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長い成長の続く警備業、オリンピックの影響は如何に

2020年に開催される東京オリンピックに向けて、成長が期待される産業と言えば何を思い浮かべるでしょうか。以前、ひと言解説で、新国立競技場で注目を集める建設業についてご紹介しましたが(「建設業とオリンピック」)、今日は、1964年の東京オリンピックの選手村警備から歴史が始まり、今も右肩上がりの成長を続ける「警備業」について取り上げたいと思います。


第3次産業活動指数における警備業の推移を見ると、リーマン・ショックや東日本大震災時にも大きな変動はなく、第3次産業全体を上回るベースで右肩上がりの成長を続けています。



警備業務は、警備業法によって一号から四号まで4つの業務区分が設けられています。そのうち、警備需要の約半分を占めるといわれるのが、一号業務です*。これには、契約先施設に常駐して出入管理や防災センター業務などを行う「施設警備業務」や、常駐しない「巡回警備業務」、商業施設等において万引き等の犯罪を防止する「保安警備業務」、エックス線透視検査装置等を用いての「空港保安警備業務」、契約先施設にセンサー等を設置して異常時に駆けつける「機械警備業務」が含まれます**。警備業は、全体で見ると「設備」より「人手」を多く必要とする「人手型サービス」なのですが、近年は、設備の力が大きい「機械警備業務」の契約件数も右肩上がりで増加しています。



機械警備業務の中でも、近年、契約件数の伸びが目覚しいのが、家庭向けサービスです。最近、CMなどで「ホームセキュリティ」という言葉をよく耳にしますね。今のところ、売上では事業所向けに及ばないようですが、職場や出先での警備サービスが「あたりまえ」と感じられるようになった今、更なる成長を目指した、各社による家庭向けサービスの需要喚起策が功を奏しているようです。


また、機械警備に関しては、ドローンを使った追跡や、侵入してきたドローンを探知するシステムなど、新たな技術の開発が活発です。2020年東京オリンピックを契機に、更なる飛躍なるか?指数の動向に要注目です。


* 一般社団法人全国警備業協会HPより

** 二号警備は、「交通誘導警備業務」と「雑踏警備業務」、三号警備は、「貴重品運搬警備業務」と「核燃料物質等危険物運搬警備業務」が含まれる。

最終更新日:2016年3月2日
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