます。ただ、新年度4月の生産計画は相当強気のものとなっていることも確かです。

なお、企業の生産マインドを指標化した「アニマルスピリッツ指標」については、4月17日(火)に3月調査分に更新する予定です。

関連リンク
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/yosoku/result-1.html
結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-201802s.html
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html

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