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2018年4月の生産では、輸送機械工業の生産上昇寄与が大きく、出荷も好調で、在庫も低下。設備投資需要も旺盛で、資本財出荷も10年前の高いレベルへ。 2018年5月31日

4月は8業種が前月比上昇

平成30年4月の鉱工業生産は、前月比0.3%と3か月連続の前月比上昇を見せた訳ですが、業種別にみると、8業種が前月比上昇、7業種が前月比低下となりました。

この4月の生産上昇への影響度、寄与が特に大きいのは、輸送機械工業でした。それに次ぐのは、はん用・生産用・業務用機械工業、金属製品工業でした。

輸送機械工業の上昇寄与は、2位のはん用・生産用・業務用機械工業の3倍以上となっており、4月の生産の上昇は、輸送機械工業の上昇による部分が大きくなっています。

輸送機械工業は出荷も旺盛で、在庫も大きく低下

輸送機械工業の4月の生産は、前月比3.9%と3か月連続の上昇となっています。今年1月の輸送機械工業の生産は、前月比マイナス10%以上の大きな低下を見せました。しかし、その後の3か月連続の生産上昇で、この1月の生産低下分を回復させました。この結果、4月の輸送機械工業の生産指数は113.2となり、昨年12月の生産レベルを超え、近年で最も高いレベルとなりました。ちなみに、指数値113台というのは、2012年4月(エコカー補助金期間中)、そして2008年9月(いわゆるリーマンショックが発生した月)以前にまでさかのぼる必要がある生産レベルです。特殊要因が見当たらない時期として、やっとリーマンショック前と比肩しうる生産レベルになったということが言えます。

この輸送機械工業の生産上昇のけん引役は、やはり自動車関係で、乗用車(完成車)と自動車部品の上昇寄与が大きくなっています。4月の自動車関係のみの生産指数(船舶・同機関、鉄道車両、航空機を除く輸送機械工業)の伸びは前月比5.1%と輸送機械工業全体の伸びよりも大きくなっており、自動車関係の生産が好調であったことが分かります。

輸送機械工業の出荷もこの4月までで3か月連続上昇で、やはり小型乗用車や軽乗用車の上昇寄与も大きくなっていました。この結果、乗用車関係の在庫低下により、鉱工業在庫の積み上がり要因となっていた輸送機械工業の在庫指数も、3か月ぶり前月比低下となり、在庫の重石も少し払拭できたようです。

需要先用途別分類の出荷も軒並み上昇

4月の鉱工業出荷は、前月比1.8%と3か月連続の前月比上昇でしたが、財の需要先の用途別分類である財別分類出荷指数をみても、全ての財分類の出荷指数が前月比上昇となりました。

4月の出荷上昇に対する寄与、影響度では、耐久消費財の出荷増の影響が特に大きくなっています(全体の半分以上の影響度)。やはり、小型乗用車(前月比18.3%上昇)や軽乗用車(前月比14.5%上昇)の出荷増の影響が強く出ています。

耐久消費財に次いで出荷上昇に影響を持ったのは、生産財や資本財といった企業が需要する財でした。

資本財、特に、内外の設備投資に向けられる輸送機械を除く資本財の出荷は、3月、4月と2か月連続の上昇でかなり高いレベルとなっており、その指数値126.0を超える数値は、2008年6月の指数値127.7まで遡及しないと出てこない数値です。

生産好調を背景に、企業の素材や部品に対する需要とともに、内外の設備財に対する需要も、4月までは堅調だったようです。

*10年前の水準に近づく自動車関係の生産と資本財出荷

2018年4月の生産の上昇には、輸送機械工業、特に自動車関係の生産好調が大きく作用しました。その生産水準は、ほぼ10年前のリーマンショックの起きる前の水準に近づいています。

この自動車関係の好調は、耐久消費財需要の勢いに支えられたものでした。同時に、企業の設備需要も堅調で、輸送機械を除く資本財の出荷指数のレベルも、ほぼ10年前の高いレベルに近づいていました。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-201804s.html
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html

問合せ先

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