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喫茶店の動向とコーヒー・茶系飲料の嗜好の変化
近年、大手のコンビニでは一杯100円程度の持ち帰りコーヒーを店頭販売するようになり、朝のオフィス街でも紙コップを片手に歩く人をしばしば見かけます。ペットボトルの普及なども手伝って、場所を選ばずにどこでも飲み物を飲むことができるようになりました。では、飲み物をお店で飲む人は減っているのでしょうか。今回は第3次産業活動指数における喫茶店の動向と、コーヒー・茶系飲料の嗜好の変化を見ていきたいと思います。
最初に、第3次産業活動指数における各種の「飲食店」の動きを見てみましょう。
意外なことに「喫茶店」は近年ほぼ横ばいで、昨年後半からはむしろ上昇傾向にあります。多くのコンビニで持ち帰りコーヒーを販売するようになったのは平成25年頃からですが、喫茶店の売上にマイナスの影響は見られません。
では、日本人はどんな種類の飲み物を店頭などで購入して飲んでいるのでしょうか。
2番目のグラフは、一般社団法人食糧需給研究センターが作成した「食品製造業の生産動向」を元に作成した、コーヒー・茶系飲料の年間生産量のグラフです。このデータは、ボトリングされた飲料の量についての統計ですので、単位はキロリットルですが、ここでは種類別の構成比を円グラフでお示ししています。
統計をみると、平成22年から26年までの4年間で、合計で約23万キロリットル(約2.8%)増加していますが、内訳を見ると、「紅茶飲料」と「ウーロン茶飲料」が減少し、「麦茶飲料」が大きく伸びていることがわかります。「コーヒー飲料等」の構成比はあまり変化していません。
店頭や自動販売機で販売されている容器入りのコーヒーやお茶系の飲料の製造量も増えていますし、喫茶店の活動量も底堅く推移しているということで、どちらかが、もう片方を押しのけているという関係ではないようです。
お店でサービスを受けるにしても、店頭などで購入するにしても、コーヒーなど飲料を飲む機会が増えているということなのだと思います。