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5月の国内向け出荷でも輸出向け出荷でも、耐久消費財、特に乗用車関係の低下の影響が大きくなっている。仕向け先別では、アメリカ向けはプラスだったが、中国向け出荷が業種別でも財別でも総じて低調。 2018年7月6日

国内向け出荷の需要先用途別推移

5月の国内向け出荷は前月比マイナス2.4%の低下となった訳ですが、その需要先別用途別分類(財別分類)では、最終需要財の国内向け出荷は前月比マイナス4.3%と、企業の中間投入となる生産財は前月比マイナス0.6%と、それぞれの前月比低下幅には大きな差がでました。

5月の国内向け出荷では、最終需要財の低下寄与が生産財の低下寄与の8倍以上となっており、最終需要財の低下によって、全体が低下していたと言えるでしょう。5月の鉱工業生産は前月比低下とはいっても、その低下幅は小さかったので、その生産活動に投入される生産財の低下も小幅なものとなりました。

5月の最終需要財の国内向け出荷においては、企業向けの資本財と家計向けの耐久消費財が、全体の押し下げ要因となっています。この2つの財の低下寄与にはあまり違いがありませんでした。

耐久消費財については、輸送機械工業、つまり乗用車関連の低下の影響が強くなっています。輸送機械を除く資本財については、はん用・生産用・業務用機械工業に属する品目の低下の影響が大きくなっています。鉱工業生産財においても、やはり輸送機械工業の品目の影響が大きくなっています。

こういった状況を踏まえると、耐久消費財に対する5月の内需が著しく低下したというよりも、稼働日要因によって生産が低下した輸送機械工業の影響が大きく出たものと思われます。

輸出向け出荷の需要先用途別推移

5月の輸出向け出荷は前月比マイナス0.4%の低下だった訳ですが、その需要先別用途別分類(財別分類)では、最終需要財の輸出向け出荷は前月比マイナス4.4%の低下でしたが、企業の中間投入となる生産財は前月比プラス1.8%と2か月ぶりの上昇となりました。この生産財の上昇寄与が、最終需要財の輸出向け出荷の低下を補った結果、輸出向け出荷の前月比低下幅が限定されたものとなりました。

5月の最終需要財の輸出向け出荷においては、耐久消費財の低下寄与が大きくなっています。これは、主に輸送機械工業の品目によるものであり、乗用車の低下によるものです。

また、資本財の低下寄与も大きくなっており、ここには船舶関係の品目の低下の影響が作用しています。他方、輸送機械を除く資本財の輸出向け出荷は前月比上昇となっています。この点からも、5月の輸出向け出荷の低下には、輸送機械工業の影響が大きかったことが分かります。

外需のうち、生産財や設備投資の用に供される輸送機械を除く資本財に対する需要は堅調だったようです。

仕向け先別の動向

5月の主要仕向け先別の輸出向け出荷の動きをみると、欧米向け出荷の中では、米国向けは前月比上昇の一方、欧州向けは低下となりました。アジア向け出荷の中では、韓国向けが前月比上昇、ASEAN向けが微増で、中国向けが大きめの低下となっています。輸出向け出荷全体の中でも、中国向け出荷の低下寄与が大きくなっていました。

輸出向け出荷全体の低下に対し、大きな低下寄与となった耐久消費財について、アメリカ向けと中国向けの寄与を比較すると、中国向けの耐久消費財の出荷もマイナスではありましたが、アメリカ向けの耐久消費財出荷の低下寄与が圧倒的に大きく、5倍以上となっています。特に、乗用車・二輪車となると、その差は9倍に広がります。

アメリカ向け出荷では、電子部品・デバイス工業や化学工業(医薬品を除く)が前月比プラス、鉱工業用生産財も前月比プラスで、乗用車のアメリカ向け出荷の低下を補って、全体のプラスを生み出したことになります。

中国向け出荷は、主要4業種全てが前月比マイナスで、需要先用途別分類でみてもマイナスとなっています。5月の中国からの需要は、総じて低調であったことが分かります。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result/slide/result-utiwake-sanko-201805.html
鉱工業出荷内訳表、総供給(いわゆるバランス表)をちょっとながめてみました
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160511iip_bl_gaiyou.html

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