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経済解析室ひと言解説集
- 観光関連産業の産業上の重み(ウェイト)は、実は輸送機械工業と同等レベル
観光関連産業の産業上の重み(ウェイト)は、実は輸送機械工業と同等レベル
昨今、日本人、外国からのお客様の別を問わず、日本における旅行需要、観光需要が伸びている話題に事欠きません。
毎月の第3次産業活動指数の中で、旅客運送業や宿泊業、テーマパーク、旅行業(旅行代理店)など観光ビジネスに関連する産業の活動状況を集計して、「観光関連産業活動指数」を作成、提供しています。
関連産業の人数や取扱高のデータを加重平均して指数を作成するのですが、その場合には、各産業の産業全体に対する「重み」を計算する必要があります。鉱工業生産指数や第3次産業活動指数、そしてこれらの指数を合算した全産業活動指数では、それぞれの産業で基準年に発生した付加価値額で「重み(ウェイト)」を作成しています。
先頃、第3次産業活動指数や全産業活動指数も平成22年基準に移行しましたので、観光関連産業の平成22年基準のウェイトを見てみました。
すると、輸送機械工業が日本の国内産業にもつ重みと、観光関連産業全体の重みとがほぼ同じであることが分かりました。毎月の鉱工業生産や出荷は、輸送機械工業の影響を非常に強く受けますが、観光関連産業は、その輸送機械工業と同じレベルの重みを持っていることになります。ただし、第3次産業活動全体のウェイトが大きいので、観光関連産業が毎月の第3次産業活動指数を動かしているということではありません。
日本の国内産業活動に有する重みがほぼ同じである観光関連産業と輸送機械工業の指数の推移を比較してみます。
指数のグラフを比較すると、昨年の消費増税後、輸送機械工業の生産が基準年の100を下回って推移している一方、観光関連産業は、そもそも基準年の水準を超えている上に、昨年の増税後も緩やかに増大していることが分かります。
最新の7月の指数値では、輸送機械工業(鉱工業生産指数)が96.8であることに対し、観光関連産業指数(第3次産業活動指数)が105.1となっており、指数の動きの勢いに大分差が出てきているようです。