6月の生産計画は、上方バイアスを補正すると前月比微減となる程度の計画。前年同月実績比上昇幅も小さくなり、アニマルスピリッツ指標も前回調査から低下、慎重な生産計画となった6月の生産予測調査結果。 2018年7月13日
経済解析室では、毎月初旬にその月と翌月の生産計画を、主要製品の主要企業について調査しています。今回は、6月と7月の生産計画の状況と、6月初旬段階での企業のマインド、つまり生産計画や見込みが強気だったのか、弱気だったのを紹介します。
2018年6月の生産計画とその補正値
2018年6月の生産計画については、前月比0.4%の上昇を見込むという結果になっています。7月の生産計画は、この6月計画から0.8%の上昇という生産計画になっています。仮に、この生産計画通りの推移ですと、7月の生産は、近年で最も高い生産となった昨年12月の生産指数も上回ることになる計画となっています。
なお、この7月計画値は、6月初旬に実施した調査結果に基づくものであり、6月に近畿地方をおそった地震や7月に西日本を襲った豪雨災害の影響は、加味されていないことを注意喚起いたします。

毎回、調査月の結果については、その生産計画に含まれている実績からの「ずれ」を統計的に処理して、補正計算をしています。今回の調査結果で計算したところ、6月の結果については、前月比マイナス0.1%程度の低下になるという結果でした。今年第2四半期は、8四半期ぶりの前期比低下となった第1四半期からすると高い4月のスタートとなりましたが、その後の5月、6月の生産計画にはあまり勢いがなく、この4月の水準を維持できないようです。
とはいえ、この程度の低下幅に納まるようであれば、第2四半期の鉱工業生産は、前期比プラスを確保できそうです。

生産計画の伸びを当てはめた鉱工業生産のグラフ
この生産計画の伸びを5月までの鉱工業生産指数に当てはめてグラフ化すると下のようになります。調査結果そのままでは、生産指数は大分高い水準となります。ただ、上方バイアスを修正した補正結果を当てはめると、大分趣が変わり、4月以降、横ばいから少し下降気味という印象になります。

生産計画の強気と弱気
前年実績と生産計画の水準を比較すると、この生産計画がどの程度、強気なのか弱気なのかの一つの目安となります。
6月の生産計画は前年同月実績比1.5%と、連続上昇が2年近く続いています。ただ、その上昇幅は、5月調査における6%を超える上昇幅からは、大きく縮小しており、強気幅は大分落ち着いたことになります。

生産予測調査は、その調査月と翌月の生産計画を調べているので、同じ月の生産計画を2回調べる仕組みになっています。調査月の生産計画が、前回調査の生産計画からどれ位変動したのかを予測修正率といいます。
6月の予測修正率はマイナス0.2%で、6月の生産計画は下方に微修正されています。3月調査、4月調査では生産計画が上方修正となっていましたが、5月調査、6月調査と、生産計画が下方修正されることとなりました。生産計画が下方修正されること自体は一般的なことではありますが、ここでもやはり強気一辺倒でもないデータとなっていることになります。

各社、各品目別に、生産計画が上方修正された数と下方修正された数を比較して、その比率の差分を計算しています。この指標を「アニマルスピリッツ指標」と呼んでおり、企業の生産計画の強気、弱気の度合いを推し量る指標として活用しています。
6月調査結果では、アニマルスピリッツ指標はマイナス6.8となりました。5月調査結果から計算したもの(マイナス1.7)からは低下しており、これで3か月連続の低下となります。
これまでのこの指標の推移と景気循環を重ねると、おおむねマイナス5を下回ると景気後退局面に入るということが確認できています。6月調査結果では、まだ一月だけではありますが、その水準を割り込んでいるということで、方向としは慎重な生産マインドになって来ていることが分かります。アニマルスピリッツ指標のトレンドも、ダウンスロープからの下げ止まりの様相となっています。

6月調査では、強気(計画上方修正)の品目の割合は減少、弱気(計画下方修正)の品目の割合が増加し、差し引きで、アニマルスピリッツ指標は低下となっています。
弱気品目の割合が3割を超え、予測修正率やアニマルスピリッツ指標で見ても、6月調査に見られる生産マインドは、大分慎重なものとなってきていると言わざるを得ません。

- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/yosoku/result-1.html
- 予測指数解説集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/yosoku/sanko/result-yosoku-sanko-201806.html
- マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html
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