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本年7月は、国内向け、輸出向け出荷ともに前月比で上昇。主に国内向け出荷の上昇が出荷全体への上昇に寄与した。輸出向け出荷は5か月ぶりの上昇となったが、弱さは続いている。 2019年9月6日

本年7月の鉱工業出荷は、季節調整済指数で102.4、前月比2.6%と、2か月ぶりの上昇となりました。内需(国内向け出荷)は前月比2.8%と2か月ぶりの上昇、外需(輸出向け出荷)は前月比0.6%と5か月ぶりの上昇でした。

7月は国内向け出荷の上昇寄与が大きく、また輸出向け出荷も5か月ぶりに前月比で上昇したことで、鉱工業出荷全体は大幅に上昇することになりました。

出荷水準をみると、まず国内向け出荷指数については、7月の指数値は102.2となり、6月の大幅な低下(前月比マイナス4.7%)から反発し、第2四半期の指数値102.3に近い水準まで回復しました。国内向け出荷については、本年に入り、低下と上昇を繰り返してはいるものの、第1四半期(指数値100.4)と比べると出荷水準には回復も感じられます

一方、輸出向け出荷指数は、本年に入り、国内向け出荷とやや異なる動きをしています。輸出向け出荷指数は1月に98.1まで大きく低下し、2月は一旦その急落分を上回る上昇をみせたものの、3月以降、4か月連続で低下を続けました。7月は5か月ぶりに上昇に転じましたが、指数値102.2は、第2四半期の指数値102.9と比べても低い水準にあり、輸出向け出荷については、まだ弱さが続いているように感じられます。

業種別の動き

7月の国内向け出荷の業種別動向をみると、12業種中10業種が前月比上昇でした。特に上昇寄与が大きかったのは輸送機械工業で、それに次ぐ上昇寄与をみせたのは生産用機械工業でした。

7月の輸出向け出荷の業種別動向をみると、12業種中6業種が前月比上昇となりました。特に上昇寄与が大きかったのは輸送機械工業でした。それに次いで、電気・情報通信機械工業の上昇寄与が大きくなっていました。

需要先用途別の動き

7月の需要先別用途別分類(財別分類)の国内向け/輸出向け出荷の動きを比較してみます。

まず、製造業の中間投入となる鉱工業用生産財については、国内向け出荷が前月比2.3%と2か月ぶりの上昇でした。輸出向け出荷は前月比マイナス0.3%と3か月連続の低下でした。7月は、鉱工業生産が上昇したこともあり、鉱工業用生産財の国内向け出荷も上昇したようです。

設備投資向けとなる資本財(除.輸送機械)については、国内向け出荷は前月比3.2%と2か月ぶりの上昇となりました。一方、輸出向け出荷は、前月比マイナス4.9%と2か月ぶりの低下となりました。輸出向け出荷については、資本財全体では上昇したものの輸送機械の上昇の影響が大きく、一方で生産用機械工業が大幅に低下したため、輸送機械を除く資本財では前月比低下となったようです。

消費向けの財では、耐久消費財の国内向け出荷は前月比2.2%と2か月ぶりに上昇となった一方、輸出向け出荷は前月比マイナス0.6%と2か月連続の低下となりました。非耐久消費財については、国内向け出荷は前月比1.3%と2か月連続の上昇となった一方、輸出向け出荷は前月比マイナス4.0%と2か月ぶりの低下となりました。

輸出仕向け先別の動向

7月の主要仕向け先別の輸出向け出荷の動きをみると、米国向け、ASEAN向けは前月比で低下しましたが、欧州向け、韓国向け等が前月比で上昇し、輸出向け出荷は5か月ぶりの上昇となりました。

7月は輸出向け出荷が5か月ぶりの上昇となったとはいえ、その中心となっているアジア向け出荷は未だ昨年と比べ低い水準にとどまっており、今後も回復していくかについては、引き続き注意してみていく必要があると考えられます。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result/slide/result-utiwake-sanko-201907.html
鉱工業出荷内訳表、総供給(いわゆるバランス表)をちょっとながめてみました
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160511iip_bl_gaiyou.html

問合せ先

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電話: 03-3501-1511(代表)(内線2851)、03-3501-1644(直通)
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