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2018年10月の建設業活動指数は2か月連続の低下、公共工事が3か月連続低下と不調。指数水準は約2年ぶりとなる110台にまで下降し、低空飛行が継続、建設業活動は弱含み傾向が続く。 2018年12月20日

10月は前月比低下、指数値は110台と約2年前の水準域に戻る

2018年10月の建設業活動は、前月比マイナス1.2%と2か月連続の低下で、指数値は110.8となりました。この指数水準は2016年12月以来の水準域レベルであり、約2年前の水準に戻ってしまいました。

建設業活動指数は、昨年春を活動のピークとし、以降は低落傾向ながらも高い活動水準で推移していました。しかし、今年6月に指数値は急降下、以降も低落傾向が続いており、この10月に至っても低空飛行が続いています。

指数水準の直近ピークは今基準内(2008年1月~)最高位となる昨年5月なのですが、このときの指数値と比較すると、ここ1年半で10ポイント近く指数値が下降したことになります。特に今年6月以降の5か月間では実に指数値5.5ポイントの下落と、加速度を増して低下しています。

後方3か月移動平均値でトレンドをみると、ここ数か月の下降ペースが増している様相で、弱含み傾向が続いていることが確認できます。

公共工事と企業の設備投資関連工事が続落、順調だった民間非住宅建築の動きも止まる

10月の建設業活動は、民間発注工事が前月比横ばい、公共工事が前月比マイナス2.3%で3か月連続の低下でした。10月の建設業活動全体の低調な動きには、公共事業の動きの弱さが大きく影響しました。

ただ、民間発注工事も全体では前月比横ばいとはいえ、春先までは順調な動きで他の工事の不調をカバーしていた非住宅建築が、当月微減ながらも3か月連続の低下と、高止まりの様相が一層と強まってきました。

民間発注工事では、住宅建築は前月比0.5%と4か月ぶりの上昇でした。連続低下には歯止めがかかったものの、均してみれば昨年後半から続く弱含み傾向が続いています。

非住宅(工場や倉庫など)建築は前月比マイナス0.1%の微減にとどまりましたが、今基準内最高値を記録した今年7月以降は、3か月連続の低下です。しかも、前2か月はいずれもマイナス1.5%超の大きな低下幅であり、活動水準は高いながらも停滞感がより明確になってきました。昨年までの強い上昇傾向を考えると、ここ3か月間の動きは「不調」といえるでしょう。

民間・土木は前月比マイナス1.0%と2か月連続の低下となりました。低下とはなりましたが、順調だった今年の第1、第2四半期並みの水準を維持しています。均してみれば高い水準での横ばい、といったところでしょうか。

公共工事では、公共・建築(庁舎、学校、病院など)は前月比マイナス2.5%と、2か月連続の大きめの低下となり、今年第1四半期をピークに低下傾向にあります。公共・土木は前月比マイナス2.1%と、こちらも2か月連続の低下となりました。

指数値でみれば、建築と土木とも動きの弱かった足下の第3四半期値を更に下回る水準にまで下降していますので、第4四半期のスタート月としては、厳しい出足となりました。

10月の建設業活動は、依然として弱含み傾向が続く。

2018年10月の建設業活動は、前月比は連続低下で、指数値も約2年前の水準域にまで降下し、2016年第1四半期以来の低位での推移が続いています。不調だった今年第3四半期値から更に水準を下げています。

内訳事業でも、民間住宅建築の動きに強さは今なお戻らず、従来から動きには不安定さがある公共工事も、ここ3か月の動きは一貫して弱いものでした。

また、民間投資関連工事は、高い水準での推移ではありますが、このところの動きには弱さもみえてきました。特に、民間非住宅建築活動のここ3か月の動きは不調で、動きの停滞感がより明確なものになっており、他の事業の弱さをカバーするほどの力は無くなりつつあります。来月以降の動きが引き続き懸念されます。

総じてみれば、今月も内訳の各事業の傾向には変化はみられず、いずれも復調の兆しはみられませんでした。よって、今月10月時点の建設業活動全体の基調は、引き続き弱含み傾向にあるということになるでしょう。

 

 

 

全産業活動指数 結果概要
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/zenkatu/html/b2010_201810j.html
就活でもない、終活でもない「全活」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/pdf/zenkatsu_line.pdfPDFファイル

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