2018年5月のサービス産業活動は、前月比0.1%と微増。4月と5月の平均は、第1四半期の指数水準に対し高めの値となっており、第2四半期は前期比プラスの勢い。基調判断は、「持ち直しの動き」に据え置き。 2018年7月11日
5月のサービス産業活動指数は、前月比微増
2018年5月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値106.0、前月比0.1%と2か月連続の上昇でした。サービス産業活動指数は、今年に入って低下と上昇を繰り返していますが、年度変わりの4月に大きく上昇しました。
指数値106.0は、2014年3月の消費税率引き上げ直前の105.5(これは、昨年11月、12月の水準)を上回ります。さらに、遡って106台の指数を探していくと、実は、2008年3月の106.7しかありません。つまり、今年5月のサービス産業活動指数は、歴代2位の水準ということになるのです。ちなみに、3位は4月の指数値105.9なので、この4、5月はリーマンショック前の水準に回帰していることになります。

4月と5月の平均値は106で、今年第1四半期の指数105.1と比べて高めとなっています。6月に、かなりの前月比低下をみせない限り、第2四半期は前期比プラスを確保できそうです。今年第1四半期は、4四半期ぶりの前期比マイナスでしたが、ずるずるとサービス産業の活動の低下が続くということはなさそうです。
上昇寄与業種の動向
5月の業種別の動きみると、全11業種のうち、6業種が上昇、5業種が低下でした。上昇寄与が比較的大きかった業種は、卸売業、「医療,福祉」、情報通信業、「運輸業,郵便業」でした。低下業種のうち、低下寄与が比較的大きかったのは、小売業、生活娯楽関連サービスでした。

上昇寄与が特に大きかったのは、卸売業でした。卸売業は、今年1、2月は前月比低下が続きましたが、3月以降は、3か月連続の前月比上昇となっています。昨年11月から、7か月連続で前年同月比のプラスが続いています。この結果、卸売業の指数水準も97.6と高くなっています。この水準は、2014年3月(指数値100.6)、つまり消費税率引き上げ前の駆け込み需要で盛り上がった月以来です。その前の2月の指数値も97.3でしたので、今年5月の指数値は、その時期よりも大分高いこととなり、消費税率引き上げ前の水準に回復していることになります(下のグラフの青い折線グラフが、卸売業)。

卸売業の内訳を確認すると、5月は、電気機械器具卸売業の上昇寄与が大きいほか、食料・飲料卸売業や農畜産物・水産物卸売業もプラス寄与をみせました。特に、電気機械器具卸売業と食料・飲料卸売業の上昇寄与が大きくなっています。この両系列は、卸売業全体の指数レベルに比較して、指数値が高く、電気機械器具卸売業は指数値114.0、食料・飲料卸売業は123.3と、卸売業の中でも基準年(2010年)からの伸びが大きくなっている系列です。前年同月比の上昇寄与も大きく、この2系列は、卸売業の水準が高くなってきている動きの立役者ということがいえるでしょう。

5月のサービス産業の勢いについては、「持ち直しの動き」で据え置き
5月のサービス産業活動指数は、2か月連続の前月比上昇となり、その指数レベルも106台、歴代2位の水準でした。4月と5月の平均値も、第1四半期の指数レベルを大分上回っており、6月に相当大きな前月比低下が生じない限り、今年の第2四半期の前期比はプラスとなりそうな勢いです。

こういった動きを踏まえ、5月のサービス産業(第3次産業)活動指数の基調判断については、「持ち直しの動きがみられる」と据え置きたいと思います。

- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-201805.html
- 『就職にも使える! 第3次産業活動指数』(マンガ)
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html
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