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本年4月の鉱工業生産は、前月比マイナス9.1%と、前月より更に大幅な低下。3か月連続の低下となった。感染症の影響は拡大し、指数値も今基準内の最低水準を大幅に更新。4月の基調判断は「生産は急速に低下している」と下方修正。 2020年5月29日

4月生産は前月比マイナス9.1%と、3か月連続の低下

本年4月の鉱工業生産は、季節調整済指数87.1、前月比マイナス9.1%と、3か月連続の前月比低下となりました。4月当初の企業の生産計画では前月比1.4%上昇、これに含まれる例年のバイアスを補正した試算値では、最頻値で前月比マイナス1.3%(90%レンジでマイナス2.3%~マイナス0.4%)の低下となっていましたが、試算値を大幅に下回る、2015年を100とする今基準内でも最大の低下幅となりました。

生産は、2月から新型コロナウイルス感染症の影響が現れ、2月は前月比マイナス0.3%の低下、3月は前月比マイナス3.7%の低下でしたが、4月は、低下幅は更に大きくなり、生産水準も急速に低下しています。4月の季節調整済指数87.1は、これに次ぐ2013年1月の指数値94.8と比較しても、群を抜いて低い今基準内で最低の水準まで低下しました。

4月は14業種が前月比低下

4月の鉱工業生産を業種別にみると、全体15業種のうち、14業種が前月比低下、1業種が前月比上昇という結果でした。

4月は、自動車工業、鉄鋼・非鉄金属工業、輸送機械工業(除.自動車工業)を始め、幅広い業種で大幅な低下がみられました。

低下寄与の最も大きかった自動車工業は、前月比マイナス33.3%の低下で、3か月連続での低下となりました。低下幅も今基準内で群を抜いて最大となっています。普通乗用車、駆動伝導・操縦装置部品等が低下要因となっています。新型コロナウイルス感染症の影響で、部品供給の遅れや需要の低迷、工場稼働停止等もあり、生産調整が行われたことが低下の要因としてあるようです。

低下寄与2位の鉄鋼・非鉄金属工業は、前月比マイナス14.3%の低下で、2か月連続の大幅な低下でした。低下幅も今基準内で最大となっています。ダイカスト、普通鋼鋼帯等が低下要因となっています。新型コロナウイルス感染症の影響で、自動車メーカーも生産調整を行ったことや、その他でも需要の減少があったことが低下の要因としてあるようです。

低下寄与3位の輸送機械工業(除.自動車工業)は、前月比マイナス25.0%の低下で、3か月連続の低下でした。低下幅も今基準内で最大となっています。航空機用発動機部品や航空機用機体部品等が低下要因となっています。新型コロナウイルス感染症の影響で客先の工場が稼働停止したことが低下の要因にあるようです。

出荷は前月比マイナス8.8%の低下

4月の鉱工業出荷は、季節調整済指数85.0、前月比マイナス8.8%と、2か月連続の大幅な低下となりました。4月の出荷は、生産と同様、大きく低下しました。

業種別にみると、全体15業種のうち、13業種が前月比低下、2業種が前月比上昇と、ほとんどの業種で出荷が低下しました。

低下寄与業種としては、寄与度の大きい順に、自動車工業、鉄鋼・非鉄金属工業、汎用・業務用機械工業等となっていました。

財の需要先の用途別分類である財別出荷指数をみると、生産財の出荷は前月比マイナス11.0%の低下、最終需要財の出荷は前月比マイナス6.5%の低下でした。

最終需要財の出荷について内訳ごとにみると、まず消費財については、出荷は前月比マイナス10.7%、2か月連続の低下となりました。特に耐久消費財の出荷が、乗用車の大幅低下の影響が大きく、前月比マイナス31.7%と、3か月連続の低下となりました。非耐久消費財の出荷は前月比マイナス0.6%と、2か月連続の低下となりました。

一方、設備投資に使われる財である資本財(除.輸送機械)の出荷は、半導体製造装置等の上昇により、前月比1.9%と上昇し、2か月ぶりの上昇となりました。

また、建設財は、前月比マイナス1.3%の低下となり、2か月連続の低下となりました。

在庫は再び低下

4月の鉱工業在庫は、季節調整済指数106.1、前月比マイナス0.3%と、2か月ぶりの低下となりました。業種別にみると、15業種中、5業種が低下、10業種が上昇でした。低下寄与が大きかった業種としては、鉄鋼・非鉄金属工業、生産用機械工業、金属製品工業等が挙げられます。

在庫については、本年3月に今基準内の最高水準を更新しましたが、4月は低下しました。感染症の影響で国内外の需要は低迷していますが、生産調整が行われていることで、在庫は積み上がらなかったものと考えられます。

4月の基調判断は、「生産は急速に低下している」と下方修正

本年4月の鉱工業生産は、3か月連続の前月比低下となりました。新型コロナウイルス感染症の影響は2月から現れ、生産の低下がみられましたが、3月、4月とその影響が更に拡大し、4月は国内外での需要の減少や、部品供給の遅れ、感染拡大防止のための工場の稼働の低下等が生じたことにより、幅広い業種で生産が低下し、低下幅は特に大幅なものとなりました。指数値は今基準内での最低値を大幅に更新し、非常に低い水準へと低下しています。

一方、先行きに関しては、企業の生産計画では5月は低下、6月は上昇となっています。これは5月上旬に実施した調査結果の集計であるため、感染症をめぐる緊急事態宣言の解除等、5月上旬以降の新型コロナウイルス感染症をめぐる情勢変化は十分には織り込まれていると考えにくく、不確実性も多分にありますが、企業の生産計画に元々含まれている上方バイアスも考えると、5月も低下の可能性は高いと考えられます。

このように生産は、新型コロナウイルス感染症の影響が更に拡大し、4月の指数値も特に大きく低下しました。今後も不確実性は多分にありますが、5月までは低下が続くものと考えられます。こうした状況を踏まえ、鉱工業生産の4月の基調判断は、「生産は急速に低下している」と下方修正し、先行きも十分注意してみていきたいと考えます。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-202004s.html
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html

問合せ先

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