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経済解析室ひと言解説集
- 平成27年第2四半期の全産業活動指数
平成27年第2四半期の全産業活動指数
平成27年第2四半期(4―6月期)の全産業活動指数は、指数値96.5、前期比▲0.9%低下と、4四半期ぶりの低下となりました。
前年同期比は、さすがに0.7%プラスであり、増税直後の四半期を割り込むことはありませんでしたが、その水準差は小さく、増税直後の低下から大きく回復したとは言えません。逆に、一昨年第2四半期との比較では、0.3%マイナス(一昨年第2四半期原指数95.5)となってしまっています。
平成27年第2四半期の全産業活動の結果は、増税後の回復基調が続かなかったという評価を超えて、方向感も水準感も若干悪かったということになろうかと思います。
4-6月期の全産業活動指数を産業別に見てみると、第3次産業活動指数は4四半期ぶりに前期比▲0.9%低下、鉱工業生産指数は3四半期ぶりに前期比▲1.4%低下でした。一方、建設業活動指数は、2四半期ぶりに前期比2.8%上昇となりました。
第2四半期の全産業活動指数の前期比低下に対する寄与では、第3次産業活動指数の低下寄与が大きく、鉱工業生産の低下寄与はその半分程度で、建設業活動指数が若干の上昇寄与ということになります。もともと、建設業活動の全産業に占める割合は小さいので、第3次産業と鉱工業生産の両方が低下してしまうと、建設業活動だけでそれを補うことは難しいところです。
改めて振り返って見ると、増税後の企業活動の復調の軸足は、製造業では輸出や(必ずしも製造業の生産能力増加には直結しない)資本財の生産・出荷であり、非製造業では、卸売業などの鉱工業生産と連動性の高いビジネスや、金融取引、専門サービスなどのB to Bのサービスビジネスでした。
しかし、この第2四半期では、非製造業においては、対事業所サービスが全体を大きく引き下げていました。
製造業でも、生産、出荷、稼働率が3四半期ぶりに揃って前期比マイナスとなっています。特に、出荷のうち、輸出向け出荷は5四半期ぶりに前期比低下となりました。
以上まとめれば、今年の第2四半期は、輸出向けの生産を含む企業向け産業活動が少し停滞し、それを個人向けの産業活動で補い切れなかった四半期ということになるでしょう。