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2018年3月の生産は、13業種で前月比上昇。電子部品や半導体等の製造装置の生産に勢いがあった。他方、出荷の低下については、鋼船の出荷低下の影響が大きい。 2018年4月27日

3月は13業種で生産が前月比上昇

2018年3月の鉱工業生産は、前月比1.2%と2か月連続で前月比上昇となった訳ですが、15業種のうち、13業種が前月比上昇、2業種が前月比低下となりました。ただ、2業種低下とはいっても、それらの業種の鉱工業生産全体に対する低下寄与は微々たるものでした。3月は主要業種の生産がそろって前月比上昇となったということかと思います。

この3月の生産上昇への影響度、寄与が大きかったのは、電子部品・デバイス工業、化学工業(除.医薬品)、輸送機械工業でした。4位の金属製品工業は、輸送機械工業の半分程度の寄与となっていますので、3月は、この上位3業種の上昇寄与の影響が大きかったと言えると思います。

生産変動への寄与の大きかった業種の動き

電子部品・デバイス工業は、前月比2.5%と2か月連続の上昇でした。電子回路の部品やCCD、中小型の液晶といった、情報デバイス向けの部品類の生産が上昇要因でした。

化学工業(除.医薬品)は、前月比1.7%と2か月連続の上昇でした。ファンデーションなどの化粧品類の生産が上昇要因でした。

そして、輸送機械工業は、前月比0.7%と2か月連続の上昇でした。船舶用のディーゼル機関(エンジン)のほか、小型トラックや機関部品(自動車エンジンの部品)など幅広い品目が上昇していました。ちなみに、乗用車3車種(軽乗用車、小型乗用車、普通乗用車)の生産は小幅ながら前月比上昇でした。

すでに2月段階で幅広い品目の生産が上昇していたため、特定の品目が3月に大きく上昇するというよりも、幅広い品目の生産が少しずつ生産を増やしていたという感じです。

ただ、業種単位ではなく、細分類品目の生産上昇寄与を並べると、3月は「半導体・フラットパネル製造装置」の生産が前月比10.9%上昇でした。電子部品・デバイス工業の上昇寄与が大きく、電子部品類の生産が好調だったことを踏まえると、2月の大きめの低下を見せていた輸出向け出荷分を含んで、電子部品類とその製造設備の生産が3月の生産好調の要因の一つであることは認められるかと思います。

出荷の低下には、鋼船の影響が大きい

3月の鉱工業出荷は、前月比マイナス0.2%低下と、微減ではありますが、2か月ぶりの前月比低下でした。15業種のうち、7業種が前月比低下、7業種が前月比上昇、横ばい1業種となりました。

鉱工業出荷の低下に特に寄与した業種は、輸送機械工業でした。これは、自動車関係の品目の出荷低下というよりは、鋼船の出荷の前月比低下によるもので、実は、自動車関係の出荷指数は前月比0.5%の上昇でした(ただし、小型乗用車の出荷は前月比マイナス6.2%低下)。輸送機械工業の出荷低下の3分の2以上が、この鋼船の出荷低下によって説明されてしまうという計算です。

他方、出荷上昇の方向に寄与した業種としては、電子部品・デバイス工業やはん用・生産用・業務用機械工業を挙げることができます。はん用・生産用・業務用機械工業については、その内訳品目で最も上昇に寄与した品目は水管ボイラですが、半導体やフラットパネル製造装置の上昇寄与も大きくなっています。出荷においても、電子部品類とその製造設備は、プラス方向の勢いを持っていました。

財の需要先の用途別分類である財別分類出荷指数をみると、生産財、輸送機械を除く資本財の出荷は前月比上昇でしたが、鋼船を含む資本財、さらには、耐久、非耐久の消費財、建設材の出荷は前月比低下でした。特に、資本財の出荷は、3か月連続の前月比低下でした。

各財の前月比をレーダーチャートでみると、あまり突出した変化を見せた財が見受けられないという結果です。

はん用・生産用・業務用機械、輸送機械や生産財の在庫が上昇

3月は在庫指数が前月比3.5%上昇と2か月連続の上昇で、指数値もかなり高くなっています。15業種のうち、12業種で在庫が前月比上昇となりました。在庫上昇への寄与が大きかったのは、はん用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業、化学工業(除.医薬品)、石油・石炭製品工業、電子部品・デバイス工業でした。

今年第1四半期の在庫上昇に対する寄与でみても、はん用・生産用・業務用機械工業、化学工業(除.医薬品)、電子部品・デバイス工業といった3月の在庫上昇業種が並んでおり、3月の在庫上昇が際立っていたことが、業種面からも確認できます。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-201803s.html
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html

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