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先行き生産計画では、4月は増産計画だが、5月は減産計画。4月の生産計画の水準は、輸送機械や汎用・業務用機械工業、資本財などの主導で、昨年12月の生産実績に匹敵する強気の生産計画。 2018年4月27日

4月は増産計画、5月は減産計画

4月上旬に実施した平成30年4月、5月の生産計画を調査した、生産予測調査の結果です。

なお、この平成30年4月調査分の結果から、生産予測指数の基準年を2010年から2015年に改定し、調査対象品目の削除、追加を実施しています。

4月の生産計画については、調査結果そのままを集計すると、前月比3.1%の上昇を見込むという結果になっています。4月の生産計画は、3月計画に続いて、前回調査の計画から多少ですが上方修正されており、強気な生産計画が続いていることを伺わせます。

この4月計画値に含まれる、バイアスを補正すると、前月比1.4%程度の上昇という計算結果です。3月に続いて、増産となる4月の生産計画の水準は、調査結果そのままでも、補正計算結果でみても、昨年12月の水準に近い生産水準を期待できる結果となっています。

5月の生産計画は、補正前の4月計画から前月比マイナス1.6%低下するという結果でした。仮に、4月の生産実績の伸びが補正計算程度のものに留まった場合には、ほぼ横ばいという感じの5月の生産計画です。

4月計画も5月計画も、昨年同月の生産実績に比べて、6~8%も高い水準の計画となっており、水準的には高めの生産計画と言えるでしょう。

4月生産計画では、8業種が増産

4月の生産計画では、全体11業種のうち、8業種が前月比で上昇、3業種が低下という生産計画となっています。上昇寄与が大きいのは、輸送機械工業、汎用・業務用機械工業、生産用機械工業といった業種です。

4月の輸送機械工業の生産計画は、前月比4.9%の上昇となっています。前回調査の生産計画からは上方修正されており、その生産計画の水準は、過去最高レベルの生産だった昨年12月の生産水準にほんの少し及ばないという高いレベルです。自動車部品、完成車たる乗用車ともに底堅い生産計画となっています。

汎用・業務用機械工業の生産計画は、前月比10.3%の上昇となっています。この業種の計画も微増ではありますが、前回調査の生産計画から上方修正されています(一部、3月分からの納期ずれもある)。その生産計画水準は、昨年12月の生産実績水準を上回るものであり、昨年同月の生産実績を15%ほど上回る計画です。主に、ポンプ・圧縮機や工場施設内の運搬装置の増産計画が、上昇要因となっています。

さらに、生産用機械工業の生産計画は、前月比7.7%上昇となっています。この業種の生産計画水準も、昨年12月の生産実績水準を上回るものであり、昨年同月の生産実績を25%ほど上回る計画です。主に、半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置、プラスチック・金属加工機械の増産によるものです。

5月の生産計画には、4月からの反動的な動き

5月の生産計画では、全体11業種のうち、8業種が4月計画比で低下、3業種が上昇という計画になっています。5月の生産計画の低下要因となっている業種は、輸送機械工業、生産用機械工業などですが、輸送機械工業の影響度合いが、2位の生産用機械工業の3倍ほどとなっています。

輸送機械工業の生産計画は、4月計画比マイナス5.7%の減産で、部品類、乗用車双方の減産によるものです。また、生産用機械工業の生産計画は、4月計画比マイナス3.3%の減産で、半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置、プラスチック・金属加工機械の生産低下によるものです。これらの低下品目は、同時に、4月計画の上昇品目なので、少し反動的に低下するという面があります。

なお、4月生産計画の上昇寄与業種であった、汎用・業務用機械工業の5月の生産計画は4月に続いて増産計画となっており、ボイラやポンプ関係、汎用機械器具部品などの計画が堅調なようです。

4月、5月の生産計画の変化を通してみると。。。

4月と5月の生産計画の変化を累積させてみると、製造工業全体の5月の生産計画水準は、5月自体は4月からは低下見込みではあるものの、4月の上昇幅が大きいことから、3月の生産実績を超えるものとなっています。

この4月、5月を通しての増産計画を生み出しているのは、向こう2か月連続で生産計画を上昇させる汎用・業務用機械工業のほか、4月の伸びに対し、5月の低下幅が小さい生産用機械も、その役を果たしています。

これは、需要先用途別分類である財別の生産予測指数にもはっきりと現れており、輸送機械を除く資本財の生産計画は、4月に14.6%上昇、5月にマイナス3.5%低下で、4月の上昇分で5月低下分を十分カバーできる結果です。

実績段階では、4月の納期の後ずれや上方バイアス分の補正などによって、全体的には、4月から5月にかけて高位安定の推移となることが見込まれます。

なお、企業の生産マインドを指標化した「アニマルスピリッツ指標」については、5月16日(水)に4月調査分に更新する予定です。

関連リンク
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/yosoku/result-1.html
結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-201803s.html
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html

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