過去最高の指数値を更新した29年第3四半期の買物代指数。当期の上昇はアジアからのお客様の買物代の上昇寄与が大きい。「爆買い」の再来か??? 2018年4月10日
訪日外国人の消費金額を、消費者物価指数を用いて実質指数化し、訪日外国人の国内での旅行消費の動向を指標化した「訪日外国人消費指数(TCI)」のうち、買物代指数の平成29年第4四半期の結果を紹介します。
訪日外国人の買物代は5期連続の前期比上昇、過去最高値を更新
29年第4四半期の買物代指数は、指数値559.2、前期比10.1%、5期連続の上昇となりました。前期の第3四半期に、爆買いブームのなか上昇一途にあった27年第3四半期を超える過去最高の指数値を記録しましたが、勢いは衰えることなく、当期も記録更新となりました。指数水準は600目前、つまり22年を基準として、その後わずか7年間で6倍の消費活動に迫っている、ということになります。
29年第4四半期の買物代指数の動きについて、「アジア」と「欧米」からの訪日客ごとに確認してみます。
アジア指数は、指数値644.4、前期比11.8%と6期連続の上昇となりました。
欧米指数は、指数値240.7、同7.7%と2期ぶりの上昇となりました。第3四半期は低下でしたが、当期は再び上昇に転じています。
アジア指数、欧米指数とも、指数値は買物代指数全体と同様に、過去最高を更新しました。

小売業の2期ぶりの上昇の陰には、訪日外国人の消費パワーあり
国内の小売業活動の前期比変動に対する買物代指数の寄与(影響度)を確認してみましょう。
国内小売業活動は、前期の29年第3四半期は6期ぶりの低下でしたが、この第4四半期は再び上昇に転じました。これに対する訪日外国人の買物代指数の寄与は、小売業指数の前期比0.4%の上昇に対し、プラス0.14%ポイント上昇に寄与しています。28年には低下寄与となることも多かった買物代指数ですが、この29年第4四半期まで5期連続で上昇に寄与、特にここ2期は好調さがみてとれます。
29年第4四半期は、2期ぶりの上昇となった国内の小売業活動ですが、その上昇には、訪日外国人の方々の買物支出も一役買ったと言えそうです。

アジアからのお客様の買物支出の寄与が圧倒的
訪日外国人全体の買物代指数の変動に対する、「アジア」と「欧米」からのお客様の買物支出の影響度(寄与)をみてみましょう。
29年第4四半期の訪日外国人全体の買物代指数の前期比10.1%上昇に対し、アジア指数はプラス10.17%ポイント、欧米指数はプラス0.45%ポイントの上昇寄与となりました。
欧米指数が2期ぶりに上昇寄与となったとはいえ、当期の買物代指数の上昇には、アジアからのお客様の買物支出が圧倒的な影響力を持っていました。

29年第4四半期の国内の小売業活動の上昇に一役買っている訪日外国人の買物支出は、29年に入ってから、26年後半から27年にかけての急拡大期に引けをとらない勢いで、好調に推移しています。今後、どこまで指数値を伸ばしてくるのか、その動きから目が離せません。
- ミニ経済分析「2017年第4四半期の訪日外国人消費指数の動きと中国・アメリカの1人当たり消費額(母国通貨建て)の変化」のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20180410minikeizai.html
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