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飲食費指数は5期連続で上昇。訪日客の「食」への欲求が、国内居住者の外食需要の低迷をカバーし、平成29年第4四半期の飲食サービス業を前期比横ばいにとどめた。 2018年4月10日

訪日外国人の消費金額を、消費者物価指数を用いて実質指数化し、訪日外国人の国内での旅行消費の動向を指標化した「訪日外国人消費指数(TCI)」のうち、飲食費指数の平成29年第4四半期の結果を紹介します。

訪日外国人の飲食費は5期連続で上昇、指数値は過去最高を維持

29年第4四半期の飲食費指数は、指数値419.2、前期比3.6%、5期連続の上昇となりました。29年に入ってから好調に推移している飲食費指数は、前期の第3四半期には前期比13.0%と大きく上昇しましたが、当期もその勢いそのままに引き続き上昇、指数値も5期連続で過去最高を更新しました。

29年第4四半期の飲食費指数の動きについて、「アジア」と「欧米」からの訪日客ごとに確認してみます。

アジア指数は、指数値481.8、前期比2.9%と6期連続の上昇となりました。順調に指数水準を上げ、指数値500まであと一歩です。

欧米指数は、指数値243.6、同10.1%と2期ぶりの上昇となりました。第3四半期は4期ぶりの前期比マイナスでしたが、当期はプラスに転じました。

アジア指数、欧米指数とも、指数値は飲食費指数全体と同様に、過去最高を更新しました。

29年第4四半期は、国内居住者の飲食サービス利用の低下を訪日客が相殺

国内の飲食サービス業活動の前期比変動に対する飲食費指数の寄与(影響度)を確認してみましょう。

29年第2、第3四半期と2期連続で低下していた国内の飲食サービス業は、第4四半期には前期比横ばいとなりました。これに対する訪日外国人の飲食費指数の寄与は、「飲食店,飲食サービス業」指数の前期比横ばいに対し、プラス0.23%ポイントと上昇に寄与しています。

29年に入ってから好調に推移している飲食費指数は、29年第4四半期では、国内居住者の飲食サービス利用の低下分に匹敵するほどの大きな上昇インパクトを持っていました。

アジアは引き続きプラス寄与、欧米も当期は再びプラスに

訪日外国人全体の飲食費指数の変動に対する、「アジア」と「欧米」からのお客様の飲食支出の影響度(寄与)をみてみましょう。

29年第4四半期の訪日外国人全体の飲食費指数の前期比3.6%上昇に対し、アジア指数はプラス1.94%ポイント、欧米指数はプラス1.24%ポイントの上昇寄与となりました。

29年第2四半期には、欧米指数が高い上昇寄与をみせていましたが、第3四半期は一転、欧米指数はマイナスに転じ、アジア指数がこの低下分をはるかに上回る上昇寄与となっていました。欧米指数が再びプラス寄与となったこの第4四半期では、アジアからのお客様、欧米からのお客様双方の旺盛な飲食需要により、好調を維持した形です。

29年第4四半期は、10月に2週連続で週末に台風が上陸接近するなど、国内飲食サービス業にとって、厳しい天候条件となりました。しかし、この国内居住者の外食需要の低迷を、訪日客の外食消費の上昇がカバーし、結果、国内飲食サービス業は前期比横ばいにとどまりました。悪天候にも負けない訪日外国人の外食行動に、日本の飲食サービス業はかなり助けられているということなのかもしれません。

ミニ経済分析「2017年第4四半期の訪日外国人消費指数の動きと中国・アメリカの1人当たり消費額(母国通貨建て)の変化」のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20180410minikeizai.html

問合せ先

経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室
電話: 03-3501-1511(代表)(内線2851)、03-3501-1644(直通)
FAX : 03-3501-7775
E-MAIL : bzl-qqcebc■meti.go.jp (■を@に置き換えてください)

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