2019年2月の建設業活動指数は2か月連続の前月比大幅上昇、指数値は8か月ぶりに112台の水準に復帰。内訳5事業がすべて上昇で、民間建築工事には復調への動きもみられる。建設業活動全体ではこれまでの弱含みの動きから変調をみせ、底固めへの動きがみられる。 2019年4月24日
- 2月は1年ぶりとなる前月比連続上昇、指数水準は112台に復帰
- 内訳5事業すべてが上昇、民間建築工事には復調の動き
- 2月の建設業活動は、建築工事などに明るい兆しがみられ、全体としても底固めへの動きがみられる
2月は1年ぶりとなる前月比連続上昇、指数水準は112台に復帰
2019年2月の建設業活動は、前月比1.5%と2か月連続の大幅な上昇、指数値は112.1と、8か月ぶりに112台の水準に復帰しました。
前月比の連続上昇は2017年11月から翌年1月にかけて3か月連続上昇して以来のことであり、昨年5月から昨年末にかけての8か月間は前月比微増1回、横ばい1回以外は前月比低下とほぼ一律な低落でしたので、この連続上昇する事象自体が良い兆候であるといえるでしょう。また、前回の連続上昇時は3か月で指数値0.6ポイント上昇、今回は2か月で指数値4.0ポイント上昇であり、月当たり換算すると前回0.2ポイント→今回2.0ポイントと、瞬間風速は前回時を大きく上回っています。動きの強さという面でも良い兆候がみられます。継続性、強さの両面で、今後への更なる期待感を持たせる動きといえるでしょう。
とはいえ、昨年末までの8か月に及ぶほぼ一律な低落期の指数値降下分はマイナス5.8ポイントと、よって、これに対する回復度は7割に達しておらず、本格的な復調という意味では、まだもう少し時間がかかるものと考えられます。

最近の傾向値(後方3か月移動平均値)の推移をみると、速いテンポでの低落が続いていましたが、先月1月の大幅上昇により上昇方向へ転じ、この2月時点でも上昇方向の動きが継続していることが確認できます。
建設業活動指数は、2017年春を活動のピークに低落傾向にありましたが、今年に入ってからの基調には変化がみられます。低落の底がみえてきたといったところでしょうか。この基調変化が更に継続し、今後、下げ止まりや持ち直しの動きに変わってくるのか、来月以降の動きに注目したいところです。
内訳5事業すべてが上昇、民間建築工事には復調の動き
2月の建設業活動は、民間発注工事が前月比1.0%の上昇、公共工事が前月比2.3%の上昇と、ともに2か月連続の上昇となりました。双方とも1月は相対的にみて大幅な前月比上昇で、翌月への反発低下も懸念されましたが、結果、この2月も引き続き大きめの前月比上昇となりました。寄与度でみれば、民間発注工事が4割、公共工事が6割ほどのインパクト割合となっています。
また、内訳5事業でみれば、すべての事業で前月比上昇となりました。特に、民間建築活動の住宅、非住宅の双方、及び公共工事関連が2か月連続の前月比上昇と順調な動きをみせました。

民間発注工事では、住宅建築は前月比0.5%と2か月連続の上昇でした。3か月移動平均によるすう勢でみると、ここ3か月のベクトルはペースは緩やかながらも上昇方向にあり、指数値も昨年春頃の水準に戻るなど、下げ止まりともみられる動きです。
非住宅(工場や倉庫など)建築は前月比1.5%と2か月連続の大幅上昇、昨年8月から12月にかけての5か月連続低下を踏まえれば、このところの様相は一気に変化してきました。
このように民間建築活動分野では、住宅、非住宅双方ともこれまでにない明るさがみえてきています。
民間・土木は前月比0.7%と3か月ぶりの上昇となりました。2017年4月の活動活発化以降、指数値100台の水準を維持していますが、均してみれば弱含みでの推移が続いているところです。
公共工事では、公共・建築(庁舎、学校、病院など)は前月比3.8%の上昇、公共・土木は前月比2.3%の上昇と、ともに2か月連続の大幅な上昇で、今年に入ってからの上昇度という観点では、双方とも7%以上も上昇しています。
ただ、双方とも、もともと月単位の動きでみれば上下動が激しく不安定さがあり、かつ、ここ数年間の傾向をみると年初頭の動きは悪くはない特徴があるようです。
よって、昨年末まで弱含みの動きにあった建築工事、土木工事は、今年に入ってからの強めの動きを持ってしても、まだこの弱含み推移を脱したとはいいきれません。
2月の建設業活動は、建築工事などに明るい兆しがみられ、全体としても底固めへの動きがみられる
2019年2月の建設業活動は、1年ぶりとなる2か月連続の前月比上昇、しかも1月の強い上昇の動きにもかかわらず、プラス方向の動きを継続しました。昨年末には2016年初頭頃の水準にまで降下した指数値は、8か月ぶりに112台の水準にまで復帰しました。
内訳事業では、5事業のうち民間土木工事の弱含み推移は続いていますが、民間建築工事関連の2事業には下げ止まりの兆しもより鮮明になりました。もともと単月単位での動きが不安定な公共工事は、今後の動きも不透明な側面はありますが、今年に入ってからは昨年末までの低落分を強い勢いでリカバリしつつあります。

2月の動きには、これまで一部の事業で僅かにしかみられなかった明るい兆しは、他方面の事業にもみられるようになりました。総じてみれば、これまで弱含み推移してきた建設業活動全体の動きは、復調とまではいえないまでも、底がみえてきた動きへの変化がみられます。
よって、2月時点の建設業活動全体の基調は、若干の期待を含め「底固めへの動きがみられる」に上方修正したいと考えます。
- 全産業活動指数 結果概要
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/zenkatu/html/b2010_201902j.html
- 就活でもない、終活でもない「全活」
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/pdf/zenkatsu_line.pdf
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