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- 1兆円産業へ復活の兆し?実は皆さん意外と習い事をしている気がします
1兆円産業へ復活の兆し?実は皆さん意外と習い事をしている気がします
突然ですが、日々の生活の中で何か楽しみはお持ちですか?人によって楽しみの中身もどう楽しむのかも千差万別です。充実した生活を送る方法の1つに「習い事」をするという選択肢もあるのではないかと思います。
平成26年特定サービス産業実態調査(以下「平成26年調査」という。)は、サービス産業の実態を明らかにするものとして、経済産業省調査統計グループにより毎年行われている調査です。平成26年調査は平成26年7月1日現在で実施され、原則平成25年1月1日から12月31日までの1年間の結果として公表されました。
平成26年調査の産業分類のうち「教養・技能教授業」に着目して見てみました。いわゆる「習い事」に該当するものです。
まず「教養・技能教授業」全体の動向について見てみました。平成26年調査における「売上高」は9,328億円で、平成25年調査の結果と比較して269億円(前年比3.0%)増加しました。「講座数」、「受講者数(在籍者数)」、「受講者数うち新規」、「年間延べ受講者数」及び「年間延べ講座開設時間数」のいずれも増加していました。特に「受講者数うち新規」が増加しているということは、積極的に活動しようという人が多くなっていることの現れではないでしょうか。また、内容を充実させたことで「講座数」の増加、「年間延べ講座開設時間数」の増加につながっていると考えられます。例えばカルチャーセンターの案内のチラシを見ると、語学や教養、更にはダンスや健康体操まで性別・年齢問わず幅広く受講できる内容が多く見られる気がします。選択肢が多ければ多いほど興味が持てるものが見つかりそうです。
次に業種ごとの売上高を前回平成25年調査と比較して見てみたところ、「教養・技能教授業」の中でも「生花・茶道」、「外国語会話」、「カルチャーセンター」及び「家庭教師」で売上高の増加が見られました。かつて習い事というと幼少期の「ピアノ」や「そろばん」といったイメージでしたが、最近の習い事はむしろ大人が行うものが多くなっており、大人の習い事の動きが好調と言えます。その中でも「外国語会話」の売上高増加の背景には企業がグローバル化を進めていて外国語の習得が求められていることがあるのかもしれません。また、今後東京オリンピックを見据えると大会関係者のみならずボランティアなど幅広く語学力が求められることが予想され、更に売上高が増加していくかもしれません。
こうして見てみますと、実は皆さん意外と習い事をしている気がします。平成21年には1兆円を超えていましたが、その後減少していました。しかし今回の結果を見ると習い事ビジネスは「再び1兆円産業」になる勢いです。生活における楽しみ、潤いといったものを遊園地に遊びに行くといったレジャー産業だけでなく習い事から得ているとも言えます。
来年の結果がどうなるのか、気になるところです。また、これから秋本番、「○○の秋」はどのようなものになるのでしょうか。自分だけの楽しい秋を見つけたいものです。