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お花見シーズンの飲食・観光関連産業

東京では今週、桜が満開となりましたので、週末はお花見に出かけるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。毎年桜の咲く時期になると、お花見に伴う飲食に関する情報や、桜の名所と謳われる観光地での見頃や人出に関する情報をテレビのニュースやワイドショー、新聞報道等で目にする機会が増えるのではないでしょうか。

そこで今回、お花見シーズンに盛り上がりそうなサービス業ということで、第3次産業活動指数の「飲食関連産業」と「観光関連産業」について取り上げてみたいと思います。

なお、この解説ではお花見シーズンを、気象庁の「さくらの開花日と満開日の観測方法と等期日線図(平年)」を参考に、3月から5月までの3か月としています。


まずは、「飲食関連産業」と「観光関連産業」がお花見シーズンに盛り上がるのかどうかを確かめるため、平成20年から27年のデータで、お花見シーズンとした3か月の平均値(季節調整前の指数)と各年の平均値について比較してみました。

「飲食関連産業」では、東日本大震災が発生した平成23年に、お花見シーズンの指数が年平均を下回っていますが、それ以外の年ではお花見シーズンの指数が年平均を上回っていました。また、震災のあった平成23年を除いた7年分のデータで、お花見シーズンと年平均を比較しますと、お花見シーズンが年平均を1.4ポイント上回っていました。やはり、「飲食関連産業」は、お花見シーズンに盛り上がっていると言えそうです。

「観光関連産業」では、平成20年、22年、26年のお花見シーズンの指数が年平均を大きく上回っていました。しかし、この3年と東日本大震災の発生した平成23年以外の年では、お花見シーズンと年平均のレベルがほぼ同水準となっていました。震災のあった平成23年を除いた7年分のデータで、お花見シーズンと年平均を比較しますと、お花見シーズンが年平均を0.6ポイント上回っていました。「観光関連産業」も、お花見シーズンに盛り上がっている、少なくとも盛り下がることはないと言えそうです。



続いて、「飲食関連産業」と「観光関連産業」のお花見シーズンの平均値について、平成21年以降の前年同期比(前年の3~5月のデータとの比較)とその変動に寄与した内訳系列についてみてみましょう。

「飲食関連産業」の前年同期比は平成24年、25年と2年連続で上昇していましたが、26年は横ばい、27年は低下となっています。平成27年の低下には「パブレストラン,居酒屋」、「飲食料品小売業」、「ファーストフード店」などが寄与しました。一方、「食堂,レストラン,専門店」は4年連続の上昇寄与となりました。

「観光関連産業」の前年同期比は平成24年以降、4年連続で上昇となっています。平成27年の上昇には、「宿泊業」、「航空旅客運送業」などが寄与しましたが、「鉄道旅客運送業」は4年ぶりに低下寄与となりました。

ソーシャル・ネットワークで日本全国の桜の開花情報が共有される最近のお花見は、自分で食べ物や飲み物を用意して近所に出かけるのではなく、宿泊を伴うような旅行先でも楽しむものに変わってきているということなのでしょうか?



最終更新日:2016年4月1日
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