4月のサービス産業活動は、前月比0.8%と3か月ぶりの上昇。活動水準は今基準内過去最高位となったものの、一部の業種では引き続き弱さがみられる。基調判断は「持ち直しの動きにあるが、一部に弱さがみられる」を据え置き。 2019年6月13日
- 4月の第3次産業活動指数は、前月比上昇
- 業種ごとの動向
- 対個人/対事業所サービスの動向
- 製造業/非製造業依存型事業所向けサービスの動向
- 非選択的/し好的個人向けサービスの動向
- 4月の基調判断は、「持ち直しの動きにあるが、一部に弱さがみられる」を据え置き
4月の第3次産業活動指数は、前月比上昇
本年4月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値107.3、前月比0.8%と3か月ぶりの上昇となりました。
本年2月、3月は2か月連続で低下しましたが、4月はその低下分を取り戻す上昇をみせました。水準としては、本年1月の水準107.2を上回り、2010年基準(2008年1月~)の過去最高値となりました。
業種ごとの動向
4月の業種別の動きをみると、全11業種のうち、8業種が前月比上昇、3業種が前月比低下でした。
上昇業種については、3月に前月比低下した5業種すべてが反発し上昇したのみならず、より幅広い業種で上昇という姿になりました。
上昇寄与が大きかった業種は、情報通信業、生活娯楽関連サービス、小売業、「金融業, 保険業」が挙げられます。情報通信業、生活娯楽関連サービスについては、3か月ぶりの上昇、小売業については、横ばいをはさみ4か月ぶりの上昇、「金融業, 保険業」については、2か月連続の前月比上昇でした。
一方、低下業種をみると、不動産業、「医療, 福祉」、事業者向け関連サービスが低下しました。
対個人/対事業所サービスの動向
サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス」と「広義対事業所サービス」に分けることができます。
4月の対個人サービス活動指数は、指数値108.1、前月比0.7%と2か月連続の上昇でした。対事業所サービス活動指数は、指数値107.1、前月比0.6%と2か月連続の上昇となりました。
製造業/非製造業依存型事業所向けサービスの動向
対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、製造業依存型と非製造業依存型に分けることができ、それぞれの指数も計算しています。
それぞれの指数の推移をみると、非製造業依存型事業所向けサービスは緩やかながら上昇傾向を続けてきた一方、製造業依存型事業所向けサービスは伸び悩んでいます。4月は、非製造業依存型事業所向けサービスは前月比0.3%と2か月連続の上昇となりましたが、製造業依存型事業所向けサービスは前月比マイナス0.4%と2か月ぶりの低下でした。
非選択的/し好的個人向けサービスの動向
対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる非選択的サービスと、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられるし好的サービスに分けられ、それぞれの指数も計算しています。
それぞれの動向についてみてみると、4月は非選択的個人向けサービスは前月比1.2%と横ばいをはさみ3か月ぶりの上昇、し好的個人向けサービスも前月比0.6%と3か月ぶりの上昇でした。
4月の基調判断は、「持ち直しの動きにあるが、一部に弱さがみられる」を据え置き
4月のサービス産業活動指数は前月比0.8%と、3か月ぶりの前月比上昇でした。2月、3月と2か月連続で低下していた分を取り戻し、指数水準としては107.3と、今基準内最高値となりました。四半期ベースでみても本年第1四半期の指数値106.7と比べると、本年第2四半期は高い水準でのスタートとなりました。
ただ、指数の動向を業種別にみると、小売業、卸売業、物品賃貸業といった、いわばモノの動きに関わる業種では、前月比では上昇したとはいえ、前年同月比では低下しているなどまだ弱さも感じられるところです。
こうした動きを踏まえ、4月のサービス産業(第3次産業)活動指数の基調判断については、「持ち直しの動きにあるが、一部に弱さがみられる」を据え置くこととしたいと考えます。
- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-201904.html
- 『就職にも使える! 第3次産業活動指数』(マンガ)
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html
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