平成３０年３月のサービス産業活動は、前月比マイナス０.３％低下、第１四半期も前期比マイナス０.１％低下。サービス産業の基調的な動きについては、「緩やかな低下傾向」にある。 2018年5月15日

• ３月のサービス産業活動指数は、前月比低下
• 対個人、対事業所ともに前月比低下
• 「金融業，保険業」の低下が大きい
• ３月のサービス産業の基調判断は、「一部に弱さがみられる」に下方修正

平成３０年３月のサービス産業（第３次産業）活動指数は、指数値１０５.０、前月比マイナス０.３％低下でした。この指数は、昨年１１月、１２月に、平成２０年（２００８年）の２月、３月以来、消費税率改正直前月を除き、ほぼ１０年ぶりに１０５台の指数となりました。年明け３か月間は、なんとかこの１０５台の水準を維持していますが、緩やかに指数値が低下してきています。

本年第１四半期の指数値も１０５.２と１０５台を維持していますが、前期比はマイナス０.１％低下と小幅ではありますが、４期ぶりに前期比低下となりました。

サービス産業の活況度合いについては、水準はそれほど低下していませんが、方向感、勢いが鈍化していることは否めないところです。

サービス産業活動指数は、大きく「広義対事業所サービス」と「広義対個人サービス」に分けることができます。

３月の対個人サービス活動指数は、指数値１０４.９、前月比マイナス０.８％と２か月連続の前月比低下です。対事業所サービス活動指数は、指数値１０５.４、前月比マイナス０.３％と２か月ぶりの前月比低下でした。

サービス全体としては前期比微減となった今年の第１四半期については、対個人サービスは前期比マイナス０.１％の微減でしたが、対事業所サービスは前期比０.５％上昇と２期連続の前期比プラスとなっています。

３月の業種別の動きをみると、全１１業種のうち、７業種が前月比低下業種、４業種が上昇業種でした。

特に、低下寄与が大きかった業種は、「金融業，保険業」で、サービス全体の前月比マイナス０.３％に対し、同業種の低下寄与が０.３３％ポイントとなっています。これは、低下７業種の寄与度を合計したものの半分近くを占めています。内訳では、「金融商品取引業，商品先物取引業」のうち、株式取引高を指標化している流通業務が前月比マイナス７.５％低下と、主な変動要因となっています。

この外では、ゲームソフトを含むソフトウェア業や情報処理・提供サービス業が低下した情報通信業、３月の暖かい天候から暖房需要が低下した電気業（同様に、燃料小売業も低下）なども、低下寄与の相対的に大きい業種に上げられます。

逆に上昇寄与が大きかった業種は、事業者向け関連サービスでした。機械設計業や土木・建築サービス業といった技術サービス業が上昇要因です。これらの業種は、投資に関連するサービスであり、３月の投資向けサービスは，前月比１.９％と３か月ぶりに前月比上昇となりました。

３月のサービス産業活動指数は、比較的高い１０５台をかろうじて維持してはいるものの、前月比低下となりました。グラフの動きをみても、昨年末を緩やかなピークとして、年明け指数値が低下しています、それが如実に反映されて、第１四半期も前期比マイナスとなりました。その要因としては、対個人サービスの弱さを上げることができます。

こういった点を踏まえ、少なくとも３月のサービス産業（第３次産業）活動指数の基調判断については、「一部に弱さがみられる」と下方修正したいと思います。

結果概要のページ

https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html

参考図表集

https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-201803.html

『就職にも使える！ 第３次産業活動指数』（マンガ）

https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html

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