経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

9月の鉱工業出荷は、国内向け、輸出向けともに上昇。国内外での経済活動回復の動きに伴い、国内向け、輸出向けともに4か月連続で上昇し、3月以来の水準まで回復した。 2020年11月9日

国内向け出荷、輸出向け出荷ともに、4か月連続の前月比上昇

本年9月の鉱工業出荷は、季節調整済指数で90.4、前月比3.8%と4か月連続の上昇で、5月に今基準内の最低水準だった指数値76.8を底に、90台まで回復しました。内需(国内向け出荷)は前月比4.3%、外需(輸出向け出荷)は前月比3.3%と、それぞれ内需・外需ともに4か月連続の上昇になりました。

出荷水準をみると、まず国内向け出荷指数については、9月の指数値は91.5となり、6か月ぶりに90台まで回復しました。

輸出向け出荷指数は、9月の指数値は87.7となりました。輸出向け出荷は、本年3月から5月まで、3か月連続で大幅に低下し、その後、6月から4か月連続で上昇が続き、戻りがみられますが、依然低い水準となっています。

業種別の動き

9月の国内向け出荷の業種別動向をみると、12業種中、8業種が前月比上昇となりました。特に上昇寄与が大きかったのは輸送機械工業でした。なかでも乗用車、船舶・同機関等が上昇していました。

それに次ぐ上昇寄与をみせたのは生産用機械工業でした。なかでもその他の生産用機械、金属加工機械等が上昇していました。

9月の輸出向け出荷の業種別動向をみると、12業種中、9業種が前月比上昇となりました。特に上昇寄与が大きかったのは輸送機械工業でした。なかでも乗用車、車体・自動車部品等が上昇していました。

次いで上昇寄与が大きかったのは、生産用機械工業でした。なかでも半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置、建設・鉱山機械等が上昇していました。

需要先用途別の動き

9月の需要先別用途別分類(財別分類)の国内向け/輸出向け出荷の動きを比較してみます。

まず、製造業の中間投入となる鉱工業用生産財については、国内向け出荷は前月比4.4%と4か月連続の上昇でした。輸出向け出荷は前月比2.6%と3か月連続の上昇でした。

設備投資向けとなる資本財(除.輸送機械)については、国内向け出荷は前月比3.6%と3か月ぶりの上昇でした。輸出向け出荷は、前月比2.0%と2か月ぶりの上昇となりました。

建設財については、国内向け出荷は前月比マイナス1.0%と2か月連続の低下でした。輸出向け出荷は前月比マイナス6.7%と3か月ぶりの低下でした。

消費向けの財では、まず耐久消費財の国内向け出荷は前月比6.9%、4か月連続の上昇となりました。輸出向け出荷は前月比17.7%の大幅上昇で、4か月連続の上昇となりました。5月に28.8まで落とした指数値が、9月は81.7と2月の86.7以来の水準まで回復しました。ともに乗用車が上昇に大きく寄与しています。

非耐久消費財については、国内向け出荷は前月比3.1%と2か月ぶりの上昇、輸出向け出荷は前月比14.4%と4か月ぶりの大幅上昇となりました。

国内向け出荷では、建設財は低下したものの、生産財、資本財、耐久消費財等が上昇となりました。一方、輸出向け出荷では、資本財、建設財は低下したものの、耐久消費財、生産財等が上昇となっており、国内外の需要回復の動きにより、生産に戻りが現れた影響が感じられます。

輸出仕向け先別の動向

9月の主要仕向け先別の輸出向け出荷の動きをみると、その他地域向けは低下したものの、米国向け、欧州向けなど主要な仕向け先は概ね上昇となっています。諸外国で経済活動の回復が進んできていることで、出荷が上昇したとも考えられます。

9月は特に、6月から上昇へ転じ、8月に大幅上昇していた欧州向けがさらに上昇し、感染症の拡大以前の水準まで回復してきました。8月は微減となっていた米国向けや中国向け、回復が遅れていたASEAN向けも9月は上昇となり、さらなる回復が期待されます。

ただし、近頃、欧州や米国でも感染症の感染者数が増加しており、これら地域向けの出荷への今後の影響にも注意が必要です。

輸入品、総供給の動向

一方、輸入の動向をみると、9月は、季節調整済指数で90.3、前月比2.0%と2か月連続の上昇となりました。

業種別の動向をみると、13業種中、9業種が前月比上昇、4業種が低下となり、特に鉱業が上昇に大きく寄与していました。

国産は前月比4.2%と4か月連続の上昇となり、鉱工業総供給は、前月比3.4%と4か月連続の上昇となりました。

9月の出荷は、国内外で経済活動の回復が進んできていることもあり、6、7、8月に続き国内向け・輸出向けともに上昇しました。他方、製造工業生産予測調査の結果では、企業の生産計画では10月、11月とも上昇が続くものの、上昇の速度は緩やかになると見込まれることから、出荷も、勢いのある上昇が続くことにはならないと考えられます。

また、国内外で新型コロナウイルス感染症の感染再拡大は続いている一方、特に輸出向け出荷の水準については未だ回復途上にあり、出荷は今後、国内向け・輸出向けそれぞれどのように推移していくかが注目されます。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result/slide/result-utiwake-sanko-202009.html
鉱工業出荷内訳表、総供給(いわゆるバランス表)をちょっとながめてみました
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160511iip_bl_gaiyou.html

問合せ先

経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室
電話: 03-3501-1511(代表)(内線2851)、03-3501-1644(直通)
FAX : 03-3501-7775
E-MAIL : bzl-qqcebc■meti.go.jp (■を@に置き換えてください)

経済解析室ニュース一覧へ戻る

経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.