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本年11月の鉱工業生産は、前月比横ばい。前月まで生産上昇をけん引してきた自動車工業は6か月ぶりの低下となったものの、回復の遅れていた多くの業種で回復傾向が続いている。11月の基調判断は、「生産は持ち直している」を据え置き。 2020年12月28日

11月生産は前月比横ばい

本年11月の鉱工業生産は、季節調整済指数95.2、前月比は横ばいとなりました。11月当初の企業の生産計画に含まれる上方バイアスを補正した試算値では、前月比0.4%の上昇(90%レンジではマイナス1.3%~2.1%の間)となっていましたが、実際の11月の生産も試算値に近い水準となりました。

生産は、新型コロナウイルス感染症の影響により、2月から5月まで低下が続き、指数水準も大幅に低下していたところから、6月以降は一転、上昇が続いていましたが、11月は前月比横ばいとなり、5か月続いていた上昇も一服することとなりました。生産水準は、感染症拡大前の1月(指数値99.8)と比べても未だ低く、今後も回復を期待したいところです。

11月は9業種が前月比上昇、5業種が前月比低下。1業種が前月比横ばい

11月の鉱工業生産を業種別にみると、全体15業種のうち、9業種が前月比上昇、5業種が前月比低下、1業種が横ばいという結果でした。

11月は、自動車工業、無機・有機化学工業、プラスチック製品工業等は低下に寄与したものの、生産用機械工業、汎用・業務用機械工業、鉄鋼・非鉄金属工業等が上昇に寄与していました。

主な上昇寄与業種についてみてみると、まず、上昇寄与の最も大きかった生産用機械工業は、前月比6.5%の上昇で、3か月連続の上昇でした。半導体製造装置、個装・内装機械、金型等が上昇要因となっています。

上昇寄与2位の汎用・業務用機械工業は、前月比4.8%の上昇で、2か月連続の上昇でした。一般用蒸気タービンや水管ボイラ、汎用内燃機関等が上昇要因となっています。汎用・業務用機械工業については、11月の指数値は100.1と、感染症拡大前の指数値(1月:100.1)に並ぶ水準まで回復しました。

上昇寄与3位の鉄鋼・非鉄金属工業は、前月比3.7%の上昇で、5か月連続の大幅な上昇でした。普通鋼鋼帯や粗鋼等が上昇要因となっています。

主な低下寄与業種についてもみると、まず、低下寄与の最も大きかった自動車工業は、前月比マイナス4.7%の低下で、6か月ぶりの低下でした。普通乗用車、小型乗用車等が低下要因となっています。

低下寄与2位の無機・有機化学工業は、前月比マイナス1.7%の低下で、2か月ぶりの低下でした。フェノールやポリエチレン等が低下要因となっています。

低下寄与3位のプラスチック製品工業は、前月比マイナス1.2%の低下で、6か月ぶりの低下でした。プラスチック製機械器具部品やプラスチック製容器(中空成形)等が低下要因となっています。

出荷は前月比マイナス0.9%と、6か月ぶりの低下

11月の鉱工業出荷は、季節調整済指数94.0、前月比マイナス0.9%と、6か月ぶりの低下となりました。出荷に関しても、6月以降、5か月連続で上昇が続いていましたが、11月は連続上昇も一服した形となりました。

業種別にみると、全体15業種のうち、11業種が低下、4業種が上昇となりました。

低下寄与業種としては、寄与度の大きい順に、自動車工業、電気・情報通信機械工業、石油・石炭製品工業等となっています。特に、6月以降、10月まで5か月連続で勢いのある上昇を続けてきた自動車工業で上昇傾向が一服し、11月は低下に転じたことが、出荷の低下の大きな要因となっています。

財の需要先の用途別分類である財別出荷指数をみると、生産財の出荷は前月比マイナス0.4%の低下、最終需要財の出荷は前月比マイナス1.8%の低下でした。

最終需要財の出荷について内訳ごとにみると、まず消費財については、前月比マイナス3.2%と、6か月ぶりの低下となりました。そのうち耐久消費財の出荷については、前月比マイナス6.3%と、6か月ぶりの低下となりました。非耐久消費財の出荷は前月比マイナス1.8%と、2か月連続の低下となりました。

一方、設備投資に使われる財である資本財(除.輸送機械)の出荷は、前月比2.6%の上昇となり、3か月連続で上昇しました。

また、建設財は、前月比マイナス3.4%と、2か月ぶりの低下となりました。

各財の出荷の動きを通してみると、本年6月以降、出荷の回復をけん引していた耐久消費財や生産財など、多くの財が11月は低下となりましたが、他方、8月まで低下傾向が続き回復が遅れていた、設備投資に使われる資本財(除.輸送機械)は、9月以降、3か月連続での上昇となり、内外での設備投資の回復の兆しも感じさせます。今後とも回復していくのかが注目されるところです。

在庫は8か月連続低下

11月の鉱工業在庫は、季節調整済指数94.6、前月比マイナス1.1%と、8か月連続の低下となりました。在庫は、今基準内で最低水準まで大幅に低下しています。

業種別にみると、15業種のうち、11業種が低下、4業種が上昇となりました。低下寄与が大きかった業種としては、無機・有機化学工業、化学工業(除.無機・有機化学工業・医薬品)、生産用機械工業等が挙げられます。

在庫循環図をみると、まだ11月時点までの数値ではありますが、2020年第4四半期に入り、意図せざる在庫減局面まで在庫調整が進んでいる様子がみられます。

11月の生産の基調判断は、「持ち直している」を据え置き

本年11月の鉱工業生産は、前月比横ばいとなりました。生産は、新型コロナウイルス感染症の影響で、2月から5月まで低下が続いた後、6月以降は一転、上昇が続いていたところですが、11月はこの連続上昇も一服することとなりました。

この背景には、6月以降、勢いのある上昇が続き、鉱工業生産全体の上昇をけん引してきた自動車工業の生産が、11月は低下したことがあります。ただ他方で、他の多くの業種は回復傾向が続いており、鉱工業生産全体でも、均してみれば回復傾向が続いていると考えられます。

また、先行きに関しては、企業の生産計画では12月は低下、1月は上昇となっています。12月は一旦低下が見込まれるとはいえ、1月には再び大幅な上昇を見込む計画となっています。

こうした状況を踏まえ、鉱工業生産の11月の基調判断については、「生産は持ち直している」を据え置きます。他方で、最近の感染症拡大による社会経済活動への影響が内外経済を下振れさせるリスクにも注意する必要があり、12月以降の生産の動向についても十分注意してみていきたいと考えます。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-202011s.html
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html

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