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9月のサービス産業活動は、前月比1.8%と3か月連続の上昇。特に小売業や卸売業の好調により、活動水準は今基準内で過去最高水準を大幅に更新。単月の上昇幅としては大きかったが、基調判断は「持ち直しの動きがみられる」を据え置き。 2019年11月14日

9月の第3次産業活動指数は、前月比上昇

本年9月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値109.1、前月比1.8%と3か月連続の上昇となりました。

本年4月に前月比0.8%と、3か月ぶりの大幅な上昇をみせた後、7月までは小幅な低下と上昇が続いていましたが、8月に前月比0.3%上昇し、2010年基準(2008年1月~)での最高水準である本年1月の指数値107.2と並んだ後、9月はさらに上昇し、過去最高水準を大幅に更新する形となりました。

業種ごとの動向

9月の業種別の動きをみると、全11業種のうち、9業種が前月比上昇、2業種が前月比低下となり、多くの業種で上昇する結果となりました。

上昇寄与が大きかった業種は、小売業、卸売業、「金融業, 保険業」が挙げられます。

小売業に関しては、今年に入り弱い動きが続いていましたが、8月の前月比3.8%上昇に続き、9月は前月比8.4%と、2か月連続での大幅な上昇となりました。内訳業種の動きをみると7業種すべてが上昇と幅広く好調でしたが、特に、その他の小売業、機械器具小売業、自動車小売業、各種商品小売業で大きな前月比上昇がみられました。

卸売業は、前月比3.3%と、2か月ぶりの上昇となりました。8月は前月比マイナス1.6%と大きめの低下であり、そこからの反動が現れたことも、大幅な前月比上昇に寄与したと考えられます。9月は産業使用者向け取引、小売業向け取引ともに好調さがみられました。

「金融業, 保険業」は、2か月連続の上昇となりました。消費者向け取引の活発さやキャッシュレス決済の広がりも背景に、クレジットカード業が前月比9.0%と大きく上昇したことなどが上昇に寄与しました。

一方、低下に寄与した業種は、不動産業、「運輸業, 郵便業」でした。不動産業は2か月ぶりの低下、「運輸業, 郵便業」は2か月連続の低下となりました。

対個人/対事業所サービスの動向

サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス」と「広義対事業所サービス」に分けることができます。

9月の対個人サービス活動指数は、指数値109.6、前月比1.6%と2か月連続の上昇でした。対事業所サービス活動指数は、指数値108.5、前月比1.5%と3か月連続の上昇でした。

9月は広義対個人サービス、広義対事業所サービスともに好調となり、大幅な前月比上昇をみせました。

製造業/非製造業依存型事業所向けサービスの動向

対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、製造業依存型と非製造業依存型に分けることができ、それぞれの指数も計算しています。

9月は、非製造業依存型事業所向けサービスは前月比2.1%と2か月ぶりの上昇、製造業依存型事業所向けサービスは前月比2.2%と4か月ぶりの上昇でした。

それぞれの指数のこれまでの推移をみると、非製造業依存型事業所向けサービスは緩やかな上昇傾向を続けてきた一方、製造業依存型事業所向けサービスは伸び悩んでいましたが、9月はともに大幅な上昇となりました。

非選択的/し好的個人向けサービスの動向

対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる非選択的サービスと、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられるし好的サービスに分けられ、それぞれの指数も計算しています。

それぞれの動向についてみてみると、9月は非選択的個人向けサービスは前月比0.1%と2か月連続の上昇、し好的個人向けサービスは前月比4.0%と2か月連続の上昇でした。し好的個人向けサービスは7月までは横ばい傾向で推移していましたが、8月の前月比1.0%上昇に続き、9月はかなり好調な動きとなりました。その要因としては、9月は小売業全般やホテル等が好調であったことも寄与したようです。

9月の基調判断は、「持ち直しの動きがみられる」を据え置き

9月のサービス産業活動指数は前月比1.8%と、3か月連続の前月比上昇でした。指数値は本年1月及び8月の107.2を上回る109.1まで上昇し、今基準内での最高水準を更新しました。サービス産業活動指数は本年4月に前月比0.8%と大きく上昇した後、横ばい傾向の動きをしていましたが、8月の上昇に続き、9月はかなり勢いのある指数の上昇をみせました。後方3か月移動平均値をみても、上昇傾向がみられます。

9月は、小売業や卸売業といったモノの取引に関連する業種で特に活動が活発であったとともに、「金融業, 保険業」など他の業種も幅広く上昇し、単月の上昇幅としてはかなり大きなものとなりました。

もっとも、この動きが今後どのように推移するかはよく見定めていく必要があることから、9月のサービス産業(第3次産業)活動指数の基調判断については、「持ち直しの動きがみられる」を据え置くこととし、先行きを注視していきたいと考えます。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-201909.html
『就職にも使える! 第3次産業活動指数』(マンガ)
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html

問合せ先

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