経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

製造工業の生産計画では、9月、10月と前月比上昇の計画。生産は当面、持ち直しが続くことが期待される。ただ、これまで生産の上昇をけん引していた輸送機械工業の上昇の勢いは緩やかなものとなり、生産全体の上昇も緩やかとなる見込み。 2020年9月30日

9月、10月の生産は上昇の計画

本年9月上旬に実施した、9月、10月の企業の生産計画を調査した、生産予測調査の結果です。

9月の生産計画については、調査結果そのままを集計すると、前月比5.7%の上昇を見込むという結果になっています。ただ、この企業の生産計画には上方バイアスが含まれています。この9月計画値に含まれるバイアスを過去の傾向に基づき補正して、9月の鉱工業生産の実績を推計試算してみると、最頻値では前月比2.8%程度の上昇、90%の確率で収まる範囲は1.3%~4.3%の間、という計算結果となっています。

一方、10月の生産計画は、補正前の9月計画値から前月比2.9%上昇する計画となっています。

このように企業の生産計画からは、10月までみれば不確実性もあるものの、鉱工業生産は、9月、10月と上昇が続くことが考えられます。ただ、このところの感染症の感染再拡大の影響等については注意してみていく必要があります。

9月計画では、11業種すべてで上昇の計画

9月の生産計画では、全体11業種のうち、すべての業種が前月比で上昇となっています。上昇寄与度の高い順に、輸送機械工業、生産用機械工業、電気・情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業等となっています。

10月計画では、7業種が上昇の計画

10月の生産計画では、全体11業種のうち7業種が前月比で上昇、4業種が低下となっています。電気・情報通信機械工業、生産用機械工業、輸送機械工業等が上昇寄与業種となっています。

他方、低下寄与業種は化学工業、金属製品工業、電子部品・デバイス工業等となっています。

なお、10月については、これまで生産の上昇をけん引し続けた輸送機械工業の上昇幅が縮小しており、生産全体の上昇幅も縮小することが見込まれます。

一方で、鉱工業指数では生産が7月、8月と2か月連続で低下し、生産の回復が遅れていた生産用機械工業が、9月、10月と上昇が続く計画となっており、この上昇がどれほど実現するかが注目されます。

9月、10月の計画を通してみると

9月、10月の2か月の生産計画による業種ごとの生産予測の伸び率を通してみると、以下の図のようになります。

9月、10月と多くの業種で上昇する計画となっています。

なお、仮に企業の生産計画通りの前月比で生産が行われると、9月の鉱工業生産の指数値は93.8、10月の指数値は96.5となります。

一方、9月計画に含まれるバイアスを過去の傾向に基づき補正すると、最頻値で前月比2.8%上昇となり、その場合の指数値は91.2となります。

仮に企業の生産計画通りに生産されれば、10月の指数値96.5は、3月の指数値95.8を上回る水準ですが、実際には、生産計画に含まれる上方バイアスを考慮すると、10月までみても、本年3月の生産水準に到達するかどうかというところです。生産は当面、持ち直しが続くことが期待されますが、感染症の拡大以前の生産水準(本年1月で99.8)への回復にはまだ時間を要しそうです。

5月まで大幅低下が続いていた鉱工業生産は、6月以降、上昇に転じており、企業の生産計画からは、9月、10月も上昇が続くことが期待されます。ただ、生産は、今後も当面低い水準が続くものと考えられます。また、感染症の影響についても引き続き注意してみていく必要があります。

なお、企業の生産マインドを指標化した「アニマルスピリッツ指標」については、10月14日(水)に9月調査分に更新する予定です。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-202008s.html
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html

問合せ先

経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室
電話: 03-3501-1511(代表)(内線2851)、03-3501-1644(直通)
FAX : 03-3501-7775
E-MAIL : bzl-qqcebc■meti.go.jp (■を@に置き換えてください)

経済解析室ニュース一覧へ戻る

経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.