2018年8月のサービス産業活動は、前月比0.5%と3か月ぶりの上昇。指数レベルは、5月以来の、本年2位の高い指数値となった。特に、生活娯楽関連サービスの上昇寄与、し好的個人向けサービスの上昇寄与が大きかった。 2018年10月12日
8月のサービス産業活動指数は、前月比上昇
2018年8月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値106.0、前月比0.5%と3か月ぶりの上昇でした。
指数値が106台となるのは、今年5月に続いて、歴代3回目であり、高い水準となりました。前年同月比も18か月連続上昇が続いており、その上昇幅も5月に次ぐ高い水準となっています。
6月の比較的大きめの低下、7月の微減と前月比低下が続きましたが、8月の上昇で、この2か月の低下分が相当程度カバーされ、5月の高い水準にほぼ戻りつつあります。7月と8月のサービス産業活動指数の平均は、105.8ですので、9月に0.1%程の前月比上昇が生じれば、第3四半期は四半期ベースで今基準内最高値となった第2四半期と同水準となりますし、難しいかもしれませんが、9月に0.4%を超える前月比上昇となれば、第3四半期も前期比プラスとなります。この辺りは、9月の第3次産業の勢い次第となります。

上昇寄与業種の動向
8月の業種別の動きみると、全11業種のうち、6業種が前月比上昇、5業種が前月比低下でした。
上昇業種の内で、上昇寄与が比較的大きかった業種は、生活娯楽関連サービス、「運輸業,郵便業」、そして卸売業でした。これらの業種は、前月である7月に低下寄与の大きかった業種です。低下業種については、「金融業,保険業」、そして電気・ガス・熱供給・水道業の低下寄与が大きくなっていました。これらの業種は、7月に上昇寄与の大きかった業種です。ちなみに、7月は上昇寄与の大きい業種に上がっていた「医療,福祉」は、8月も、寄与は小さいですが上昇業種となっていました。
業種の動向をみると、8月の上昇には、7月の低下からの反動増という面もあるようで、同時に7月に比較的調子の良かった業種が反動的に低下したという面もあり、その分、上昇幅が抑制されたようです。

8月の上昇寄与が特に大きかった業種は、生活娯楽関連サービスで、前月比4.1%上昇でした。サービス産業活動指数全体の前月比0.5%上昇に対し、生活娯楽関連サービスの上昇寄与は0.43%ポイントで、サービス産業活動指数全体の動きの相当部分を生活娯楽関連サービスの上昇が説明することになります。
この業種の中では、スポーツ関連の系列を含む「娯楽業」が前月比8.5%と4か月ぶりに上昇し、今年で2番目に高い指数値になっていますし、「飲食店,飲食サービス業」も前月比2.6%と2か月ぶりの上昇で、指数レベルも今年の最高値となっています。特に、スポーツ関連産業活動指数は、前月比15.2%、4か月ぶりの上昇と大きな上昇を見せており、生活娯楽関連サービス上昇のけん引役となっています。

対個人、対事業所サービスの動き
サービス産業活動指数は、大きく「広義対事業所サービス」と「広義対個人サービス」に分けることができます。
8月の対個人サービス活動指数は、指数値106.3、前月比0.9%と2か月ぶりの上昇でした。対事業所サービス活動指数は、指数値105.2、前月比マイナス0.2%と4か月連続の前月比低下となりました。勢いの弱くなっている対事業所サービスの動きに対し、水準を大きく上げている対個人サービスという関係になり、この対個人サービスの勢いによって、第3次産業全体の勢いが生み出されているということになります。

8月の対個人サービスの中では、非選択的個人向けサービスが前月比マイナス0.4%と2か月ぶりに低下となった一方で、し好的個人向けサービスが前月比2.2%と2か月ぶりに上昇となって、対個人サービスの上昇の動きを生み出しました。
スポーツなどの娯楽業、外食を中心に生活娯楽関連サービスが上昇したことに加え、微増の小売業の中で、自動車小売業や織物・衣服・身の回り品小売業、そしてデパートなどの各種商品小売業が前月比で上昇したことが、し好的個人向けサービスの伸張に結びつきました。

8月の基調判断は、「持ち直しの動き」で据え置き
8月のサービス産業活動指数は、3か月ぶりの前月比上昇となりました。その指数レベルは、5月以来の106台に回復し、歴代3位の高水準となりました。4か月連続で前月比低下と、調子のあまり良くない対事業所サービスの落ち込みを大きく上回る形で、対個人サービス、特に娯楽や外食といったし好的個人向けサービスが上昇しました。業種別の動きからは、7月の低下からの反動という面も読み取れますが生活娯楽関連サービスの大きな動きが、サービス産業全体の動きを生み出している結果となっていますので、反動増を超えて、個人、家計のサービス需要が旺盛だったということなのでしょう。

こういった動きを踏まえ、8月のサービス産業(第3次産業)活動指数の基調判断については、「持ち直しの動きがみられる」と据え置きたいと思います。

- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-201808.html
- 『就職にも使える! 第3次産業活動指数』(マンガ)
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html
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