2019年3月は、国内向け、輸出向け出荷ともに前月比で低下。輸出向け出荷の方が低下幅は大きいが、低下寄与は国内向け出荷の方が大きかった。 2019年5月13日
2019年3月の鉱工業出荷は、季節調整済指数で101.6、前月比マイナス0.6%と、2か月ぶりの低下となりました。内需(国内向け出荷)が前月比マイナス0.4%の低下、外需(輸出向け出荷)は前月比マイナス0.7%の低下でした。
国内向け出荷、輸出向け出荷ともに前月比低下となりましたが、出荷全体の低下に対する寄与度では、国内向け出荷の方が大きくなりました。
出荷水準をみると、3月の国内向け出荷指数は100.6となりました。1月に100.7へと低下した国内向け出荷は2月に若干回復したものの、3月は1月の水準を下回ることとなりました。
一方、輸出向け出荷は、本年1月以降の動きをみると、国内向け出荷とやや異なる動きをしています。輸出向け出荷指数は1月に98.1まで大きく低下したものの、2月はその急落分を取り戻す大きな上昇をみせました。3月は105.7へと再び低下したものの、1月の急落前の昨年12月に近い水準をまだ維持しています。
業種別の動き
3月の国内向け出荷の業種別動向をみると、12業種中7業種が前月比低下でした。特に低下寄与が大きかったのは生産用機械工業で、それに次ぐ低下寄与を見せたのは輸送機械工業でした。
3月の輸出向け出荷の業種別動向をみると、12業種中6業種が前月比低下となりました。特に低下寄与が大きかったのは生産用機械工業でした。それに次いで、石油・石炭工業、輸送機械工業等も低下に寄与しました。
3月の生産用機械工業の低下には、国内・輸出とも、半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置の低下が大きく寄与していました。
需要先用途別の動き
3月の需要先別用途別分類(財別分類)の国内向け/輸出向け出荷の動きを比較してみます。
設備投資向けとなる資本財(除.輸送機械)については、国内向け出荷は前月比マイナス1.3%と2か月ぶりの低下でした。輸出向け出荷も、前月比マイナス1.4%と2か月ぶりの低下でした。
設備投資向けの財の国内向け出荷は、ここ最近低下傾向がみられ、国内企業の設備投資に変化が生じている可能性も感じさせます。
消費向けの財では、耐久消費財の国内向け出荷が前月比マイナス3.6%と2か月ぶりに低下し、輸出向け出荷は前月比マイナス3.3%と2か月連続の低下となりました。
非耐久消費財については、国内向け出荷は前月比マイナス1.0%と2か月連続で低下する一方、輸出向け出荷は前月比マイナス7.3%と2か月ぶりの低下となりました。
製造業の中間投入となる鉱工業用生産財については、国内向け出荷が前月比0.6%と3か月ぶりの上昇でした。輸出向け出荷は前月比0.5%と2か月連続の上昇でした。
生産財・最終需要財それぞれでいうと、国内向け出荷・輸出向け出荷ともに、生産財は上昇したものの、最終需要財は大きく低下しました。
輸出仕向け先別の動向
3月の主要仕向け先別の輸出向け出荷の動きをみると、その他地域向け、中国向けが低下した一方で、ASEAN向け、欧州向け、米国向けなどは、2か月連続の上昇となりました。
中国への輸出向け出荷の低下は、業種別にみても主要業種全体にわたっていたことがうかがえます。
- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result/slide/result-utiwake-sanko-201903.html
- 鉱工業出荷内訳表、総供給(いわゆるバランス表)をちょっとながめてみました
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160511iip_bl_gaiyou.html
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