2月は国内向け、輸出向け出荷ともに前月比で上昇。特に輸出向け出荷が1月の大幅な低下からの反動増で大きく上昇したが、国内向け出荷の1月の低下からの回復は強くない。 2019年4月5日
国内向け、輸出向け出荷ともに上昇
2019年2月の鉱工業出荷は、季節調整済指数で101.6、前月比1.8%と、4か月ぶりの上昇となりました。内需(国内向け出荷)が前月比0.9%の上昇、外需(輸出向け出荷)は前月比7.2%の上昇でした。
国内向け出荷、輸出向け出荷ともに、前月の大きめの前月比低下からの反動増となりましたが、輸出向け出荷は1月の前月比低下(マイナス7.2%)から大きく回復したのに対し、国内向け出荷は1月の前月比低下(マイナス2.9%)からの戻りは強くありませんでした。
出荷全体の上昇に対する影響度では、輸出向け出荷の上昇寄与の方が大きくなりました。
業種別の動き
2月の国内向け出荷の業種別動向をみると、12業種中8業種が前月比上昇でした。特に上昇寄与が大きかったのは輸送機械工業でした。中でも乗用車の上昇が大きく寄与していました。輸送機械工業に次ぐ上昇寄与を見せたのは電気・情報通信機械工業でした。
2月の輸出向け出荷の業種別動向をみると、12業種中7業種が前月比上昇となりました。特に上昇寄与が大きかったのは輸送機械工業でした。中でも船舶・同機関の上昇が大きく寄与していました。輸送機械工業に次いで、生産用機械工業、鉄鋼・非鉄金属工業も上昇に寄与しました。
寄与度を見ると、2月は国内向け出荷、輸出向け出荷ともに、輸送機械工業の大幅な前月比上昇が両者の回復をけん引した形になっていました。輸送機械工業以外の業種について、3月以降出荷の勢いを回復していくのか、注目されるところです。
また、電子部品・デバイス工業は、輸出向け出荷・国内向け出荷ともに、4か月連続の前月比低下となっており、こちらも気になるところです。
需要先用途別の動き
2月の需要先別用途別分類(財別分類)の国内向け/輸出向け出荷の動きを比較してみます。
まず、製造業の中間投入となる鉱工業用生産財については、国内向け出荷が前月比マイナス1.0%と2か月連続の低下でした。輸出向け出荷は前月比0.5%と4か月ぶりの上昇でした。
設備投資向けとなる資本財(除.輸送機械)については、国内向け出荷は前月比マイナス0.6%と4か月連続の低下でした。輸出向け出荷は、前月比4.4%と4か月ぶりの上昇でした。設備投資向けの財の輸出向け出荷は、2月はひとまず下げ止まりをみせましたが、国内向け出荷の低下は2月も続いており、国内企業の設備投資に変化が生じている可能性も感じさせます。
消費向けの財では、耐久消費財の国内向け出荷が前月比8.1%と3か月ぶりで上昇し、輸出向け出荷は前月比2.7%と2か月ぶりの上昇となりました。
非耐久消費財については、国内向け出荷は前月比マイナス2.2%と2か月ぶりに低下する一方、輸出向け出荷は前月比5.7%と2か月ぶりの上昇となりました。
輸出仕向け先別の動向
2月の主要仕向け先別の輸出向け出荷の動きをみると、韓国向けは低下したものの、多くの地域向けで上昇しました。前月の輸出は幅広い地域向けで低下していましたが、2月は多くの地域向けで反動増がみられました。
米国向けや欧州向けについては1月の低下分の多くを回復しました。一方、アジア向けでは、中国向けはひとまず1月の低下分の多くを回復していたものの、韓国向けの低下に加え、ASEAN向けも2月の回復は大きなものではありませんでした。
今後とも、海外経済の動向とともに、輸出向け出荷がどう推移していくのか、注目されるところです。
- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result/slide/result-utiwake-sanko-201902.html
- 鉱工業出荷内訳表、総供給(いわゆるバランス表)をちょっとながめてみました
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160511iip_bl_gaiyou.html
問合せ先
経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室
電話: 03-3501-1511(代表)(内線2851)、03-3501-1644(直通)
FAX : 03-3501-7775
E-MAIL : bzl-qqcebc■meti.go.jp (■を@に置き換えてください)