8月のサービス産業活動は、前月比0.4%と2か月連続の上昇。小売業や電気業等の好調により、活動水準は今基準内で過去最高水準を更新。基調判断は「持ち直しの動きがみられる」に上方修正。 2019年10月15日
- 8月の第3次産業活動指数は、前月比上昇
- 業種ごとの動向
- 対個人/対事業所サービスの動向
- 製造業依存型事業所向けサービスは伸び悩み
- 非選択的/し好的個人向けサービスの動向
- 8月の基調判断は、「持ち直しの動きがみられる」と上方修正
8月の第3次産業活動指数は、前月比上昇
本年8月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値107.3、前月比0.4%と2か月連続の上昇となりました。
本年4月に前月比0.8%と、3か月ぶりの大幅な上昇をみせた後、7月までは小幅な低下と上昇が続き、横ばい気味の動きを示していましたが、8月は前月比0.4%と、ややはっきりした上昇となりました。水準としては、それまでの2010年基準(2008年1月~)での最高水準である本年1月の指数値107.2を上回り、過去最高水準を更新する形となりました。
業種ごとの動向
8月の業種別の動きをみると、全11業種のうち、6業種が前月比上昇、5業種が前月比低下となりました。
上昇寄与が大きかった業種は、小売業、電気・ガス・熱供給・水道業、「金融業, 保険業」が挙げられます。
小売業に関しては、今年に入り弱い動きが続いていましたが、8月は前月比4.0%と、4月以来の4か月ぶりの上昇となりました。この上昇幅は、今基準内では2番目に大きな上昇幅となり、水準としても、2014年3月以来の高い水準となりました。今夏の梅雨明けの遅れの影響などによる7月の低下からの回復に加え、8月は気温も高く、夏物商品や夏物衣料等も好調だったようです。
電気・ガス・熱供給・水道業は、前月比6.5%と、4か月ぶりの上昇となりました。特に電気業が、梅雨明けの遅れの影響などによる7月の大幅な低下からの反動が現れたことに加え、8月の気温高による冷房需要もあり、前月比8.6%と大幅に上昇したことが寄与しました。
「金融業, 保険業」は、3か月ぶりの上昇となりました。
一方、低下寄与が大きかった業種は、卸売業、事業者向け関連サービス、「医療, 福祉」でした。卸売業は、3か月ぶりの低下となりました。事業者向け関連サービスも、3か月ぶりの低下となりました。
対個人/対事業所サービスの動向
サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス」と「広義対事業所サービス」に分けることができます。
8月の対個人サービス活動指数は、指数値108.0、前月比0.8%と3か月ぶりの上昇でした。対事業所サービス活動指数は、指数値106.9、前月比0.3%と2か月連続の上昇でした。
それぞれの指数のこれまでの推移をみると、ともに概ね上昇基調で推移してきたものの、このところ広義対個人サービスに関しては横ばい気味に推移していますが、8月は再び大幅な上昇をみせました。
製造業依存型事業所向けサービスは伸び悩み
対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、製造業依存型と非製造業依存型に分けることができ、それぞれの指数も計算しています。
8月は、非製造業依存型事業所向けサービスは前月比マイナス0.4%と3か月ぶりの低下となりましたが、製造業依存型事業所向けサービスは前月比マイナス0.1%と3か月連続の低下でした。
それぞれの指数のこれまでの推移をみると、非製造業依存型事業所向けサービスは緩やかながら上昇傾向を続けてきた一方、製造業依存型事業所向けサービスは伸び悩んでいますが、8月はともに低下となりました。
非選択的/し好的個人向けサービスの動向
対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる非選択的サービスと、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられるし好的サービスに分けられ、それぞれの指数も計算しています。
それぞれの動向についてみてみると、8月は非選択的個人向けサービスは前月比0.1%と3か月ぶりの上昇、し好的個人向けサービスは前月比1.2%と2か月ぶりの上昇でした。し好的個人向けサービスはこのところ横ばい傾向で推移していましたが、8月は大幅に上昇しました。その要因としては、小売業や不動産業等が好調であったことが寄与したようです。
8月の基調判断は、「持ち直しの動きがみられる」と上方修正
8月のサービス産業活動指数は前月比0.4%と、2か月連続の前月比上昇でした。指数値は本年1月の107.2を上回る107.3まで上昇し、今基準内での最高水準を更新しました。サービス産業活動指数は本年4月に前月比0.8%と大きく上昇した後、横ばい程度の動きをしていましたが、再び勢いのある指数の上昇をみせました。後方3か月移動平均値をみても、上昇傾向がみられます。
こうした動きを踏まえ、8月のサービス産業(第3次産業)活動指数の基調判断については、「持ち直しの動きがみられる」としたいと考えます。
- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-201908.html
- 『就職にも使える! 第3次産業活動指数』(マンガ)
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html
問合せ先
経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室
電話: 03-3501-1511(代表)(内線2854)、03-3501-1644(直通)
FAX : 03-3501-7775
E-MAIL : bzl-qqcebc■meti.go.jp (■を@に置き換えてください)