経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

8月の鉱工業出荷は、国内向け、輸出向けともに上昇。未だ出荷水準は低いものの、国内外での経済活動再開の動きに伴い、国内向け、輸出向けともに3か月連続の上昇となった。 2020年10月7日

国内向け出荷、輸出向け出荷ともに、3か月連続の前月比上昇

本年8月の鉱工業出荷は、季節調整済指数で87.6、前月比2.1%と3か月連続の上昇で、今基準内で最大の上昇幅だった7月の前月比6.6%から更に上昇となりました。内需(国内向け出荷)は前月比1.0%、外需(輸出向け出荷)は前月比7.1%と、それぞれ内需・外需ともに3か月連続の上昇になりました。

出荷水準をみると、まず国内向け出荷指数については、8月の指数値は88.3となりました。国内向け出荷は、本年5月まで3か月連続で大幅に低下した後、6月から3か月連続で上昇し、戻りがみられますが、依然低い水準となっています。

輸出向け出荷指数は、8月の指数値は84.9となりました。輸出向け出荷は、2018年後半以降、低下傾向が続いており、特に本年3月から5月まで、3か月連続で大幅に低下しました。その後、6月から3か月連続で上昇が続き、やはり戻りがみられるものの、国内向け出荷よりさらに低い水準にとどまっています。

業種別の動き

8月の国内向け出荷の業種別動向をみると、12業種中、4業種が前月比上昇となりました。特に上昇寄与が大きかったのは輸送機械工業でした。なかでも乗用車、航空機部品等が上昇していました。

それに次ぐ上昇寄与をみせたのは鉄鋼・非鉄金属工業でした。なかでも熱間圧延鋼材、冷間仕上鋼材等が上昇していました。

8月の輸出向け出荷の業種別動向をみると、12業種中、8業種で前月比上昇となりました。特に上昇寄与が大きかったのは輸送機械工業でした。なかでも船舶・同機関、車体・自動車部品等が上昇していました。

次いで上昇寄与が大きかったのは、化学工業(除.医薬品)でした。なかでも石油化学系基礎製品、その他の有機化学工業製品等が上昇していました。

需要先用途別の動き

8月の需要先別用途別分類(財別分類)の国内向け/輸出向け出荷の動きを比較してみます。

まず、製造業の中間投入となる鉱工業用生産財については、国内向け出荷は前月比3.6%と3か月連続の上昇でした。輸出向け出荷は前月比5.8%と2か月連続の上昇でした。

設備投資向けとなる資本財(除.輸送機械)については、国内向け出荷は前月比マイナス11.3%と2か月連続の低下でした。輸出向け出荷は、前月比マイナス3.1%と3か月ぶりの低下となりました。

建設財については、国内向け出荷は前月比マイナス0.7%と3か月ぶりの低下でした。輸出向け出荷は前月比3.2%と2か月連続の上昇でした。

消費向けの財では、まず耐久消費財の国内向け出荷は前月比3.8%、3か月連続の上昇となりました。輸出向け出荷も、前月比11.2%の大幅上昇で、3か月連続の上昇となりました。ともに乗用車が上昇に大きく寄与しています。

非耐久消費財については、国内向け出荷は前月比マイナス1.3%と3か月ぶりの低下、輸出向け出荷は前月比マイナス0.7%と3か月連続の低下となりました。

国内向け出荷では、資本財等は低下したものの、生産財、耐久消費財が上昇となりました。経済活動再開により、消費や生産に戻りが現れているものの、設備投資の弱さを感じさせます。一方、輸出向け出荷では、特に鉱工業用生産財が上昇となっており、諸外国の経済活動再開の動きにより、生産に戻りが現れた影響が感じられます。

輸出仕向け先別の動向

8月の主要仕向け先別の輸出向け出荷の動きをみると、米国向け、中国向けなどは低下したものの、その他地域向け、欧州向けなどが上昇となっています。諸外国でも経済活動の再開の動きが進んだことで、8月は幅広い地域向けの出荷が上昇したとも考えられます。

8月は特に、7月に出荷水準を大きく回復させた米国向けや、7月まで4か月連続で上昇し、コロナショック以前の水準まで回復していた中国向けなどが微減となったものの、5月を底に6月から上昇へ転じた欧州向けやASEAN向けなど、その他地域の回復がみられました。まだ輸出全体の水準が低調なことから、さらなる回復が期待されます。

8月の出荷は、国内外での経済活動の再開の動きもあり、6月、7月に続き国内向け・輸出向けともに上昇しました。製造工業生産予測調査の結果では、企業の生産計画では9月、10月とも上昇が続くものの、上昇の速度は緩やかになると見込まれ、出荷も、勢いのある上昇が続くことにはならないと考えられます。

また、ここ最近、国内外で新型コロナウイルス感染症の感染再拡大の動きがみられる一方、特に輸出向け出荷の水準については未だ大きく低下している中、出荷は今後、国内向け・輸出向けそれぞれどのように回復していくかが注目されます。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result/slide/result-utiwake-sanko-202008.html
鉱工業出荷内訳表、総供給(いわゆるバランス表)をちょっとながめてみました
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160511iip_bl_gaiyou.html

問合せ先

経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室
電話: 03-3501-1511(代表)(内線2851)、03-3501-1644(直通)
FAX : 03-3501-7775
E-MAIL : bzl-qqcebc■meti.go.jp (■を@に置き換えてください)

経済解析室ニュース一覧へ戻る

経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.