訪日外国人の宿泊料金支出は4期連続で上昇、当期はアジアからのお客様、欧米からのお客様ともに支出が増加。国内の宿泊業活動には、訪日外国人の宿泊行動は欠かせない存在に。 2018年4月10日
訪日外国人の消費金額を、消費者物価指数を用いて実質指数化し、訪日外国人の国内での旅行消費の動向を指標化した「訪日外国人消費指数(TCI)」のうち、宿泊料金指数の平成29年第4四半期の結果を紹介します。
訪日外国人の宿泊料金は4期連続の前期比上昇
29年第4四半期の宿泊料金指数は、指数値331.9、前期比5.8%と4期連続での上昇となりました。29年に入ってから、それまで以上に急上昇していた宿泊料金指数は、当期も好調な動きで過去最高値を更新しました。
29年第4四半期の宿泊料金指数の動きについて、「アジア」と「欧米」からの訪日客ごとに確認してみます。
アジア指数は、指数値359.8、前期比5.2%と4期連続の上昇となりました。
欧米指数は、指数値190.5、同11.1%と2期ぶりの上昇となりました。第3四半期には4期ぶりに低下した欧米指数ですが、当期は再び上昇に転じました。
アジア指数、欧米指数とも、指数値は宿泊料金指数全体と同様に、過去最高を更新しました。

第4四半期の宿泊業は、引き続き影響力大
国内の宿泊業活動の前期比変動に対する宿泊料金指数の寄与(影響度)を確認してみましょう。
29年第4四半期は、国内宿泊業指数の前期比3.0%上昇に対し、訪日外国人の宿泊料金指数はプラス1.22%ポイントの上昇寄与となりました。29年に入ってから好調に推移している訪日外国人の宿泊需要は、当期も国内の宿泊業に対して一定度の影響力を保持しています。
前期の第3四半期は、国内宿泊業指数の前期比低下に対し、宿泊料金指数はプラス2%ポイントを超える上昇方向への寄与となっていました。
ここ数年の寄与の動きを確認すると、国内居住者の宿泊利用の低下分をカバーし、その低下幅を緩和する機会も多くみられるなど、このところの訪日外国人の宿泊支出は、国内宿泊業活動には、欠かせない要素となっているようです。

欧米客の低下寄与を、アジア客の上昇寄与が大きく上回る
訪日外国人全体の宿泊料金指数の変動に対する、「アジア」と「欧米」からのお客様の宿泊支出の影響度(寄与)をみてみましょう。
29年第4四半期の訪日外国人全体の宿泊料金指数の前期比5.8%に対し、アジア指数はプラス3.13%ポイント、欧米指数はプラス1.49%ポイントの上昇寄与となりました。第3四半期は4期ぶりの低下寄与となっていた欧米指数ですが、当期は再び上昇寄与に転じています。第3四半期では、欧米からのお客様の低下分を、アジアなどからのお客様の上昇分が大きくカバーした形でしたが、この第4四半期では、アジアからのお客様と欧米からのお客様がそろって上昇に寄与し、宿泊料金指数全体の好調を維持しました。

29年第4四半期の国内宿泊業の上昇には、訪日外国人の宿泊需要が1/3強程度寄与していました。アジア指数、欧米指数ともに、全体の上昇・低下に、宿泊料金指数は常に大きな影響力をもっています。日本を訪れる外国人のお客様の宿泊面でのニーズに応えていくことは、今後の訪日客の滞在日数を伸ばし、お客様の商品やサービス消費につなげるという点で、重要な分野なのかもしれません。
- ミニ経済分析「2017年第4四半期の訪日外国人消費指数の動きと中国・アメリカの1人当たり消費額(母国通貨建て)の変化」のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20180410minikeizai.html
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