平成３０年２月の全産業活動指数は、２か月ぶりの前月比上昇、先月の大幅低下からやや持ち直し。鉱工業生産が上昇に寄与。基調判断は、上昇の勢いにやや弱さがみられるが「緩やかな持ち直しの動き」を据え置き。 2018年4月25日

• ２月は２か月ぶりの前月比上昇、指数値は１０５台に復帰も上昇の勢いには陰り
• 鉱工業生産が全体を上昇にけん引も、３活動の動きは三者三様
• 平成３０年２月の全産業活動は、緩やかな持ち直しの動き

平成３０年２月の全産業活動指数は、前月比０.４％と２か月ぶりの上昇、指数値は１０５.３となりました。

先月１月は、前月比マイナス１.１％と３か月連続で上昇した昨年１０～１２月の指数上昇ポイント分に匹敵するほどの大きな前月比低下でしたが、当月２月ではやや持ち直した動きとなりました。指数値も先月１月に割り込んだ１０５台の水準に復帰しました。

一方で、今年１月と２月の２か月平均指数値は１０５.１と、昨年第４四半期の指数値１０５.６と比べ０.５ポイント下回っています。今年第１四半期に横ばいを保つには、来月３月には指数値１０６.５、前月比１.１％上昇が必要となりますので、第１四半期の前期比プラスは厳しいものとなったといえます。

後方３か月移動平均値では、先月、今月とこの２か月は連続低下をみせており、指数水準は高位を保ちながらも、そのすう勢にはこれまでに比べやや弱さがみられます。

２月の結果を産業別にみると、鉱工業生産は前月比上昇、サービス産業活動は前月比横ばい、建設業活動は前月比低下と、３活動の動きは三者三様でした。全体を上昇にけん引した鉱工業生産ですが、当月大きく上昇したとはいえ、その上昇幅は先月１月に急落した低下分の半分ほど盛り返した程度に留まっています。

２月の鉱工業生産は、前月比２.０％と２か月ぶりの上昇でした。輸送機械工業、電子部品・デバイス工業など１６業種中１２業種が前月比上昇でした。ただ、上昇した１２業種のうち、先月１月の落ち込み分以上の上昇幅をみせたのは４業種だけでした。

２月のサービス産業活動は、前月比横ばいでした。「運輸業,郵便業」、「金融業,保険業」など１１業種中７業種が前月比上昇、４業種が前月比低下でした。上昇した業種数は多かったのですが、輸出取引や資源、資材などの企業向け国内取引の不調から伸び悩んだ卸売業の低下が大きく響き、サービス産業活動全体の動きは停滞しました。

２月の建設業活動は、前月比マイナス０.３％と２か月ぶりの低下でした。内訳５事業では、民間発注の住宅建築や官・民の土木工事が前月比低下、民間発注の非住宅建築と公共機関発注の建築工事が前月比上昇でした。

平成３０年２月の各指数の基調判断は、鉱工業生産は「緩やかな持ち直し」、サービス産業活動は「持ち直しの動き」と、双方ともに判断を据え置いています。

他方、建設業活動は、この２月も前月比低下で、小幅な上昇・低下を繰り返しながらもやや弱含みの動き、というすう勢に変化はみられませんでした。

全産業活動全体では、今年１、２月の動きからは今年第１四半期の前期比プラスは難しい状況にあり、３か月移動平均値でみるすう勢にもこれまでに比べやや弱さを感じます。とはいえ、月単位では２か月ぶりの前月比上昇で、指数値も１０５台に復帰、鉱工業生産やサービス産業活動では多くの内訳業種が上昇、建設業活動では内訳事業のなかには復調の期待感を持たせるような動きもみられます。また、今年に入ってからの動きのなかには、海外事情や国内の天候要因など不安定要素が少なからずあったとすれば、「傾向が大きく変化した」とまでは言い切れません。

よって、今年２月の全産業活動の基調判断は、引き続き「緩やかな持ち直しの動き」の範ちゅうにある、と考えます。

　

　

　

全産業活動指数 結果概要

https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/zenkatu/html/b2010_201802j.html

就活でもない、終活でもない「全活」（全産業活動指数を紹介するムービー）

https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170602zenkatu_umekomi.html

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