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中部地方と北米地域の輸送機械工業の出荷指数を比較してみると・・・

日本の製造業の中における輸送機械工業の重要性は言うまでもありません。同時に、輸送機械工業は製造業の中で特にグローバル化が進んでいる産業でもあります(海外現地法人の出荷の割合である出荷海外比率は、製造業全体では3割程度だが、輸送機械工業は5割)。

そこで、今回は、グローバル化の状況について、日本と世界の対比ではなくて、地域単位で見てみるとどうなるか試算してみました。利用するデータは、経済産業局別の鉱工業出荷指数と地域別グローバル出荷指数です。

比較対象は、日系の輸送機械工業が多く集積している中部地域と北米地域としてみました。

中部地域と北米地域の輸送機械工業の出荷指数の推移を比較したものが、下のグラフです。

これをみると、平成24年、つまり東日本大震災の翌年を境にして、中部地域の指数と北米地域の指数の動きがかい離しはじめたことが分かります。中部地域の指数は、ほぼ100前後の横ばいで推移していますが、北米地域の指数は順調に右肩上がりになっています。

ただ、指数のグラフ同士を直接比較しても、大小比較はできません。指数は、基準年に対するそれぞれの時期の活動の多寡を相対的に表現しているものだからです。

そこで、指数を使って、それぞれの時期の輸送機械工業の世界全体の出荷に占める両地域の構成比を2時点で比較してみたいと思います。比較したのは、切りよく平成20年(リーマンショックによって景気が最も悪くなった年の前年)と最新の平成27年第2四半期です。

平成20年の段階では、そもそも輸送機械工業のグローバル出荷のうち、6割以上が国内出荷で占められており、中部地域の出荷の割合もグローバル出荷のうち、17%近くを占めていました。北米地域の出荷の割合は、14%程度であり、中部地域の存在感の方がまだ大きくなっていました。

平成27年第2四半期では、国内出荷と海外出荷が半々になっています。このうち、中部地域の割合が14.7%、北米地域の割合が19.7%となり、比率は逆転しています。

勿論、これだけをもって、輸送機械工業の中部地域の拠点の空洞化が進んでおり問題だということではありませんが、やはり日系の輸送機械工業の活動において、北米地域が非常に重要な生産・出荷の拠点立地エリアになっているということは言えるかと思います。

最終更新日:2015年10月27日
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