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2021年1月の鉱工業生産は、前月比4.2%の上昇。1月は緊急事態宣言の発出などがあったものの、内外での需要回復を背景に幅広い業種で増産となり、3か月ぶりの上昇となった。基調判断は「生産は持ち直している」を据え置き。 2021年2月26日

1月生産は3か月ぶりの前月比上昇

2021年1月の鉱工業生産は、季節調整済指数97.7、前月比4.2%の上昇となりました。1月当初の企業の生産計画に含まれる傾向的な上方バイアスを補正した試算値では、前月比4.4%の上昇(90%レンジでは2.7%~6.1%の間)となっていましたが、実際の1月の生産は、試算値に近い程度の上昇となりました。1月は新型コロナウイルス感染症の感染急拡大を受け、緊急事態宣言の発出や対象地域拡大などがあったものの、速報段階ではありますが鉱工業生産への影響は大きなものではなかったと考えられます。

生産は、新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年2月から5月まで大幅に低下した後、6月以降は一転、10月まで勢いのある上昇が続きました。その後11月、12月は増産が一服していたところですが、2021年1月は3か月ぶりに上昇に転じ、再び大幅な上昇となりました。

ただ、2021年1月の生産水準は、感染症拡大前の2020年1月(指数値99.8)と比べても未だ低く、今後も回復を期待したいところです。

13業種が前月比上昇、2業種が前月比低下

1月の鉱工業生産を業種別にみると、全体15業種のうち、13業種が前月比上昇、2業種が前月比低下という結果でした。

1月は、輸送機械工業(除.自動車工業)、石油・石炭製品工業は低下に寄与したものの、汎用・業務用機械工業、電子部品・デバイス工業、電気・情報通信機械工業等が上昇に寄与していました。

主な上昇寄与業種についてみてみると、まず、上昇寄与の最も大きかった汎用・業務用機械工業は、前月比11.7%の上昇で、2か月ぶりの上昇でした。軸受、ボイラ部品、カメラ等が上昇要因となっています。内外での需要増を背景に、国内向け・海外向けともに増産があったと考えられます。

上昇寄与2位の電子部品・デバイス工業は、前月比10.5%の上昇で、3か月連続の上昇でした。モス型半導体集積回路(メモリ)や固定コンデンサ等が上昇要因となっています。主に海外向けでの需要増が増産の背景にあるものと考えられます。同工業の1月の指数値(110.5)は今基準内で最高水準となっており、生産の好調さがうかがええます。

上昇寄与3位の電気・情報通信機械工業は、前月比7.5%の上昇で、2か月ぶりの上昇でした。リチウムイオン蓄電池や基地局通信装置等が上昇要因となっています。前者では海外向けの需要増が、後者では国内向けの受注が好調であったことが背景にあったと考えられます。同工業の1月の指数値(103.2)は、2019年5月(103.6)以来の水準となっており、こちらも生産の好調さがうかがえます。

出荷は3か月ぶりの上昇

2021年1月の鉱工業出荷は、季節調整済指数95.8、前月比3.2%と、3か月ぶりの上昇となりました。出荷に関しても、6月以降、10月まで5か月連続で上昇が続いた後、11月、12月と2か月連続で低下しましたが、1月は再び大きめの上昇となりました。

業種別にみると、全体15業種のうち、13業種が上昇、2業種が低下となりました。

上昇寄与業種としては、寄与度の大きい順に、自動車工業、電気・情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業等となっています。自動車工業については3か月ぶりの上昇となり、10月までの急上昇の後、11月、12月は需要回復にも一服感がみられましたが、1月は再び大きめの上昇となりました。

財の需要先の用途別分類である財別出荷指数をみると、生産財の出荷は前月比4.2%の上昇、最終需要財の出荷は前月比1.6%の上昇でした。

最終需要財の出荷について内訳ごとにみると、まず消費財については、前月比2.8%と、3か月ぶりの上昇となりました。そのうち耐久消費財の出荷については、前月比7.8%と、3か月ぶりの上昇となりました。非耐久消費財の出荷は前月比0.7%と、2か月連続の上昇となりました。

一方、設備投資に使われる財である資本財(除.輸送機械)の出荷は、前月比8.7%の上昇となり、2か月ぶりの上昇となりました。

また、建設財は、前月比1.7%と、3か月ぶりの上昇となりました。

在庫は2か月ぶりの低下

1月の鉱工業在庫は、季節調整済指数95.1、前月比マイナス0.2%と、2か月ぶりの低下となりました。在庫は今基準内で2番目に低い水準となっており、引き続き低い水準にあります。

業種別にみると、15業種のうち、10業種が低下、4業種が上昇、1業種が横ばいとなりました。低下寄与が大きかった業種としては、自動車工業、化学工業(除.無機・有機化学工業・医薬品)、無機・有機化学工業等が挙げられます。

1月の生産の基調判断は、「持ち直している」を据え置き

2021年1月の鉱工業生産は、前月比4.2%の上昇となりました。生産は、新型コロナウイルス感染症の影響で2020年2月から5月まで低下が続いた後、6月以降は一転、回復傾向が続いています。10月まで勢いある上昇が続いた後、11月、12月は一服感がみられましたが、2021年1月は再び大きめの上昇となりました。

この背景には、1月は緊急事態宣言が発出されていたものの、その影響は小さく、内外の需要は回復傾向が続いていることが挙げられます。業種ごとの動きをみても、1月の上昇寄与が大きかった汎用・業務用機械工業、電子部品・デバイス工業、電気・情報通信機械工業、生産用機械工業等は回復傾向に転じており、また、11月、12月は上昇が一服していた自動車工業も、1月は再び上昇に転じました。

また、先行きに関しては、企業の生産計画では2月は上昇、3月は低下となっています。3月は低下の計画ではあるものの、1月の大幅上昇に続き2月も上昇の計画であること等を考えると、生産は上下の振れはあるものの、現時点では回復傾向は続いているものと考えられます。

こうした状況を踏まえ、鉱工業生産の1月の基調判断については、「生産は持ち直している」を据え置きます。他方で、先行きに関しては、2月も緊急事態宣言の発出が続くなど、内外での感染拡大による経済の下振れリスクにも十分注意する必要があります。2月以降の生産の動向についても十分注意してみていきたいと考えます。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-202101s.html
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html

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