本年6月は、国内向け、輸出向け出荷ともに前月比で低下。輸出向け出荷は4か月連続の低下だが、出荷全体への低下寄与は国内向け出荷の低下の方が大きかった。 2019年8月7日
本年6月の鉱工業出荷は、季節調整済指数で100.6、前月比マイナス3.3%と、3か月ぶりの低下となりました。内需(国内向け出荷)は前月比マイナス3.7%と3か月ぶりの低下、外需(輸出向け出荷)は前月比マイナス1.4%と4か月連続の低下でした。
6月は輸出向け出荷が4か月連続の前月比低下となったことに加え、国内向け出荷の低下寄与が大きく、鉱工業出荷全体は大幅に低下することになりました。
出荷水準をみると、6月の国内向け出荷指数については100.4となり、2019年3月以来の水準まで低下しました。
一方、輸出向け出荷は、本年1月以降の動きをみると、国内向け出荷とやや異なる動きをしています。輸出向け出荷指数は1月に98.1まで大きく低下したものの、2月はその急落分を上回る上昇をみせました。しかし3月以降、4か月連続で低下を続けています。
外需が3月以降、低下傾向で推移していることに加え、4月、5月と回復をみせていた内需が反落したことで、6月の鉱工業出荷は大幅な低下となりました。
本年4-6月期の鉱工業出荷は、前期比1.2%と、2四半期ぶりに前期比上昇となりました。このうち、国内向け出荷は前期比2.2%と2四半期ぶりの前期比上昇でしたが、輸出向け出荷は前期比マイナス0.5%と、2四半期連続の前期比低下となりました。このところの輸出の弱さが反映された様子です。
業種別の動き
6月の国内向け出荷の業種別動向をみると、12業種中9業種が前月比低下でした。特に低下寄与が大きかったのは輸送機械工業で、それに次ぐ低下寄与をみせたのは電気・情報通信機械工業でした。
6月の輸出向け出荷の業種別動向をみると、12業種中5業種が前月比低下となりました。特に低下寄与が大きかったのは輸送機械工業でした。それに次いで、電気・情報通信機械工業の低下寄与が大きくなっていました。
需要先用途別の動き
6月の需要先別用途別分類(財別分類)の国内向け/輸出向け出荷の動きを比較してみます。
まず、製造業の中間投入となる鉱工業用生産財については、国内向け出荷が前月比マイナス3.3%と2か月ぶりの低下でした。輸出向け出荷は前月比マイナス0.2%と2か月連続の低下でした。6月は、鉱工業生産が大幅に低下したこともあり、鉱工業用生産財の国内向け出荷も大幅に低下したようです。
設備投資向けとなる資本財(除.輸送機械)については、国内向け出荷は前月比マイナス8.6%と3か月ぶりの大きな低下となりました。一方、輸出向け出荷は、前月比3.3%と4か月ぶりの上昇となりました。輸出向け出荷については、資本財全体では低下したものの輸送機械の低下の影響が大きく、一方で生産用機械工業が上昇したため、輸送機械を除く資本財では前月比上昇となったようです。
消費向けの財では、耐久消費財の国内向け出荷は前月比マイナス10.2%と3か月ぶりで大幅な低下となった一方、輸出向け出荷も前月比マイナス6.8%と2か月ぶりの低下となりました。
非耐久消費財については、国内向け出荷は前月比0.1%と2か月ぶりに小幅な上昇となった一方、輸出向け出荷は前月比8.1%と2か月ぶりの大幅な上昇となりました。輸出向け出荷の大幅な上昇については、パルプ・紙・紙加工品工業や化学工業(除.医薬品)の上昇が寄与したようです。
輸出仕向け先別の動向
6月の主要仕向け先別の輸出向け出荷の動きをみると、ASEAN向け、欧州向けが前月比で上昇しましたが、米国向け、中国向け等が前月比で低下し、輸出向け出荷は4か月連続の低下となりました。
- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result/slide/result-utiwake-sanko-201906.html
- 鉱工業出荷内訳表、総供給(いわゆるバランス表)をちょっとながめてみました
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160511iip_bl_gaiyou.html
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