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本年10月の鉱工業生産は、前月比3.8%の上昇。国内外の経済活動の回復が進んできていることに伴い、5か月連続での上昇となった。10月の基調判断は、「生産は持ち直している」を据え置き。 2020年11月30日

10月生産は前月比3.8%と、5か月連続の上昇

本年10月の鉱工業生産は、季節調整済指数95.0、前月比3.8%と、5か月連続の前月比上昇となりました。10月当初の企業の生産計画に含まれる上方バイアスを補正した試算値では、前月比1.4%の上昇(90%レンジではマイナス0.2%~3.0%の間)となっていましたが、実際の10月の生産は試算値の90%レンジも上回り、上昇幅は今基準内で3番目に大きい、勢いのある上昇となりました。

生産は、新型コロナウイルス感染症の影響により、2月から5月まで低下を続け、指数水準も大幅に低下していましたが、6月以降は一転、上昇が続いています。ただ、生産水準は未だ低く、今後の更なる回復が期待されるところです。

10月は12業種が前月比上昇、3業種が前月比低下

10月の鉱工業生産を業種別にみると、全体15業種のうち、12業種が前月比上昇、3業種が前月比低下という結果でした。

10月は、汎用・業務用機械工業、自動車工業、電気・情報通信機械工業等が上昇に寄与していました。

上昇寄与の最も大きかった汎用・業務用機械工業は、前月比17.9%の上昇で、2か月ぶりでの大幅な上昇となりました。コンベヤ、一般用蒸気タービン、運搬用クレーン等が上昇要因となっています。10月は概して国内外向けとも需要の増加が上昇の要因としてあるようです。

上昇寄与2位の自動車工業は、前月比6.8%の上昇で、5か月連続の大幅な上昇でした。普通乗用車や普通トラック等が上昇要因となっています。自動車工業の指数値は10月は104.7となり、感染症拡大前の指数値(1月:104.3)を上回る水準まで生産が回復しました。前者については、輸出向けの生産増がみられ、挽回生産のための増産も行われたようです。後者についても、工場の生産ラインの稼働率を戻しての増産があったようです。

上昇寄与3位の電気・情報通信機械工業は、前月比8.4%の上昇で、2か月連続の大幅な上昇でした。ノート型パソコンや超音波応用装置等が上昇要因となっています。ノート型パソコンについては、需要増に伴い増産が行われたようです。電気・情報通信機械工業についても、10月の指数値は95.3と、感染症拡大前の指数値(1月:94.6)を上回る水準まで回復しました。ただ生産水準自体は未だ低い状況にあります。

出荷は前月比4.6%と、5か月連続での上昇

10月の鉱工業出荷は、季節調整済指数94.7、前月比4.6%と、5か月連続の上昇となりました。国内外での経済活動の回復が進んできていることに伴い、国内外で需要の回復がみられ、出荷の上昇につながったものと考えられます。

業種別にみると、全体15業種のうち、14業種が上昇、1業種が低下となりました。

上昇寄与業種としては、寄与度の大きい順に、自動車工業、汎用・業務用機械工業、電気・情報通信機械工業等となりました。

財の需要先の用途別分類である財別出荷指数をみると、生産財の出荷は前月比3.4%の上昇、最終需要財の出荷は前月比5.8%の上昇でした。

最終需要財の出荷について内訳ごとにみると、まず消費財については、出荷は前月比1.5%と、5か月連続の上昇となりました。特に耐久消費財の出荷が、普通乗用車の大幅上昇の影響が大きく、前月比10.7%と、5か月連続の上昇となりました。非耐久消費財の出荷は前月比マイナス3.2%と、2か月ぶりの低下となりました。

一方、設備投資に使われる財である資本財(除.輸送機械)の出荷は、前月比13.4%の大幅上昇となり、2か月連続で上昇しました。

また、建設財は、前月比6.5%と、2か月ぶりの上昇となりました。

各財の出荷の動きを通してみると、本年6月以降、出荷の回復をけん引していた耐久消費財や生産財に比べ、設備投資に使われる資本財(除.輸送機械)は8月まで低下傾向が続き、回復が遅れていましたが、9月、10月と連続上昇となり、回復の兆しを感じさせます。

在庫は7か月連続低下

10月の鉱工業在庫は、季節調整済指数95.9、前月比マイナス1.6%と、7か月連続の低下となりました。在庫は、今基準で最低水準となった2014年3月(95.3)以来の水準まで大幅に低下しています。

業種別にみると、15業種のうち、13業種が低下、2業種が上昇となりました。低下寄与が大きかった業種としては、無機・有機化学工業、鉄鋼・非鉄金属工業、化学工業(除.無機・有機化学工業・医薬品)等が挙げられます。

10月の生産の基調判断は、「持ち直している」を据え置き

本年10月の鉱工業生産は、5か月連続の前月比上昇となりました。生産は、新型コロナウイルス感染症の影響で、2月から5月まで低下が続いていましたが、6月以降は一転、上昇が続いています。

この背景には、6月以降、国内外での経済活動の回復が進んできていることに伴い、需要の回復等も進み、10月も生産が上昇したと考えられます。

また、先行きに関しては、企業の生産計画では11月は上昇、12月は低下となっています。11月の生産計画は、企業は10月に実現できなかった生産を挽回し、ほぼ取り戻す計画となっており、12月は低下も見込まれるにせよ、生産は、11月までは上昇が続くことが期待されるところです。

こうした状況を踏まえ、鉱工業生産の10月の基調判断については、「生産は持ち直している」を据え置きます。他方で、最近の感染症の感染再拡大が内外経済を下振れさせるリスクにも注意する必要があり、11月以降の生産の動向についても十分注意してみていきたいと考えます。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-202010s.html
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html

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