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2018年6月の輸出向け出荷は、電子部品の中国向け出荷の好調に支えられ、前月比上昇だが、国内向け出荷は2か月連続の低下。ただ、第2四半期でみると、国内向け、輸出向け出荷ともに、前期比プラスを確保。 2018年8月7日

国内向けの低下により鉱工業出荷は前月比マイナス

2018年6月の鉱工業出荷は、前月比マイナス0.2%と2か月連続の低下となりました。内需(国内向け出荷)が前月比マイナス0.9%の低下、外需(輸出向け出荷)は前月比プラス1.5%の上昇でした。6月は、内需の低下により鉱工業出荷全体は前月比マイナスとなりましたが、外需が回復しており、その低下幅を補いました。

翻って、本年4-6月期、第2四半期の出荷をみると、鉱工業出荷全体は、前期比1.8%上昇でしたが、国内向け出荷も前期比2.0%上昇、輸出向け出荷も0.9%上昇とともに上昇となりました。内需向け出荷が2期連続低下となることは避けられました。

第2四半期の鉱工業出荷の回復は、国内向け出荷の回復によるモノだったことが分かります。

業種別の動き

6月の国内向け出荷の業種別動向をみると、14業種中10業種が前月比低下でした。低下寄与が大きかったのは、化学工業(除。医薬品)、はん用・生産用・業務用機械工業、そして金属製品工業でした。他方、輸送機械工業の国内向け出荷は、5月の大幅低下からの反動もあるのか、前月比6.0%と大きく上昇していました。

6月の輸出向け出荷の業種別動向をみると、14業種中7業種が前月比上昇となりました。特に、上昇寄与が大きかったのは、電子部品・デバイス工業と輸送機械工業でした。電子部品や自動車部品などの、工業生産に投入される部材の海外向け出荷がけん引役でした。他方、石油・石炭製品工業の輸出向け出荷が前月比マイナス22.7%と大きな低下となっていました。

輸送機械工業は国内向け、輸出向けともに好調な出荷となり、電子部品・デバイス工業は外需向けの集積回路などの出荷が好調だったようです。はん用・生産用・業務用機械工業や化学工業(除.医薬品)では、国内向け出荷が低下要因となりました。

需要先用途別の動き

6月の需要先別用途別分類(財別分類)の国内向け/輸出向け出荷の動きを比較してみます。

まず、製造業の中間投入となる鉱工業生産財については、鉱工業生産が2か月連続で前月比低下となっていることから、国内向け出荷が前月比マイナス1.9%と2か月連続の低下でした。しかし、輸出向け出荷は前月比3.6%と2か月連続の上昇となっており、外需(海外への部品、部材の供給)が内需の落ち込みをカバーしてくれています。

設備投資向けとなる資本財(除.輸送機械)については、国内向け出荷が前月比マイナス1.5%と2か月連続の低下でした。輸出向け出荷は前月比0.1%と、5月の横ばいから続いて小さな動きとなりました。

消費向けの財では、耐久消費財の国内向け出荷が前月比1.2%上昇でしたが、その輸出向け出荷は前月比マイナス0.4%低下だったことに加え、非耐久消費財が国内向け/輸出向けともに前月比低下となったことから、消費財全体としても、内外需ともにあまり調子が良くなかったようです。

ただ、第2四半期でみると、設備投資財の輸出向け出荷が前期比低下とはなったものの、その国内向け出荷は前期比上昇です。消費財も内外需ともに前期比上昇でしたので、最終需要向けの出荷は四半期ベースでは悪くはありませんでした。

仕向け先別の動向

6月の主要仕向け先別の輸出向け出荷の動きをみると、欧米向け出荷の中では、米国向けは前月比低下の一方、欧州向けは上昇となりました。アジア向け出荷の中では、中国向けが、5月の低下から大きく反転上昇となったほか、ASEAN向けで上昇が続いています。

6月の輸出向け出荷全体の中でも、中国向け出荷の上昇寄与が大きく、欧米向け出荷の上昇寄与も大きくなっています。

輸出向け出荷全体の上昇に対し、大きな上昇寄与となった鉱工業用生産財について、アメリカ向けと中国向けの寄与を比較すると、同財のアメリカ向け出荷は大きな低下寄与ですが、中国向け出荷の上昇寄与がその倍以上の大きなものとなりました。電子部品・デバイス工業の輸出向け出荷においても、中国向け出荷の上昇寄与が大きくなっていました。

仕向け先別寄与において中国の存在感が大きかったことも踏まえると、今年前半あまり芳しい動きを見せなかったものの、集積回路を中心とした電子部品(鉱工業用生産財の一部)の中国向け出荷が、6月の輸出向け出荷上昇の主役であったようです。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result/slide/result-utiwake-sanko-201806.html
鉱工業出荷内訳表、総供給(いわゆるバランス表)をちょっとながめてみました
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160511iip_bl_gaiyou.html

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